メタルさんの小説

ハロウィン(オチ無し)


「トリック or トリート!」
 今日は一日限りのハロウィンの日、プププランドの家々で子供達の声が聞こえる。
 ……で、カービィはと言うと。
「デデデ!トリックorトリート!城のお菓子全部頂戴ー!」
 ミラーのコピーで魔法使いの仮装をして、ちゃっかりデデデ大王の城にお菓子を貰いに来ていた。
 バーン!と王室の扉を開ける。
「お前にあげるお菓子なんか無い」
 唐突の言葉にデデデが座っている玉座まで、ズザァーとヘッドスライディングをするカービィ。
「なんでさぁ!?」
「仕方無いだろ?お前にあげると全部なくなっちまうんだから……まぁ今日は特別だ、悪戯されたくないからな」
 はぁ……と溜め息をつき、クッキーを詰めた袋を、カービィ渡す。
「えっこんだけ?」
 カービィは不満そうにクッキーの数を数えたり、デデデの横にあるクッキーが入っている箱をじぃーと見る。
「じゃあ聞くぞ、お前はお菓子を貰いに、メタナイトの部屋に行ったとする」
「うん」
「だが、お前より先に来た奴がお菓子を全て貰って行った。お前はどんな気持ちになる?」
 カービィはうーんと考えた後、クッキーの袋を開け、クッキーを一枚食べる。
「悲しいよ?それがどうしたの?」
「お前が全部貰っていくと、後から来た子供達が悲しくなる。そこん所をもう少し考えてくれ」
 あ、うん……とカービィは申し訳無さそうにデデデから目を反らす。
「確かメタナイトもお菓子を配っていた筈だぞ、行ってみたらどうだ?」
「うん、行ってくる。後……」
 カービィは扉に向かう足を止め、デデデに振り替える。
「お菓子ありがとね!」


グリーングリーンズ……



「ふぅ、けっこう来るな……」
 お菓子を貰ってキャッキャッ騒いでいる子供達を横目に、メタナイトは足下にある箱をちらと見る。箱の中にあったお菓子は残り3個だった、この状況でカービィが来られるとマズイことになる。
 去年もメタナイトはグリーングリーンズでお菓子を配っていた。だが残り5個の所でカービィがやって来た。
 カービィにもお菓子をあげたは良いが少ないと言い始め、残りのお菓子をかっさらい、無敵キャンディーをくれと言いながらハンマーを振り回し追いかけて来た……と言う経験がメタナイトにはあるのだ。
 住民にも被害が及ぶ。ましてや周りには子供達が一杯いたのだ、ハンマーが当たれば怪我所ではないと判断して、ハンマーを切り落として一件落着になったのだが。
 ……今カービィが来たら……と思うと冷や汗が流れる。
「……子供達はもう来ないだろう、そろそろ引き上げ……」
「メッタナーイトー!」
 ……来た、あのピンクの悪魔が来た。
 メタナイトは残ったお菓子と箱を急いで片付けその場から立ち去ろうとしたが、あの時のハンマーを持ったカービィを思い出す。
「(クッ……公衆の場であまり翼は使いたくないが……)」
 カービィに背を向け助走をつけ、マントから翼へと変化させ……
「つ・か・ま・え・た☆」
「ッ!!?」
 にこにこしながらカービィはマントを鷲掴みにしていた。
 カービィから逃げれないと判断したメタナイトは、心を落ち着かせカービィに焦りを隠す。
「な……なんだカービィ、この私に何か」
「トリックorトリート!」
 そうか、こいつは食べ物の事しか考えん奴だったな……と一人で納得して、取り敢えずカービィにお菓子を渡す。
「ありがとメタナイト!じゃあ僕は他の家からも貰って来るね!」
「あ……あぁそうか……」
 カービィはメタナイトからお菓子を一つ貰い、グリーングリーンズの原っぱを駆け出して行った。
 一体何だったたんだと言うほど軽快にカービィは走っていった。
「フッ……一難去ったか……」
 メタナイトはマントをはためかせ、部下が待っているアジトへと帰って行った。 
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