矢五さんの小説

星のカービィ小説 雪国の出会い・前編


(あれ…?…ここは‥?)
その日、何処か冷たくて暗い部屋の床の上で
少女は目を覚ましました。

(‥私、どうしてこんな所にいるんだろう?…)
少女は何故か水に入った後の様にぐっしょりと濡れた
自分の髪を振り乱してその場所の辺りをキョロキョロと見回します。

その空間は広々として薄暗く辺りには冷たい鉄の床と壁しか見当たらず
何処までも無機質な空間が広がっていました。
(何だか‥寂しいな…)
その光景を見た時、少女の心には私達が知る、寂しさに近い感情が沸き起こり
少女はそのまま暫く自分以外の話が出来る相手を求めて
薄暗い空間を暫く彷徨いました。

「?‥向こうから‥何か聞こえる…」
暫くして、彼女の頭に付いていた猫の様な大きな黒い耳が
遠くで何かが吹き付ける様な音を聞きつけました。
「!…」
そして、少女が音が聞こえた方に行くと
其処には鉄で出来た扉があり少女はそれを力いっぱい押して
其処から外への出口を開きました。

「!…凄い…」
少女が外に出ると其処は一面の平原に雪が降り積もった
銀世界で雪が絶え間なく降り積もる、その場所からまっすぐ先に行った所には
人が住む町の様な建物が疎らに建っているのが少女が居るこの場所からでも
はっきりと見えました。

建物の中と比べて外はめっきりと冷え込んでいましたが
今まで彼女がいた場所にはそれとは別の無機質な生き物が居ることを
まったく感じさせないような冷たさで
どちらの場所に居る事を選ぶか少女は少しだけ考えて

(‥あそこにいけば誰かと会えるかもしれない…)
誰に教えられる訳でもなくそう思い、少女は
自分が今まで居た巨大な鉄の塊の建物に背を向けると
雪が降る雪原に足跡を残しながら遠くに見える
その町の方に向かって歩き始めました。
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