つばささんの小説

【銀河にねがいを☆彡】27.大彗星・ノヴァ


 
【大彗星・ノヴァ】

「カービィ、ぼく達も帰ろう?」
ワドルドゥはそう言ってカービィの方を見た。
「……」
カービィは手にデラックスストーンを持ち、星空を見上げている。
「…カービィ、帰らないの?」
ワドルドゥは不思議そうに言った。
「ワドルドゥ…これ、チリーがくれたの。全ての能力を持つ石なの…。」

カービィはデラックスストーンを頭上に掲げた。すると、石は7色に分かれ空に弾けていった。

すると、突然カービィとワドルドゥの体がそのままの状態で宇宙まで上昇していった。
「うわぁ〜!」
ワドルドゥはびっくりして叫んだ。

2人は遠くポップスターが見えるところまで上昇すると、そこで停止した。
カービィは目の前に広がる宇宙空間を眺めた。惑星たちはデラックスストーンの力で目覚めたかのように光を放っている。

その時、遠くフロリアと思われる緑の惑星から光の線がゆっくりとアクアリスに向かって繋がれていった。
「えっ…」
ワドルドゥは唖然としてその様子を眺めた。

フロリアとアクアリスが繋がれると、今度はアクアリスからスカイハイへ、スカイハイからホットビートへ…ゆっくりと繋がれていった。

「カービィ、君は大彗星に何をお願いするつもりなの!?」
ワドルドゥは叫んだ。

全ての惑星が繋がれると、カービィたちの前に黄金に輝く伝説の彗星・ノヴァが現れた。


《アナタノ 願イゴトヲ ヒトツダケ カナエテ サシアゲマス…》
ノヴァは言った。

「…死んじゃったチリーを返してください。」
カービィは言った。

《死ンダ 人ヲ 生キ返ラセル 事ハ 出来マセン …コレハ 自然ノ 摂理デス》

「そんなぁ…」
カービィは泣き崩れた。

《デモ アナタハ コウシテ 愛ヲ 学ンダ ダカラ 彼ハ 死ンダノデス》

「そんなぁ…そんなぁ…」
カービィはひたすら泣き続けた。

その時どこからかマルクが現れ、カービィを蹴っ飛ばすとノヴァに向き合った。
「…え〜、オッホン。じゃあ、全宇宙をボクのものにしたいのサ。ボクが宇宙一偉くて、誰もボクの言うことに逆らえないってことで…って、ちょっと、聞いてる??」

ノヴァはマルクの願いをすべて聞く前に消えてしまった。
「えっ…」
マルクは絶句した。

「まさか…願い事は一つだけ…?」
マルクは泣き続けるカービィと、放心状態になっているワドルドゥのほうを見た。
「…カービィ…お前のせいで…」
マルクの体は怒りのオーラで赤黒く燃え上がった。

「ねぇ…どういうこと?死んじゃったって…チリーは…死んだの…?」
ワドルドゥは言った。
すると、突然マルクが叫んだ。
「黙れ!!あいつの話をするな!!」

ワドルドゥはやっとマルクの存在に気づいたようで、そちらを見た。
「あれ…君、マルクだよね?…確か大王様にプププランドから追放されて…」
ワドルドゥは何気なく口走った発言の大変さにすぐ気付いたが、すでに遅かった。

「キッ…キサマーー!!」
マルクはワドルドゥに杖を構え、黒い強力なエネルギーを放った。
それがワドルドゥに命中すると、その場で大爆発が起こった。
「ワドルドゥーー!!」
カービィは悲鳴を上げた。


しばらくして爆風が去ると、ワドルドゥがいたところに白い光を放つものが残った。

「ん?…どうなってんのサ?」
マルクはつぶやいた。
『ノヴァがあいつに力を与えたようだな。マルク…貴様はどこまでも使えない出来損ないの魔法使いだ。』
マルクに取り憑いているものが言った。

カービィは眩しい光を放つものに手を伸ばした。
「…ワドルドゥ…やだよ…死なないでぇ…」
カービィは光を放つものにしがみついた。
すると、眩しい光は徐々に和らいでいった。

カービィが目を開けると、そこにはなんと大きなクラッコJr.の姿があった。
「えっ!?」
カービィは驚いてワドルドゥから飛びのいた。
「カービィ…ぼく、やっぱり父さんの子だった!」
クラッコJr.になったワドルドゥが言った。
「きみ…ワドルドゥなの?」
カービィは唖然として言った。
「うん。どうなっちゃったのかよく分からないんだけどね、何だか力がみなぎるの。ほら、自由自在に飛べるし!」
クラッコJr.は宇宙空間を高速で移動してみせた。
「凄いよワドルドゥ!!」
カービィは感激した。

『…キサマの体など…もういらん!!』
「ギャーーー!!」
マルクは突然苦しそうにもがき始めた。すると、マルクの体の中から赤い目玉のついた巨大な化け物が抜き出てきた。
「なっ、なんなの!?」
カービィ達は驚いて言った。

幽体離脱のような現象が済むと、マルクはその場に倒れ込んだ。
化け物は赤い目玉でカービィ達を睨んでいる。

「ゼロだ…図書館の本で見たことある…」
ワドルドゥの体はかすかに震えている。

『キサマら…よくもここまでわしの邪魔をしてくれたな…生きては帰さぬぞ!!』
ゼロは叫んだ。
「きみがマルクを操ってたの…?」
カービィは言った。

「カービィ、ぼくはノヴァから力をもらったんだ。だから、ぼくを飲み込んで!!一緒にゼロと戦おうよ!!」
ワドルドゥは言った。
「うん、分かった!」

カービィはクラッコJr.になったワドルドゥを頑張って吸い込み、ごっくんと飲み込んだ。
すると、カービィの体が輝きだした。
カービィは二割れの帽子に、手にロッドを持ったビーム能力の姿に変身した。

『…ビーム能力なんぞでこのわしを倒すつもりか?…ふざけるなッ!!』
ゼロはカービィに向けて黒いビームを放ってきた。
「うわぁ!!」
カービィは悲鳴をあげて飛び上がった。

するとカービィは素早く宙を舞い、ゼロのビーム攻撃を難なくかわした。

《カービィ、大丈夫?》
ワドルドゥは言った。
「あれ…?ぼく、きみみたいに空が飛べるよ!」
カービィはクラッコJ r.と同じように宇宙空間を高速で移動できるようになっていた。

《今だよ、カービィ!》
ワドルドゥは叫んだ。
「ビームウィップ!!」
カービィはロッドを振り下ろした。すると、ロッドの先からムチのようにしなるビームが発生し、ゼロを叩きつけた。

『ぐは!!』
ゼロはビームの鞭に打たれ、体勢を崩した。
『なぜだっ…なぜビーム能力ごときで…これがノヴァの力なのか?生意気なッッ!!』
ゼロはそう言うと、カービィに大量の赤い玉を発射してきた。

《カービィ、避けてっ!》
ワドルドゥは叫んだ。
カービィは飛んでくるたくさんの玉を必死でかわしたが、そのうちの一つに当たってしまった。
「キャア〜!」
《うわぁ〜!》
カービィたちは後ろへ吹っ飛ばされた。

《…カービィ、大丈夫??》
ワドルドゥはゼロの方を見た。ゼロの赤い目玉に力が蓄えられていた。
『食らえぇ!!』
ゼロは目玉から黒いビームを発射した。

カービィは攻撃に気付きそれを避けようとしたが、すでに手遅れだった。

その時、カービィたちの前にマルクが飛び込んできた。マルクは大きな杖を両手で横に持ち、渾身の力をこめてバリアを張っている。

「カービィ!今のうちに波動ビームを撃つのサっ!!」
マルクは叫んだ。
「えっ?うん!」
カービィはそう言ってロッドに力を溜め始めた。
《あ、危ないよっ!君にはノヴァの力が、宿ってないんだから…!》
ワドルドゥは叫んだ。
「構わないのサ。カービィ、早く撃つのサ!!もう持ちこたえられない…!」
マルクは言った。
「波動ビーム!!」
カービィはゼロに波動ビームを発射した。
『ぐはぁ!!』
ゼロは波動ビームを食らって悲鳴をあげた。

しかし、その直後にゼロのビームに耐えきれなくなったマルクが全身で強力なビームを浴びた。
「ぎゃああああ!!──」
マルクの体は一瞬で宇宙の塵となり、消えてしまった。
「マ…マルクッッ!!」
カービィ達は叫んだ。


ゼロはカービィ達の強力な攻撃に気を失っているようだった。
突然静かになった宇宙空間に、カービィ達はつい先程までマルクがいた場所を見つめて愕然としている。
「ぼ…ぼく、もうこんなのやだぁーー!!」
カービィは泣き出してしまった。
《カービィ…》
ワドルドゥはつぶやいた。

ワドルドゥはゼロのほうを見た。すると、ゼロの体は黒い渦を巻き上げながらぐんぐん大きくなっていた。
《!?》

『絶望したか?カービィ。』
ゼロは薄笑いを浮かべている。
《ゼロ…!》
ワドルドゥは凄んだ。
『ふふ…はははは!わしはキサマらが悲しみ、怒る度にいくらでも強くなれるのだ!!ふははははッ!…命とは儚いものだな。友情だの、愛だのと生意気にほざいておるが…キサマらの存在など、所詮虫けらにも及ばぬわーーッ!!』
ゼロはカービィたちに向けて黒いビームを放った。
「キャアーー!!」
カービィたちは攻撃を食らうと、悲鳴をあげながら遠くへ吹っ飛ばされていった。
 
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