つばささんの小説

【銀河にねがいを☆彡】25.ハーフムーン(中編)


 
3人はハーフムーンの別の場所に到着した。この辺りはまるで月面のように乾燥していて、所々に大きなクレーターがある。
空はさっきよりも星が少ないが、大きな三日月が辺りを照らしている。
「よし、この辺りを手分けして探そう!」
シミラは言った。
「黒く光るものを見つけて壊せばよいのでござるな?」
バイオスパークは言った。
3人は手分けして辺りを探し始めた。


それから5分ほどした時のことだった。
「あったぞ!!」
バイオスパークは叫んだ。
「ほんと!?」
カービィは叫んだ。
カービィとシミラがそこへ駆けつけると、つちいろの地面の上に黒く光る分厚いものが落ちていた。
「これは…本だね。」
シミラは言った。
「読んでみる?」
カービィは言った。
「いや、気になるところだけど壊しちまおう!」
シミラはそう言ってロッドを取り出した。

すると、突然本が黒く激しいオーラを発してきた。
「わぁ!!」
3人は後ろへ飛びのいた。
「本が、壊されまいと抵抗しておる!」
バイオスパークは言った。

すると、本のページが勝手にパラパラとめくれ始めた。
そしてあるページを開くと、ブラックホールのように3人を吸い込み始めた。
「わぁー!!」
カービィたちは本の中に吸い込まれていった。


カービィ達が目を開けると、3人は暗い夜の丘の上にいた。空には赤い大きな三日月だけが浮かんでいる。

「ここは…本の中の世界でござるな?」
バイオスパークはつぶやいた。
「この本自体が呪われてるんだ…油断はできないよ。」
シミラは赤い三日月を睨んでいる。

その時、まるでプラネタリウムのように夜空に光の文字が浮かび上がってきた。
「えっ!?」
カービィは驚いて言った。

《カービィたちが現れた!》

すると、大きな赤い月が突然激しく光り始めた。
「ど、どうなっておるのじゃ!?」
バイオスパークは叫んだ。
「うっ…」
シミラは赤い月の光を浴びると、急にその場に倒れ込んだ。
「シミラ!!どうしたの!?」
カービィとバイオスパークは慌ててシミラをのぞき込んだ。
「うぅ…苦しいよ…」
シミラは体中が月の光と同じ真っ赤に染まり、苦しそうにうめいている。
「シミラ殿っ、しっかりいたせ!!」
バイオスパークは叫んだ。
すると、また夜空に光の文字が現れた。

《シミラの鏡に月の光が反射している!》

「シミラ殿…ミラー能力であるからか?」
バイオスパークはつぶやいた。

「パラソル!!」
カービィはパラソル能力で月の光を防ごうと、デラックスストーンを掲げて叫んだ。
しかし、デラックスストーンは何の反応もない。
「あれ…?」

すると、また夜空に光の文字が走った。
《…しかし、うまくきまらなかった。》

「もしや、この世界では本の内容に背くことが出来ないのか…?」
バイオスパークは言った。

すると、真っ赤に染まったシミラがむっくりと起きあがった。
「…そうだよ。あたしたちはこの物語の登場人物…完全にこの本に支配されてるのさ。」
シミラは不気味な笑みを浮かべた。
「シミラ殿…操られてしもうたか…。」
バイオスパークはつぶやいた。

「ど…どうしよう?」
カービィは言った。
「逃げるぞっ!」
カービィとバイオスパークがその場から逃げようとすると、赤いレーザーのような月の光が2人を捕らえ、2人は痺れて動けなくなった。
「きゃあ!!」
カービィはころんでしまった。

《カービィ達は逃げようとした!…しかし、うまくきまらなかった。》

「どこからでもかかってきな!!腰抜け男ども。」
シミラはロッドを構えて叫んだ。
「シミラ殿、目を覚ますのじゃ!!」
バイオスパークは叫んだ。
すると、また夜空に光の文字が綴られた。

《カービィはカッターを装備した!》

すると、カービィの持つデラックスストーンの中にサーキブルの姿が映し出され、銀色に輝き始めた。
「えっ、どうなってるの!?」
カービィは銀色の光を浴び、カッター能力の姿に変身した。
すると、また夜空に光の文字が綴られた。

《バイオスパークは刀を振りおろした!》

「えっ…!」
その文字を見たカービィは叫んだ。
バイオスパークは腰から小刀を抜き、勝手にシミラに斬りかかっていった。
「シミラ殿っ、かわすのじゃ!…やああ!!」
するとシミラはロッドで鏡のバリアをはり、バイオスパークの衝撃を跳ね返した。
「ぐはっ!!」
バイオスパークは後ろに吹っ飛ばされた。
「バイオスパーク!大丈夫!?」
カービィは叫んだ。
「その程度かい?」
シミラは言った。

《カービィは、ぼ〜っとしていた。》

「ど、どうしよ〜…」
カービィはつぶやいた。


カービィとバイオスパークは物語の進行に従わされ、ひたすらシミラを攻撃し続けた。
カービィたちの攻撃は全てシミラの鏡に跳ね返され、2人は自身の攻撃で自ら傷つけられた。

「シミラ殿、拙者はこんなことをしたくない!!」
バイオスパークは叫んだ。
「そうかい…なら、あんたもこっちに来なっ!」
シミラはそう言ってバイオスパークに掴みかかった。
「!!」
バイオスパークはシミラに捕まえられたが、体が全く動かない。
「バイオスパーク!!」
カービィは叫んだ。

《カービィは、ぼ〜っとしていた。》

「あんたも道連れだよ。」
真っ赤なシミラがバイオスパークを強く締めつけると、バイオスパークもどんどん赤く染まっていった。
「ぐはぁ!!」
バイオスパークは苦しそうにもがき始めた。
「やめてぇ!!」
カービィはバイオスパークを助けようとしたが、カービィも体が全く動かない。

《バイオスパークは月の光に染まっていく。》

シミラから解放されたバイオスパークは体が真っ赤に染まり、地面の上に倒れ込んだ。

「この物語の展開は読めるかい?」
シミラは言った。
「どうなっちゃうの…?」
カービィは言った。
「あたしとバイオスパークはマルクに能力を渡し、あんたはここで死ぬんだよ。」
シミラは言った。
「えっ!そんなぁ!!」
カービィは叫んだ。

その時、バイオスパークがむっくりと起きあがった。
「…くせものめ、成敗いたす!!」

《バイオスパークのはたき斬り!》

夜空に光の文字が現れると、バイオスパークは小刀でカービィに斬りかかってきた。
「キャア!!」
カービィはバイオスパークの攻撃を食らって吹っ飛ばされた。
すると、また夜空に別の文字が綴られた。

《シミラのリフレクトフォース!》

すると、今度はシミラが鏡のロッドでカービィを切り刻んできた。
「キャアーー!!」
カービィは深い傷を負い、ぐったりとその場に倒れ込んだ。

「口ほどにもないね。」
シミラはつぶやいた。
「…お願い…2人とも目を覚まして…。」
カービィは泣き出してしまった。


その時、真っ暗な世界に上から一筋の白い光が差し込んできた。
「おや…?」
それを見たシミラはつぶやいた。

すると、外からの光のために赤い月の光が弱まり、シミラとバイオスパークの体の色が元に戻った。
「あ、あたしは一体何をしてたんだい…?」
「拙者は何をしておったのじゃ…?」
2人は不思議そうにつぶやいた。
「シミラっ!バイオスパーク!気づいたの?」
カービィは嬉しそうに叫んだ。

シミラは傷だらけのカービィとバイオスパークを見て、一瞬絶句した。
「あたしとしたことが…操られてたみたいだね。大丈夫かい?」
シミラは言った。
「うん、大丈夫だよ!気づいてよかった♪」
カービィはそう言ってシミラに抱きついた。
「それにしても、なぜ助かったのじゃ…?」
バイオスパークは差し込んでくる光を見て言った。

その時、空からたくさんの消しゴムのカスが降ってきた。
「わっ!?」
カービィはびっくりして叫んだ。
「これは…外で誰かが本の内容を書き換えてるみたいだね!」
シミラは言った。
すると、光の線が空に文字を綴り始めた。

《ワドルドゥが現れた!》
 
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