つばささんの小説

【銀河にねがいを☆彡】23.next halfmoon



アクアリスに夕暮れが訪れたころ、一面に真っ青だった海はまるで塗り変えられたようにオレンジ色に染まり、夕日にきらきら輝いている。

ドロボウネコのタックはヤシの木の熱帯雨林に身を潜めながら、魚を取って何日もリゾート暮らしを楽しんでいた。
「へへ、大漁大漁!」
タックは大きな風呂敷を開いて、釣り上げた色とりどりの魚を眺めて満足している。

その時、突然タックの目の前に巨大なコウモリ羽を生やしたマルクが降りてきた。
「…だっ、誰あんた!?」
タックはビックリして飛び上がった。
「おまえ、その石をどこで手に入れたのサ?ちょっとボクに見せるのサ。」
マルクはそう言って、じりじりとタックに近づいてきた。
「こ、これはおいらのものだ…絶対誰にもあげないし、貸さない…へへ…」
タックはデラックスストーンを隠すようにして後ずさりした。
「ボクは宇宙の支配者、マルク様なのサ!命が惜しけりゃそれをよこすのサ!!」
マルクが怒ると、マルクの体は赤黒いオーラで包み込まれた。
「ヒッ!あんた…やばいもんが取り憑いてる!?…わ、分かった分かった。見せるだけなら…」
タックは怯えながらマルクにデラックスストーンを差し出した。

その時、草むらの中からパラソルを広げたワドルディが飛び込んできた。
「待つっスーー!!」
「ぎゃあ!!」
タックはパラソルドリルを受けて吹っ飛ばされた。

「イテテ…」
タックはうめきながら転がっていくデラックスストーンに手を伸ばしたが、チリーが先にそれを拾い上げた。
「あ〜!!あんた、この前の!おいらのお宝返せ〜〜!」
タックは慌ててチリーに飛びついたが、一瞬で氷づけにされてしまった。
「ごめん。」
チリーは言った。

「あれ?なんでアイス能力の住民がこの星にいるのサ…?」
マルクは不思議そうに首をかしげた。

その時、マルクの持つ鏡の中から不気味な声が聞こえてきた。
『マルク、お前の計画は完全に崩れた。何としてでもデラックスストーンを手に入れろ。』
「そんなこと分かってるのサ!!」
マルクはいきり立って叫んだ。

「…この石を使って何をするかは分かってる。だから、絶対にやれない。」
チリーは言った。
「…おまえ、誰に向かって口きいてんのサ…?」
マルクは凄んだ。
「それはこっちが聞きたいな。さっきから…誰に向かって口きいてんだ?」
チリーはマルクの鏡を見て言った。
「お…おまえ!!もう怒ったのサ!覚悟するのサー!!」
マルクはチリーに杖を構えて叫んだ。
『マルク、今それをやるとデラックスストーンも一緒に粉々になってしまうぞ。』
「だって〜〜!」
マルクはうめいた。

「ワープスター!!」
チリーは叫んだ。するとデラックスストーンの中にカービィの姿が映し出され、ピンク色に輝き始めた。
すると、どこからともなくワープスターが飛んできて、チリーを乗せるとそのまま大空に飛び上がった。
「チリー!!」
ワドルディは叫んだ。
「あ!待つのサー!!」
マルクは羽を広げると、猛スピードで飛んでいくワープスターを追いかけ始めた。

ワドルディはその場に残された。
「…チリー、なんで君はいつもそうなっちゃうんスか…。」
ワドルディは空を見上げてつぶやいた。


カービィがハーフムーンへ向かっていると、後ろから誰かに呼び止められた。

「カービィ!」
カービィが振り向くと、チリーがこちらへ飛んできた。
「チリー!!久しぶりだね!ぼく、そろそろきみに会いたいな〜って思ってたところだったんだ♪」
カービィは嬉しそうにはしゃいだ。
「俺も一緒だよ。カービィ…お前に渡したいものがあるんだ。」
チリーはそう言って、カービィにデラックスストーンを手渡した。
「わぁ、きれーい!これぼくにくれるの?ありがと〜♪」
カービィは七色の光を放つ美しい石を受け取って感激した。
「それは全ての能力をもつ石だ。絶対にマルクに渡すなよ…それは、コピー能力をもつお前が上手に使ってくれ。」
チリーは言った。
「うん、分かった!」
カービィは言った。

その時、後ろからマルクの叫び声が聞こえてきた。
「アー!!あれは、カービィ!?…お前…よくも…よくも…許さないのサー!!!」

マルクはチリーに杖を構え、黒いイナズマのようなエネルギーを放った。
それがチリーの背中に命中すると、その場で大爆発がおこった。
「わ───!!」
チリーは悲鳴をあげた。
「チリーー!!」
カービィは叫んだ。


爆風がやむと、カービィは大慌てで倒れたチリーにしがみついた。
「チリー!大丈夫!?」
カービィは叫んだ。

チリーは静かに目を閉じ、ゆっくりとカービィの手から離れていった。
「チリー…」
カービィの目から涙がこぼれ落ちた。


「…カービィ…どうかみんなを…守り抜いてくれ…。」
チリーの体はたくさんの粉雪となって弾け、きらきら輝きながら宇宙空間に消えていった。

「っ…チリー───!!」
カービィはそのまま惑星ハーフムーンへ吸い込まれていった。
 
page view: 776
この小説を評価する:                   (0)