つばささんの小説

【銀河にねがいを☆彡】20.メックアイ


 
《メックアイ》

カービィとポピーブロスJr.はメックアイに到着した。
そこはどんよりと暗い工場地帯のような場所で、うっすらと霧がたちこめている。木や花などはどこにも存在しない。

「なに、ここ…。」
カービィは辺りを見回してつぶやいた。
「わぁー♪カービィ、これ見て〜!かっこいいよ!」
ポピーブロスJr.は赤く点滅している大きな機械を指さして叫んだ。
「そ、そうだね〜。」
カービィは言った。

その時、カービィは上の方からじっと誰かに見られている気がして、後ろにそびえ立つ大きな鉄塔を見上げた。
「あれ?誰もいない…。」
カービィはつぶやいた。

すると、霧の中からぼんやりとした緑色の光が現れた。
「わー!!幽霊だっ!」
ポピーブロスJr.が叫んだ。
「えっ!?」
カービィが振り向くと、そこに白い手に少し潤んだ目をしたプラズマ体の住人がいた。

「もしかして…幽霊って、私のことですか…?」
プラズマウィスプが言った。
「うん!だってきみ、ユウレイみたいだもんっ!」
ポピーブロスJr.が叫んだ。
「そんな…!すごく気にしてるのに…」
プラズマウィスプの体はどんどん小さくなっていった。
「…やっぱり私、ポップスターに帰りたくない…私のこと分かってくれる人なんて、誰もいないから…。」
プラズマウィスプはつぶやいた。
カービィが「そんなことないよ!」と言う前に、ポピーブロスJr.が叫んだ。
「あれ?幽霊さん、ここに住んでるんじゃないの?」
「もうっ!幽霊じゃないって言ってるじゃないですかっ!」
プラズマウィスプは叫んだ。
「ギャハハ!!きみ、怒ったらマユ毛がぶっとくなるんだねー!おもしろーい!!」
ポピーブロスJr.はお腹をかかえて笑い転げた。

すると、プラズマウィスプはポピーブロスJr.に向けてプラズマはどうだんを放った。
「キャ〜〜〜!!」
カービィ達は飛び上がった。
「もうっ!あなた達なんか大っっ嫌い!さよなら!」
プラズマウィスプはそう言って消えていった。
「えっ、ぼくも!?そんなぁ〜!」
カービィは叫んだ。
「お姉さん怖い…」
ポピーブロスJr.はつぶやいた。


プラズマウィスプは高くそびえる鋼鉄の塔の上で泣き続けた。
「うっ…うっ…」
プラズマウィスプの元々うるんでいる目は、涙でさらに潤っている。

その時、上の方から声が聞こえてきた。
「お前はポップスターの住人だな。」
プラズマウィスプが声の方を見上げると、そこに黒いマントをまとった仮面の騎士がいた。
「あ…あなたは誰ですか…?」
プラズマウィスプは言った。
「私はメタナイトだ。ポップスターで、デデデ陛下の護衛をしている。」
メタナイトはそう言ってプラズマウィスプの前に降りてきた。

「あ、あなたがメタナイト様ですか?はじめまして…私は、ウィスプといいます。」
プラズマウィスプは言った。
「そうか、お前がプラズマウィスプか。」
メタナイトは言った。
「それよりお前、何を泣いている?」
「べ、別に…泣いてなんかいません…。」
プラズマウィスプはうつむいた。
「ウソをつくな。見れば分かるぞ?」
メタナイトは言った。
「わ、私…みんなに分かってもらえなくて…とても辛いんです…。」
プラズマウィスプはまた泣き始めた。

「そうか。私はこの惑星をハーフムーンと繋ぐために来た。伝説の彗星、ノヴァを呼ぶのだ。」
メタナイトは言った。
「えっ…すごいです!メタナイト様は、何をお願いされるんですか?」
プラズマウィスプは言った。
「ノヴァ伝説を知っているのだな。いいだろう…私は、プププランドを今度こそ我が物にするのだ!!」
メタナイトは叫んだ。
「えっ、そうなんですか?すごいです〜!」
プラズマウィスプは言った。
「…そして、この星を隣のハーフムーンと繋ぐには、プラズマ能力を持つお前の力が必要だ。」
メタナイトは言った。
「えっ?」
プラズマウィスプは驚いて言った。

「もしお前がプラズマ能力を手放せば、お前の体はそのプラズマ体ではなくなるぞ。」
メタナイトは言った。
「え、じゃぁ…私、もう幽霊って言われなくなる…?」
プラズマウィスプは言った。
「その通りだ。私に協力する気はないか?」
メタナイトは言った。
「は、はい、喜んで…」
プラズマウィスプは言った。
「そうか。それではプラズマウィスプ、こちらに来るのだ。面白いものを見せてやろう。」
メタナイトはそう言ってプラズマウィスプを地下の方へ連れていった。


カービィとポピーブロスJr.はポップスターの住人を探しながら話をしている。

「ねぇ…あの人、ちょっと辛そうだったよ?」
カービィは言った。
「う〜ん…ぼくひどいこと言ったかも。お姉さんにごめんなさいしたいな。」
ポピーブロスJr.は言った。
「ごめんなさいするって?」
カービィは言った。
「ぼく お兄ちゃんに、お友だち泣かしたらごめんなさいしろって言われてるの。」
ポピーブロスJr.は言った。
「そうなんだぁ…きみ、よくお友だち泣かしちゃうの?」
カービィは言った。
「うん、泣かしたくないけど、泣かしちゃうんだぁ…」
ポピーブロスJr.は言った。

その時、2人の前からポップスターの住人がやってきた。
「よぉ!お前らもここに来てたの?」
カービィ達が見ると、そこに青いキャップをかぶったメカの住人がいた。
「あっ、ポップスターの人だぁ!」
カービィは喜んだ。
「お兄さんだれ?」
ポピーブロスJr.は言った。
「俺っちはギム。ヨーヨー使いさ。お前は爆弾使いのポピーに…なんでも食っちゃうウワサのカービィかー♪」
ギムは言った。
「なんか、お兄さん変〜。」
ポピーブロスJr.は言った。
「そうか?十人十色、みんな変だぜ!ところで、お前らもここに降ってきたの?」
ギムは言った。
「ううん、ぼく達はここに飛ばされた人たちを助けにきたんだよ!」
カービィは言った。
「そっかー、大変だな。」
ギムは言った。

「ねぇお兄ちゃん、緑色の幽霊さん見なかった?」
ポピーブロスJr.は言った。
「緑色の幽霊って…もしかしてプラズマウィスプのことか?見たよ。黒い怪しい奴に抱っこされて飛んでったの、見ちゃったぜ!!」
ギムは叫んだ。
「えっ、どこ行ったの?」
カービィは驚いて言った。
「あっちの工場の中に入ってったみたい。俺達も行ってみる?」
ギムは言った。
「うん、行こう!」
カービィは言った。


メタナイトとプラズマウィスプは、エレベーターに乗ってどんどん地下へ降りていった。

「着いたぞ。」
2人は真っ暗なところへ到着した。
メタナイトはエレベーターを降りると、照明のスイッチを入れた。フロアは白い光に照らされた。
「ここは…」
辺り一面が機械でガチャガチャとしている所だった。
「プラズマウィスプ、こちらへ来るのだ。」
メタナイトは言った。

2人はフロアを進んでいき、奥の自動扉の中へ入っていった。
すると、そこに金ピカの巨大なロブスター型ロボットがあった。
「こ、これはなんですか!?」
プラズマウィスプは驚いて言った。
「これは、ヘビーロブスターだ。かつて私がプププランドを征服するために作った。」
メタナイトは言った。
「すごいです…」
プラズマウィスプはつぶやいた。
「今は動かないのだが、お前の力で動かすことができるのだ。協力してくれないか?」
メタナイトは言った。
「あ、はい…どうすればいいんですか?」
プラズマウィスプは言った。
「あの装置の中に入ってほしい。」
メタナイトは扉のついた白いカプセルを剣で指した。
カプセルの周りには赤や黒の導線がたくさん付いており、ヘビーロブスターに繋がっているようだ。
「…あそこに入ればいいんですね…?」
プラズマウィスプは言った。

プラズマウィスプはカプセルの中に入った。
メタナイトは扉を閉め、下部にあるスイッチを「ON」にした。

すると、突然プラズマウィスプの体から大量のプラズマエネルギーが溢れだし、カプセルの中は緑色のプラズマで満たされた。
バチバチともの凄い音が部屋中に響いている。
「きゃぁーー!!」
プラズマウィスプは悲鳴をあげた。

すると、メタナイトは金色の剣を床に突き刺した。
「プラズマ能力を我が剣に…ギャラクシア!!」
剣は緑色の光で満ちていく。

「くっ、苦しいです!メタナイト様、やめてください!!」
プラズマウィスプは叫んだ。
プラズマウィスプの体はどんどん小さくなっていく。
「すぐに楽になる。もう少し我慢するのだ。」
メタナイトは言った。
「誰か、誰か助けて!!…」
プラズマウィスプの体は完全に消えてしまった。


「お前のプラズマ能力はいただいたぞ。…新しい体はどうだ?ウィスプ。」
メタナイトはヘビーロブスターの方を見た。
ヘビーロブスターの金属でできた触覚がジャキンと動いた。
「これが…私の、新しい体…?」
ヘビーロブスターの姿になったプラズマウィスプがつぶやいた。
「そんな…!これならまだ前の姿の方が…私の能力を返してくださいっ!」
プラズマウィスプは叫んだ。
「何が不満なのだ?これでお前は『幽霊』ではなくなったぞ。」
「そんな…あんまりです…」
プラズマウィスプは心の中で泣いたが、ヘビーロブスターの目にあたる部分からは一滴の涙も流れなかった。
「グズグズしているヒマはない。カービィがこの星に現れたのだ。邪魔をされる前に片づけておかなくては…ウィスプ、お前にも手伝わせてやるぞ。お前をからかった奴らがさぞかし憎いだろう。」
メタナイトはそう言って部屋を出ていった。
 
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