カービィ達は魔人から逃げながら洞穴の奥へ入り込んだ。 やっと逃げきったものの、そうすると辺りが真っ暗で何も見えないのだ。 「カービィ、黒いものってなに?」 ポピーブロスJr.は言った。 「あの人を操ってるものみたいだよ!」 カービィは言った。 「よく分からねぇが、ロッキーが石碑を守るとか言ってなかったか?」 ボンカースは言った。 「あ、たぶんそれだよ!それを壊せばいいのっ!」 カービィは言った。 「とにかく何も見えねえと話にならねぇぜぃ…。」 ボンカースは言った。 すると、目の前がぼんやりと明るくなり、魔人の顔と岩の手が現れた。 「ギャーー!!出たぁ〜〜!」 ポピーブロスJr.は悲鳴を上げて逃げ出していった。 『逃がすものか!』 魔人の手はポピーブロスJr.を追いかけ始めた。 「オメェの相手はこっちだ!」 ボンカースはそう言って、岩の手にハンマーを投げつけた。 『ぎゃあああ!!』 魔人が叫び声をあげると、ごうごうと洞穴中に響いた。 『それでは望みどおり貴様から始末してやろう!!』 魔人は手のひらで真上からボンカースを叩きつけた。 「ボンカース!!」 カービィは叫んだ。 「くっ…足をやられたぜぃ。俺はもう走れねぇ…カービィ、あのハンマーをやるから、必ず石碑をぶっ壊してこい。ガキを頼む。」 ボンカースは言った。 「そんなぁ!きみを見捨てるなんて出来ないよっ!」 カービィは叫んだ。 「何言ってやがる…早く行け!」 ボンカースは叫んだ。 カービィはボンカースのハンマーを吸い込み、ごっくんと飲み込んだ。 するとカービィの体が輝きだし、ねじりハチマキにハンマーを掲げたハンマー能力の姿に変身した。 「き、きみの相手はこっちだよー!ここまでおいでー!!」 カービィは震えながら魔人にあっかんべーをして走りだした。 『目障りなやつめ!』 魔人はそう言ってカービィを追いかけ始めた。 カービィはポピーブロスJr.とはぐれてしまったので、一人で魔人から逃げながら石碑を探した。 すると、前方からうっすらと光が差し込んでいるのが見えてきた。 『行かせるか!』 魔人が拳で地面を叩きつけると地面が激しく揺れ、上からたくさんの岩が降ってきて出口を塞いでしまった。 「そんなぁ!」 カービィは叫んだ。 『生きては帰さぬぞ!!』 魔人は言った。 「ど、どうしよう!?」 カービィはパニックになりかけた。 その時、どこからか爆弾が飛んできて、魔人の手に命中した。 『ぎゃあ!!』 魔人は悲鳴をあげた。 「えいっ!えいっ!これでも食らえ!!」 見ると、ポピーブロスJr.が後ろから爆弾を投げまくっていた。 「カービィ!早くそこをあけてっ!」 ポピーブロスJr.は叫んだ。 「うん!」 カービィはそう言って崩れた岩をハンマーで壊し始めた。 『させるものかっ!』 「カービィ、早く〜!」 ポピーブロスJr.は叫んだ。 カービィは急いで外に飛び出すと、辺りを見回した。 すると草むらの中にコケに覆われた石碑を発見した。 「ええいっ!」 カービィはハンマーを振りおろし、石碑を粉々に砕いた。 『わ、わしの…石碑があー!!』 魔人の声はごうごうと響き、突然洞穴がぼろぼろと崩れ始めた。 大地はゴーっと低い音でうなり始め、薄暗い地面からたくさんの黒い光の玉が沸き上がってきた。みな星空へのぼっていく。 「なんなの〜!?」 ポピーブロスJr.はカービィにしがみついた。 すると、目の前の大きな山が上部から黒い霧に変わっていき、巨大な渦を巻き上げながら消滅していった。 やがて、そこに7色に輝く美しい願いの泉が現れた。 「カービィ、よくやったッ!!」 バグジーは言った。 その隣でロッキーが混乱して目を回していた。 「ケビオスにこんな所があったとはな…」 ボンカースがつぶやいた。 「よかった!おじちゃん達も無事だったんだね〜!」 ポピーブロスJr.は叫んだ。 「誰が『おじちゃん』だぁ?」 バグジーは言った。 「…俺のことか?」 ボンカースは言った。 「…ぼくじゃないよね?」 ロッキーは言った。 「えへへ〜、きみのことだぁ!」 ポピーブロスJr.はバグジーを指さして、いたずらっぽく笑った。 「なんだとーー!?」 バグジーは叫んだ。 「心配しなくても、オメェは永遠のお子さまでぃ。」 ボンカースがそう言うと、みんなは大笑いした。 「怖かったけど、すっごく楽しかった〜!カービィ、他の星にも行くんでしょ?ぼくも一緒に連れてって〜!」 ポピーブロスJr.は言った。 「うん、いいよ!」 カービィは言った。 「懲りないやつだぜぇ…まぁ、がんばれよ。」 ボンカースは言った。 バグジーと、ボンカースとロッキーは願いの泉の中に入った。 「カービィ、ポピー、気合い入れてけッ!」 「俺たちの分も任せたぜぃ!」 「がんばってね!」 3人は願いの泉の中で体が輝きだし、ポップスターに帰っていった。 「ばいばーい!頑張ってくるね!」 「また遊んでねー!」 カービィとポピーブロスJr.は3人に手を振りながら叫んだ。 「…隣の星はどんなところかなぁ?」 カービィは言った。 「おっきな遊園地だったらいいなー♪」 カービィ達はワープスターに乗り、そんな話をしながら機械化された惑星、メックアイへ飛び立っていった。 |
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