つばささんの小説

【銀河にねがいを☆彡】16.ケビオス


 
《ケビオス》

カービィとバグジーはケビオスの高い高い山の上に到着した。
たくさんの星が瞬く静かな夜の世界に、標高が何千メートルもある山々が連なっている。

「さむーい!」
カービィはブルブル震えている。
「そうかぁ?俺はちょうどいいぞ。」
バグジーはそう言って辺りを見回した。
眼下には雲が広がっている。
「高い所に落ちたなぁ。」
「どうやって探そっか?」
カービィは言った。
「とりあえず山を降りるしかねえな。」
バグジーは言った。
「うん。」

2人は険しい山を降りていくことにした。
カービィ達は、たくさんの星の光を頼りにポップスターの住民を探しながらどんどん山を降りていった。

しばらくすると2人は雲の中に入り、辺りが全く見えなくなった。
「バグジー、どこ〜?」
カービィは不安げに辺りを見回した。
その時、カービィは何かに掴みあげられ、一瞬体が宙に浮いた。
「きゃあ!」
カービィはバグジーの大きな背中の上に落ちた。
「俺はここだッ。」
バグジーは言った。
「わーい♪乗せてってくれるの?」
カービィはバグジーの背中にしがみついて喜んだ。


静かな静かな山の奥に、大きな洞窟がある。
その中から大声で泣き叫ぶ声が聞こえてくる。

「びえ〜〜〜!!」
泣き声は洞窟の中で反響し、爆音になっている。
「はぁ…これだからガキは苦手だぜぃ…。」
ボンカースがつぶやいた。
「ぼくもう帰る〜〜!!」
ポピーブロスJr.はその場でひっくり返って騒ぎ始めた。
「頼むから、これでも食って機嫌を直してくれぃ!」
ボンカースは持っていたココナッツをハンマーで2つに叩き割ると、ポピーブロスJr.に差し出した。
「…おいしい。」
ポピーブロスJr.は甘いココナッツジュースを飲むとおとなしくなった。
「とにかく、こっから出ようぜぃ。」
ボンカースはポピーブロスJr.を連れて歩きだした。

「ねぇ、ぼく達これからどうなるの?」
ポピーブロスJr.が言った。
「さぁな。とりあえずポップスターに帰る方法を考えるしかないでぃ。」
その時、奥の方から冷たい風が吹いてきた。
ボンカースは真っ暗な洞窟の奥を振り返った。
「なんでぇ…全く不気味な所だぜぃ。」
ボンカースはつぶやいた。

その時、ズシンという重たい音が聞こえてきた。
『貴様ら…ケビオスに必要な能力を持つ者か。』
低い声が洞窟の中に響きわたった。
「…こいつの大声で耳がイカれちまったか?」
ボンカースは自分の耳を両手でバンバン叩き始めた。

その時、洞窟の奥から巨大な岩の手が現れた。
「ギャ〜〜〜!!」
ポピーブロスJr.は岩の手に捕まえられた。
すると暗闇の中に大きな目と口が浮かび上がり、巨大な魔人の顔が現れた。
2つの目はボンカースを見据えている。

「貴様、何者でぃ!?ガキを放しやがれ!」
ボンカースは叫んだ。
『おとなしくわしの言うことを聞け…さもないとこいつを握りつぶす。』
魔人が言った。
「たすけてーーー!!」
ポピーブロスJr.の悲鳴が響き渡った。

「化けモンめ、こうしてやらぁ!!」
ボンカースは岩の手に向かって走り出した。
ハンマーが炎に包まれると、ボンカースはそれで岩の手を叩きあげた。
鬼ごろし火炎ハンマーが命中すると手は少し削れ、石の破片が飛び散った。

『ぎゃあああ!!』
洞窟の中に魔人の悲鳴が轟音となって響き、暗闇に浮かんだ顔とポピーを握っている岩の手は逃げるように消えていった。
「たすけて〜〜!!……」
「くそう!!なんてこった!」
ボンカースは地面にハンマーを叩きつけた。


カービィ達はどんどん山を降りていき、やがて雲の層を抜けた。
果てしなく連なる山脈がたくさんの星の光に照らされ、素晴らしい景色が広がっている。

「うわぁ…」
カービィは山々を眺めて感嘆の声をあげた。
「これで弁当があれば最高だな。」
バグジーは小さな岩に腰かけて言った。
「ぼくもお腹すいたぁ〜。マキシムトマト食べたいな…。」
カービィは言った。
「俺様はプロテインゼリーが食いてえ〜ッッ!」
バグジーは叫んだ。


2人はおいしい食べ物の話で盛り上がった。
「…それで、ウィリーってチョコレートの味がするんだよ!ワドルドゥはトマトの味がするの!」
カービィは言った。
「そ、それは信じられねぇ…」
バグジーは言った。

その時、どこからか小さな声が聞こえてきた。
「…今、おならしたでしょ?」
「そうかぁ?いちいち覚えてねえぞ。」
バグジーはそう言ってカービィを見た。
「えっ、ぼくが喋ったんじゃないよ!」
カービィは慌てて言った。
「じゃあ誰が喋ったんだぁ?」
バグジーは辺りを見回した。
「バグジー、そこそこ!」
カービィはバグジーが腰掛けている岩を指さした。
バグジーが下を見ると、そこにロッキーがいた。

「おわっ!?お前、いつの間に俺のケツに潜り込んでたんだぁ?」
バグジーは岩から飛びのいて叫んだ。
「潜り込んでなんかないよっ」
ロッキーは言った。
「きみが飛ばされてたんだね!」
カービィは言った。

「ねぇ、誰かポップスターの人見なかった?」
カービィは言った。
「さっきボンカースがぼくを踏んでった…走ったけど、追いつかなかったよ。」
ロッキーは言った。
「なにッ!?ボンカースがいるのかぁ?あいつはどこ行った?」
バグジーは叫んだ。
「こっちの道を降りてったよ。なんか、イライラしてたみたい…。」
ロッキーは分かれ道になっているうちの一つを見ながら言った。
「俺様に会いたくてウズウズしてるんだなッ!よし、ボンカースを探すぞッ!」
バグジーはそう言って再び険しい山を下り始め、カービィ達も後に続いた。


カービィ達がボンカースを探しながらどんどん山を降りていくと、たくさんの木々に覆われた森林のような所に辿り着いた。
どこからか水の流れる音が聞こえてくる。

「アイツ、どこに居やがんだぁ!?ロッキー、ほんとにこっちであってんのか?」
バグジーは言った。
「うん…こっちに行くの見たよ。」
ロッキーは言った。

3人はどんどん暗い山の中を進んでいった。
すると、それに伴って水の音が近くなってきた。
「ねぇ、ぼくお水飲みたいな。」
カービィは言った。
「ぼくも。」
ロッキーは言った。
「ガマンできないのかぁ?シッコが出るぞ?」
バグジーは言った。
「きみ、さっきから汚いよ。」
ロッキーは言った。
「汚くねぇッ!!生理現象だッ!」
バグジーは憤慨した。
「お水飲みたいのも生理現象なのに…。」
ロッキーは小声でつぶやいた。

すると、カービィが小川のほうへ続くと思われる道を見つけた。
「あっちみたい!行こう?」
カービィとロッキーは嬉しそうに小川のほうへ走っていき、バグジーも後を追いかけた。

すると、川のほとりに大男の後ろ姿があった。
「なんでぇ…なんでぇ…!」
ボンカースは地面にしゃがみこみ、水の中に小石を投げつけている。
「ボンカース、みーっけ!!」
カービィは叫んだ。
すると、ボンカースが振り返った。
「カービィ…?オメェらもここに飛ばされたんでぃ…?」
ボンカースはカービィとロッキーを見てきょとんとしている。
「ううん、違うよ!ぼく達はきみを助けにきたの!ほら、バグジーも!」
カービィはそう言って後ろの方を指さした。
すると、2人に追いついたバグジーが姿を見せた。
「やっと会えたなッ!」
バグジーは言った。

「バグジー!?オメェ、無事だったのか!」
ボンカースは立ち上がって叫んだ。

すると、ボンカースは突然興奮したように話し始めた。
「おいおい、オメェら、俺はここでいろいろあったんでぃ!聞いてくれぃ!!」
ボンカースは洞窟の中で魔人にあったことや、ポピーブロスJr.がさらわれたことを3人に話して聞かせた。

「…でよ、俺はあれからその洞窟の中を探しまくったんでぃ。だが物音一つしなかった。つまり、消えちまったんでぃ!」
ボンカースは言った。
「えっ、もしかしておばけ!?…」
カービィは言った。
「そうかもしれねぇ…だが何としてもガキを助け出さないといけねぇ!…俺たちだけ逃げ帰るわけに行かねえでぃ…。」
ボンカースは言った。

「ガキってどんな奴だぁ?」
バグジーは言った。
「暗くてよく見えなかったが、とにかくよく騒ぐやかましい奴でぃ。それもナックルジョー並に声がでけぇ。鼓膜が破れるところだぜぃ。」
ボンカースは言った。
「!…そういや、ナックルジョーはどこにいるんだぁ?あいつも飛ばされたはずだッ。」
バグジーはカービィを見た。
「ナックルジョーなら、だいぶ前にポップスターに帰ったよ!」
カービィは言った。

「なんだとーーー!?」
バグジーは叫んだ。
「ナックルジョーの奴ッ!俺様をおいてポップスターに帰りやがったかぁーー!!」
バグジーは赤い岩を何度も地面に叩きつけて憤慨した。
「いたたたたッ!」
「おい、そいつはロッキーだぜぇ…」
ボンカースはそう言ったが、バグジーには全く聞こえていないようだ。
「だぁーーーー!!」
すると、ボンカースはバグジーの頭をハンマーでぶん殴った。
「ぶほッ!?」
「ガキより、ジョーよりお前が一番やかましいぜぃ。」
ボンカースは言った。

「どうやって探そっか?」
たくさん水を飲んで満足したカービィが言った。
バグジーから解放されたロッキーは、ふてくされて石になっている。
「あの化けモンは、もし見つかるとすれば暗い洞窟の中だと思うぜぇ。暗闇に潜んでやがるからな。」
ボンカースは言った。
「洞窟をひたすら探すのかぁ?果てしない作業だな。」
バグジーは言った。
「だがそれ以外に方法はないでぃ。」
ボンカースは言った。
 
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