つばささんの小説

【銀河にねがいを☆彡】6.アクアリス(後編)


 
鯨はブレードナイトの剣によって体中にたくさんのひどい傷を負って血を流している。

「いい加減諦めて私をここから出すんだな…」
ブレードナイトは言った。
「マルク様のために…お前を弱らせる…!」
鯨は激しい痛みに涙を流しながらブレードナイトに向かって突進し続けた。鯨が壁にぶつかると壁は血で真っ赤に染まった。
「目を覚ませ…!!操られているのではキリがない…どうすれば…」
ブレードナイトは言った。

「全く…ひどい魔法使いだな、マルクは。」
チリーは鯨の様子を見てつぶやいた。
ブレードナイトは声の方に振り向いた。
「チリー?カービィ達も…なぜおまえ達がここに?」
ブレードナイトは言った。
「詳しい話は後だ…ポップスターに帰るには、そいつとこの星の呪いを解いて願いの泉を元に戻さなくちゃいけない。」
チリーは言った。

ブレードナイトは再び突進してくる鯨に剣を突き刺した。
「ぎゃぁー!!」
鯨は悲鳴を上げた。
「痛そう…」
「っスね〜…」
カービィとワドルディは心配そうにつぶやいた。
「それ以上やるとこいつの命が危ない…俺のアイスなら大丈夫だ。おまえら全員下がっとけ。」
チリーはそう言って鯨の前に進み出た。
「そ、それはできない!」
ブレードナイトは言った。

「こいつを操ってるものを早く見つけてくれ!」
チリーは突進してくる鯨を避けながら叫んだ。
「え、何それ?」
カービィは言った。
「黒く光るものを見つけて壊してくれ。」
チリーは言い直した。

鯨はチリーを大きな尻尾ではたきつけた。
「うわっ!」
チリーは水の中に落ちた。
「う…」
水の中でチリーが下を見ると予想以上に深く、真っ暗だった。
「チリー!大丈夫!?」
カービィは叫んだ。
「早く、今のうちに見つけてくれ!」
チリーは水面から顔を上げて叫んだ。

「とにかく、一刻も早く探し出さなくては!」
ブレードナイトはそう言って辺りを探し始めた。
「何を探すんっスか?」
ワドルディは言った。
「黒く光るものを見つければいいらしい。」
ブレードナイトは言った。
「でも暗くて見えにくいっス〜!」
ワドルディは言った。


それから1時間が経過した。
カービィ達3人は地面や壁の中、天井などをくまなく探したが、黒く光るものはどこにも見当たらない。

「ないよぉ!ねぇ、どこにもないよ?」
カービィは言った。
「頑張れ!必ずあるはずだ。」
ブレードナイトは言った。

カービィは鯨の方を見た。
チリーは鯨の背中につかまっていた。辺りの壁は鯨の血で真っ赤に染まっている。
「降りろぉ〜!!」
鯨はチリーを振り落とそうと、また壁に激突した。鯨は激しい痛みに涙を流した。
「もう…やめてくれー!!」
チリーは振り落とされながら泣き叫んだ。

チリーは水の中に落ちる寸前に体から激しい冷気を発して水を凍らせ、氷の上に落ちた。
「な…何てことすんの!?」
鯨は叫んだ。池の水は真っ白に凍りついている。
「え?」
チリーは起きあがりながら言った。
鯨はバリバリと音を立てながら氷の上に上がってきた。
「危ない、危ない!大変だぁ〜!」
鯨は慌てふためいている。
「おい、水の中が怪しいぞ!」
チリーは3人に叫んだ。


「あの氷の中にあるんだって!」
ワドルディは言った。
ブレードナイトは地面にたくさん落ちている岩を見ながら言った。
「カービィ、この岩を飲み込んでストーンがコピーできないか?」
ブレードナイトは剣で岩を指した。
「できると思う〜。」
カービィはその岩を吸い込み、ごっくんと飲み込んだ。
すると、カービィの体が輝き始めた。
「コピー成功っスよ!」
ワドルディは叫んだ。

光の中で、カービィはストーンの能力を持った姿に変身していた。

「よし、おいらに任せるっス!」
ワドルディはパラソルの上でカービィをくるくる回し始めた。
「えっ、えっ?」
カービィはワドルディに回されながら困惑した。
「それっ!行くっスー!!」
ワドルディはパラソルを振りおろし、カービィを池のほうへ放り投げた。
「うわぁ〜!」
カービィはものすごい勢いで吹っ飛ばされた。

「ストーン!!」
ブレードナイトとワドルディは声をそろえて叫んだ。
すると、カービィは巨大な金の銅像に変わり、氷を突きやぶって深い深い池の底に落ちていった。


『パリーン』
池の底から何かが壊れる音がした。
すると、突然地面が激しく揺れ始めた。
「な…なんだ?地震か!?」
ブレードナイトは叫んだ。
すると、上から砂や岩が次々と降ってきた。
「天井が崩れるっスよ!あぶなーい!!」
ワドルディはパラソルでブレードナイトを落ちてくる岩から守った。2人はパラソルの中にうずくまった。
洞窟はもの凄い音をたてながら崩れていく。

「わー!!」
チリーの真上から天井の岩が崩れてきた。
「チリー!!」
ブレードナイトとワドルディは叫んだ。
すると、切り傷だらけの鯨がチリーの上に覆い被さってきた。鯨は大きなひれで落ちてくる岩からチリーを守った。
「あ…」
チリーは言った。


しばらくして4人が目を開けると、4人は静かな砂浜にいた。青い海は穏やかに波打っている。

「あれ?ここはどこ?」
ワドルディは辺りを見回しながら言った。
「あの洞窟は幻だったのか…?」
ブレードナイトはつぶやいた。
「出れたみたいだね!」
カービィは銅像から元の姿に戻った。足下には粉々になったたくさんの水晶のかけらが太陽の光に反射して輝いている。

「あれ?」
ふと空を見上げたワドルディが言った。
「どうした?」
ブレードナイトが言った。
「なんか今、父さんが飛んでったような…」
ワドルディが言った。
「君のパパならポップスターで見たよ。気のせいだよ!」
カービィが言った。
「そうっスよねぇ…。」
ワドルディは言った。

「結局ワドルドゥに会えなかった…」
カービィはげんなりした。
「諦めるわけにはいかないっス!おいらの大事なお兄ちゃんっス!」
ワドルディは言った。
「俺もこの星に残ってワドルドゥを探すよ。」
チリーが浅瀬で鯨に水をかけながら言った。
「そっかぁ…ぼくもそうしたいけど…」
カービィは言った。
「カービィ、ワドルドゥはきっと2人が見つけてくれるだろう。私達はスカイハイに飛ばされた住民達を探しにいこう!」
ブレードナイトは言った。
「そうっスよ!カービィ、おいら達にまかせて!」
ワドルディは言った。

「スカイハイに行くの?ちょっと変な星だから気を付けた方がいいよ〜。」
鯨が言った。
「どんな星なのだ?」
ブレードナイトが言った。
「スカイハイは空気が集まってできてる星だから〜、地面がないの。落ちないように気をつけて!スカイハイの向こうはホットビート、だったっけ?ジェットとホイールとウイングの人が狙われてるはず!!」
鯨は言った。
「ウイング…バードンがいるな…。カービィ、バードンに会ったら俺たちが無事だってことを伝えてくれよ。」
チリーは言った。
「うん、分かった!」

カービィとブレードナイトはワープスターに乗った。
「カービィ、ブレードナイト、おいら達の分もよろしくっス!!」
「俺たちはまだアクアリスにいるから。また会おうぜ!」
ワドルディとチリーはカービィ達に手を振りながら言った。
「ばいばーい!頑張ってくるね!!」
「ワドルドゥを頼んだぞ!」

カービィとブレードナイトはそう言ってアクアリスを後にし、光あふれる空の惑星、スカイハイへ飛び立っていった。
 
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