つばささんの小説

【銀河にねがいを☆彡】5.アクアリス


 
《アクアリス》

カービィとチリーはアクアリスの小さな島に到着した。ここは見渡す限り青い海が広がる楽園で、浜辺には大きなココヤシの木がたくさん生えている。爽やかな風にのって潮の香りがただよう。
「わぁ!海だぁ〜!」
カービィは興奮して波打ちぎわへ走って行った。
「チリー!君も早くおいでよ!」
カービィはチリーに手を振って叫んだ。
「今行くよ。」
チリーはそう言って波打ちぎわへ向かった。

カービィとチリーは海の中に入り、はしゃぎ始めた。
2人は水をかけ合ったりしながらいっぱい遊んだ。
「ねぇ、ぼく何だかとっても眠いんだけど…」
しばらくしてカービィは海面に浮かびながらそう言った。
「そうだな…本当なら今は真夜中だもんな。」
チリーは言った。
「俺は気絶してたおかげで眠くないけどな!」
チリーはそう言って笑ったが、カービィはいつの間にか海面にぽっかり浮かんだまま眠り始めていた。
「あーあ、寝ちゃったよ。」
チリーは呆れながらもカービィを抱き上げ、海からあがった。

チリーは緑の涼しい木陰にカービィを下ろし、その上に大きなココヤシの葉をかけてあげた。
「俺も寝るか…」
チリーはそうつぶやいてカービィの隣で眠りについた。


次の朝、カービィが目を覚ますとチリーがいなくなっていた。
「チリー!?」
カービィは飛び起きて辺りを必死で探した。

その頃、チリーは波打ちぎわに立って水平線を眺めていた。
「……」
チリーは遠くで大きな鯨が潮を吹きながら海に潜ったり、また姿を見せたりしているのをじっと見つめていた。
「チリー!!」
カービィはチリーの元へ走ってきた。
「もう、びっくりするじゃないのさっ!」
カービィはチリーにしがみついて叫んだ。
「あ、ごめんごめん。よく眠れた?」
チリーは言った。
「うん!すっごく気持ちよかったよ〜。ココナッツの甘い匂いがしてさ!」
カービィは言った。
「そう、よかった。」
チリーはにっこり笑った。
「じゃあ、そろそろこの星に飛ばされたやつらを探しに行くか。」
「うん!」
2人は海岸沿いを歩き始めた。
朝の海は穏やかに波打っている。


カービィとチリーがしばらく歩いていると、砂浜に大きなパラソルが見えてきた。
「誰かいるよ?」
カービィは言った。
2人がもっと近づいてみると、ワドルディがハンモックで寝ているのが見えてきた。
「おいおい、リゾート気分かよ?」
チリーは言った。
2人は嬉しそうにワドルディのところへ走って行った。
「いや〜、やっぱ海はいいっスね〜♪」
ワドルディはつぶやいた。
「…ん?カービィ!チリー!おはようっス!」
ワドルディは2人に気付いて手を振った。
「君、飛ばされちゃったんだよ?」
カービィは心配そうに言った。
「あ、しっかり覚えてるっスよ!確か、ブレードナイトも落ちてきたっス!」
ワドルディは言った。
「どの辺りに落ちたんだ?」
チリーは言った。
「えっと、あの辺かな?」
ワドルディは目の前を指さした。
「海に落ちたのかよー!」
チリーは言った。

「ねぇ、お腹すかない?」
カービィはおなかを抱えながら2人に話しかけた。
「そうだな…でも食うものといえばココナッツか、貝か…」
チリーがいろいろ想像を巡らせていると、ワドルディが大きなタッパーを出してきた。
「わぁ!すっごーい!!」
カービィはタッパーの中身を見て感激した。
「おい、このムニエル…まさか…」
チリーは、マジかよ?という顔をしてワドルディを見た。
「昨日のパーティーの余りっスよ!…余りとはいっても、バードン達のをもらっちゃったんスけどね。あはは!」
ワドルディは爆笑し始めた。
「…何にせよ助かるぜ、ワドルディ。」
チリーは自分が呆れているのか感心しているのか複雑な気分になった。

「ところで、ワドルドゥは見てないのか?」
チリーは言った。
「えっ、ワドルドゥがこの星にいるの?」
カービィがびっくりして聞いた。
「たぶんな。この星に必要なのはパラソルとソードとビームだって、あいつらが言ってただろ?」
チリーは言った。
「お兄ちゃんは見てないっスよ?…で、何の話っスか?」

チリーはフロリアであった出来事をワドルディにすべて話した。

「…つまりこの星も呪われてるってわけだ。」
チリーは言った。
「えー!!じゃぁこうもしてられないじゃないっスか!」
ワドルディが叫んだ。
「とりあえず…海に落ちたブレードナイトを探しに行こうぜ。」
チリーは言った。


3人は早めに食事を終え、海の中へと潜っていった。
海の中は素晴らしい透明度で、上からの太陽の光がいっぱいに広がっておりとても明るい。更に重力の関係で海の中にはたくさんの大きな気泡の玉がある。3人は光の中をどんどん泳いでいった。
「果てしないっスね〜…」
ワドルディがつぶやいた。


その頃、ブレードナイトは海底の不思議な洞窟に辿り着いていた。
「ここは…」
暗い洞窟の中は、所々に水晶のようなものが埋まっており輝いている。ブレードナイトは洞窟の中を進んでいった。

ブレードナイトがしばらく進んでいくと、海水が入り込んでプールになっている広いところに辿り着いた。
「先に進めないな。」
ブレードナイトが引き返そうとしたその時、バシッと水面を叩きつける大きな音がした。
「誰かいるのか?」
ブレードナイトは振り返った。
『待ってたよ〜ん。』
変な声が洞窟の中を響きわたった。

すると、ドオンという何かが壁に衝突するもの凄い音がして、その衝撃で上からたくさんの岩が降ってきた。
「…!」
入り口が崩れて塞がれてしまった。ブレードナイトは完全に洞窟の中に閉じ込められた。
「だれだ!!」
ブレードナイトは剣を構えて叫んだ。

すると、水面から大きな鯨がぬ〜っと顔を出してきた。
「おいらは名もなき太っちょクジラ、ファッティホエール…なんちて!」
鯨はまた水の中に潜っていった。
「私をここから出しなさい。」
ブレードナイトは言った。
鯨は、今度は更にブレードナイトの近くから顔を出してきた。
ブレードナイトは剣をおさめた。
「私は騎士道精神を重んずる者、ブレードナイトだ。無駄な殺傷はしたくない。私を洞窟の外に出してくれないか?」
ブレードナイトは言った。
「ヤダね。」
鯨はバシュッと潮を吹いた。ブレードナイトはたくさんの海水を浴びた。
「なぜ出してくれないのだ?」
ブレードナイトは言った。
「おいらはマルク様のご命令でお前を捕まえる!マルク様は宇宙一!最強、最高の魔法使い!!」
鯨は叫んだ。
(マルク…?)
ブレードナイトはよく分からなかったが、この鯨が操られていることだけは分かった。
「そのマルク様は、私をどうしようというのだ?」
ブレードナイトは言った。
「あー!うるさい、うるさい、うるさーい!!」
鯨は突然興奮して暴れ始めた。そしてその巨体でブレードナイトを押しつぶそうと突進してきた。

「くっ…!」
ブレードナイトは素早く避けた。鯨はそのまま壁に激突し、ブレードナイトが元々立っていた足場は水の中へ崩れた。


カービィ達はチリーを先頭にどんどん深く潜っていった。だいぶ深い所まで来たのでさすがに暗くなってきた。

「どこにいるんスか〜、ブレードナイト〜。」
ワドルディはカービィの後ろでうなだれた。
「ん?」
チリーは突然泳ぐのをやめた。
「どうしたの?」
カービィは言った。
「何か感じる…」
チリーは警戒して辺りをキョロキョロ見回した。
カービィも同じようにキョロキョロしてみた。

すると、底の方からパーティーの時に見たような黒い光が沸き上がってきた。
「なに、なに!?」
カービィはチリーにしがみついた。
「くるぞ…ワドルディ目当てだ!」
チリーは叫んだ。
カービィとチリーはワドルディの方を振り返った。

「きゃあー!!」
ワドルディは黒い光に捕らわれ、2人から引き離されていった。
「ワドルディ!!」
カービィは叫んだ。
「こちこちブリザード!!」
チリーは体から激しい冷気を発して辺りの海水を一瞬で凍らせた。3人は一つの氷になり、海の底へと引きずり込まれていった。


「ん…ここは…」
氷が溶けて目を覚ましたチリーがつぶやいた。
「見て見て!洞窟だよ!」
カービィは叫んだ。3人は海底洞窟の入り口に打ち上げられていた。
「ここに何かあるな…」
チリーは言った。
「ワドルディはまだ動かないよ。」
カービィはまだ氷の溶けないワドルディを指さした。
「とりあえず急ぐか。」
チリーはワドルディを抱えて言った。

3人は洞窟の中に入っていった。
薄暗い洞窟の中はところどころキラキラと輝いている。
「きれーい!」
カービィは言った。
「これは水晶かな?たぶん。」
チリーは言った。


カービィ達がどんどん進んでいくと、行く手をたくさんの岩が塞いでいる所にたどり着いた。
「行き止まりか…」
チリーはつぶやいた。
「チリー、きみこれ壊せる?」
カービィは言った。
「いや、俺はものを凍らせることしか…」
チリーは言った。
「ぼくもムリ…」
カービィ達は途方に暮れてその場に立ち尽くしてしまった。

しばらくして、チリーの腕の中でワドルディが動き出した。
「ん〜〜…冷たかったっス〜。」
ワドルディは大きく伸びをした。
「あ、気がついた!」
カービィは言った。
「大丈夫?」
チリーは言った。
「もう平気っスよ!ここはどこっスか?」
ワドルディは不思議そうに辺りを見回した。
チリーはワドルディを下におろした。
「ここは洞窟の中だ。この先に何かあるみたいだよ…って言っても、進めなくて困ってるんだけど。」
チリーは塞がれた道を見て言った。

「あ、それならおいらに任せるっス!」
ワドルディはパラソルを開いた。そして崩れた岩に向かって走り出した。
「とりゃー!!」
ワドルディは高速で回転するパラソルを両手でしっかり握りながら岩の中に飛び込んだ。ばばばばばっという音をあげながら光輝くパラソルのドリルがどんどん岩を砕いていった。
「すごーい!!」
カービィは拍手した。
 
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