つばささんの小説

【銀河にねがいを☆彡】1.パーティーの夜に


 
《パーティーの夜に》

今夜はデデデ大王の誕生日パーティー。たくさんの村人達がパーティーに招待され、お城の方はわいわい、ガヤガヤと大賑わいだ。
パーティーに招待されなかったカービィは、窓からお城へ向かって歩いているたくさんの人達を眺めながらため息をついた。
「つまんないの…」
カービィが下を向いてうつむいていると、誰かが呼ぶ声がした。
「カービィ!」
カービィが顔を上げると、ワドルドゥがこちらに向かって走ってきた。
「カービィ、大王様のパーティーには行かないの?」
ワドルドゥは不思議そうに首をかしげた。
「ぼくは、誘われてないから…。」
カービィは言った。
「えっ、そうなの?君がこないと楽しくないのに〜。」
ワドルドゥは言った。
「それじゃぁ…ぼくは行くね。弟も先行ってるし…」
「うん…。」

ワドルドゥは時々カービィの方を振り返りながらも行ってしまった。
カービィはワドルドゥが見えなくなると、下を向いてまたため息をついた。
「はぁ…。」


ワドルドゥが会場に着くと、たくさんの友達と弟のワドルディが待っていた。
「お兄ちゃん、遅いっスよ!」
ワドルディは じらした。
「ごめんごめん、みんなもう来てるんだね?」
「来てるよ〜ん♪」
バーニンレオとバードンはすでにお酒が入っていてふざけ合っている。
「えっ、まだ始まってないのにもう飲んじゃってるし!」
ワドルドゥは呆れ顔だ。
「酔って俺に火を吹くなよ…バーニンレオ。」
ワドルディの隣にいたチリーが言った。
「分かってるって。」
一同は笑いの渦に巻き込まれた。

その時、突然照明が落とされ辺りが暗くなった。
「なんだなんだ…?」
会場はざわついた。
すると正面にスポットライトが照らされ、ウォーキーが飛び出してきた。
「デデデ大王様、御出座ー!!」
すると、奥の大きな扉からデデデ大王が会場に入ってきた。
「おぉっ!」
一同は大王を前に歓声をあげた。
「大王様、お誕生日おめでとうございまーす!!」
拍手で迎えられ、デデデ大王はご満悦の様子だ。

「村人達よ…今宵はわしのためにこのようなパーティを開いてくれてとても感謝しておる。皆のもの、大いに楽しみ、盛り上がるがよい!」
大王の一言が終わると、会場が突然明るくなったのと同時にたくさんのクラッカーがはじけ、歓声があがった。

向こうの方では早速カラオケ大会が始まった。
ワドルドゥ達は、豪華な食事を食べながらバグジーとナックルジョーの下手くそすぎるデュエットを聴いて笑っている。
「いや〜、このムニエル、最高っス!!」
ワドルディは感嘆の声をあげた。
「バーニンレオ!あたし、まだ飲むわよ!!」
バードンは一升瓶を抱えてぐびぐび飲んでいる。
「おれは、もうダウン〜。」
バーニンレオはぐうぐう眠り始めた。
「こいつら…」
チリーは呆れて言った。

その時、ワドルドゥが思い出したようにデデデ大王に話しかけた。
「大王様、カービィは招待されなかったのですか?」
すると、ワドルディも言った。
「そうですよ、大王さま、カービィがいないっス!」
デデデ大王はギクッとした様子を見せたが、すぐに言った。
「忘れておった…」
デデデは仕方がないな、という顔をして言った。
「ワドルドゥ、お前は確かカービィと仲が良かったな。あいつを連れてきてやってくれ。」
「はい!」
ワドルドゥは喜んで返事をした。
「お兄ちゃん、すぐ戻ってきてね!」
ワドルディは言った。
「うん、すぐ戻ってくるよ。」
ワドルドゥはそう言って会場を後にした。


それから30分ぐらいした時のことだった。
「お兄ちゃん、遅いっスね〜。」
ワドルディが言った。
「たぶん、カービィと2人で喋ってるんじゃないかな…ん?」
チリーは、突然びっくりしたような顔でワドルディを見た。
「どうしたんスか?」
ワドルディは不思議そうにチリーを見た。
「お、お前、どうしちゃったんだ!?」
ワドルディは真っ黒な光に包まれていた。

その時、突然城の天井がゴーッともの凄い音をたてて崩れた後、遙か天空に向かって吸い込まれていった。パーティー会場の天井は突然満天の星空へと変わり、会場は更に盛り上がった。
「すっげー!大王様、これどういう仕掛けですか?」
ナックルジョーは目を輝かせて聞いたが、デデデ大王は顔を真っ青にして空を見上げている。
「わしにも分からん…」
その時、悲鳴が聞こえた。
「助けてェ!!」
なんと、黒い光に包まれたワドルディが天井と同じように空に吸い込まれそうになっていた。チリー他5人がかりで、ワドルディを引き留めようとしている。
デデデ大王が大慌てでそこへ駆けつけてきた。
「ワドルディ!!」
「大王さま、これどうなってるんスか!?きゃあ──!!」
ワドルディは引き留めていたみんなの手から引き離され、黒い固まりのように天空に吸い込まれていった。
「ワドルディー!!」
チリーは叫んだ。
「大変!ワドルドゥに知らせなきゃ!!」
バードンはそこから飛び立ち、カービィの家を目指した。


ワドルドゥとカービィは楽しいお喋りで盛り上がっていた。
「そうそう!ところでさぁ、こんな話知ってる?」
ワドルドゥが言った。
「なになに?」
カービィは興味津々にきいた。
「ポップスターには7つの惑星があるでしょ?この惑星を全部『繋ぐ』と、どんなお願いごとも叶えてくれる伝説の彗星が現れるんだって!」
ワドルドゥは言った。
「へぇ〜!すっごーい!ぼくだったら何をお願いしようかな…」
カービィ達はいろんなお願いごとを出し合って楽しんだ。
「ところでワドルドゥ、星を『繋ぐ』って、どうやるのさ?」
カービィは聞いた。
「う〜ん、それはぼくもよく知らないんだけど、星を繋ぐには何か特別な力がいるらしいよ。」
ワドルドゥは言った。
「へぇ〜、特別な力って…」
カービィが全部言い終わる前にバードンが飛んできた。
「ワドルドゥ!大変大変!あなたの弟が空の彼方に飛んでっちゃったの!!」
バードンは興奮して言った。
「え…?」
ワドルドゥは困惑した。
「よく分かんないけど、お城はパニックよ!早く来てっ!カービィも!」
カービィ達3人はデデデ城へ急いだ。


天井のないパーティー会場はパニックになっていた。
「ワドルドゥ!」
大きな雲の姿をしたクラッコがこちらへ飛んできた。
「父さん!どういうこと?ワドルディが飛ばされたって!?」
ワドルドゥは言った。
「あぁ。もう16人も飛ばされた。チリーとバーニンレオもだ…残念だが。」
クラッコは言った。
「えっ!どうして!?そんなぁー!!」
バードンはおんおんと泣き始めた。
「これは…おそらく何かの魔法だな。魔法というより呪いに近い…。」
クラッコは言った。

その時、カービィが叫んだ。
「ワドルドゥ、バードンがなんか変だよ!」
「えっ?」
見ると、泣きわめいているバードンを真っ黒な光が包んでいる。
「捕まえろ!!」
それを見た周りの人達はバードンを押さえようと飛びかかったが、バードンはあっという間に上昇し、黒い固まりとなって空の彼方に消えていった。


為す術もないカービィとワドルドゥはお城を後にし、とぼとぼと夜道を歩いた。
空は雲が出てきたのか、いつの間にか星達が消え真っ暗になっていた。

ずっと黙っていたワドルドゥがやっと口を開いた。
「カービィ…一緒に弟達を探しに行こう?」
ワドルドゥが言った。
「うん。」
カービィがうなずいた。
「みんな、大丈夫かな…」
その時、うつむいたワドルドゥの体が突然黒い光にとらわれ、宙に浮き始めた。
「ワドルドゥ!?」
それを見たカービィは叫んだ。
「うわぁ!!カービィ、助けてぇ〜!」
ワドルドゥは黒い光の中でもがき始めた。
カービィは口を開け、精一杯の力でワドルドゥを吸い込もうとしたが駄目だった。
カービィはどんどん空にのぼっていくワドルドゥの手にしがみついた。
「いやだぁ!!」
カービィは叫んだ。するとワドルドゥの右手に黒い電気のようなものがバチッと走り、カービィは左手を離してしまった。
ワドルドゥはどんどん強い力で空に吸い込まれていく。
「ワドルドゥ、どこに行っちゃうの!?やだよぉ!!」
カービィは目に涙を浮かべながら必死でワドルドゥの手を握っている。
「カービィ、きっとまた会えるよ…きっと…」
ワドルドゥはカービィの手から引き離され、黒い固まりになって真っ暗な空の彼方へ吸い込まれていった。

一人とり残されたカービィは空を見上げて呆然と立ち尽くした。
「ぼくの…たった一人の友達だったのに…うわぁぁん!!」
カービィはその場で泣き崩れた。
真っ暗な空の下でカービィはひたすら泣き続けた。
「カービィ」
誰かがカービィを呼ぶ声がした。
振り返ると、そこにデデデ大王がいた。
「行ってくれるか?」
大王は言った。
「うん…」
カービィはうなずいた。
「村人達を頼む。」
カービィは光放つワープスターに飛び乗り、遙か宇宙へと飛び立っていった。

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