啓太さんの小説

【カビワド日記】第10話



「どうして、ぼくのことを守ってくれるの?
 だってぼくは悪者なのかもしれないんだよ。」

「ばかね。そんなわけないでしょ。」

あっさりとワドルディは言った。
ぜんぜんぼくのことを疑っている感じがない。
普通なら、かかわりたくない、って思っても当然なのに。

「あたしのカンだけどね。」

それを聞いて、思わずこけそうになってしまった。

「か・・・カンって・・・。」

そんなぁ、とぼくはしょげてしまいそうになった。
ぼくのその様子を見て、ワドルディはまた、きっぱりと言った。

「何よ、あたしのカンは当たるんだから!覚えておいてよね。」

根拠なんて全然ないワドルディの言葉。

だけど・・・だけど、ぼくは、
このワドルディの言葉になんだか力をもらった気がする。

「だいたい、カービィ。
 あんたに夢がないって言われてる時点で、あいつのいうことは間違いでしょ。」

「え?」

ぼくがわからないでいると、ワドルディは、こつんとぼくの頭をこづいた。

「さっき、自分で大きな声で言ってたじゃない。
 その言葉はうそだったわけ?」

さっきぼくが言ったこと?

「ゆるさねえ!もう容赦しないからな!」

シルクは、立ち直っていた。
そして、ぼくたちの方へまた、火の玉を投げた。
さっきよりもずっと、大きいものだ。
今度はあたったら、ただじゃすまない気がする。

だけど、そんなことよりも・・・。

ぼくは思い出したんだ、ぼく自身が大きな声で言った、その言葉を!


「ぼくは、みんなと友達になりたいんだ!!」


ぼくが叫んだ瞬間、
ぼくの体を強い光がおおった。
なんだか・・・ぼくの心から広がっていったような。

そして、ぼくにあたるはずだった火の玉は、
その光に当たって消えていた。

「な!?」

シルクがすごく驚いている。
その近くにいたワドルディもそうだ。
はっきりいって、ぼくもよくわからない。

ただ・・・カマーだけはにっこりとしていた。

「めざめたわね。ゆめのこころが。」

全てわかっていた。
そんな様子だった。

「それがあなたのもつ力よ。
 さぁ、それを使って、あいつをおっぱらっちゃいなさい!」

お、おっぱらうといわれても。
まだ、ぜんぜんよくわかってないのに・・・。

「くそっ!変なことしやがって、これで最後にしてやる!」

シルクがまた攻撃を仕掛けようとしていた。

「やめて!!」

ぼくが思わずそう叫ぶと、
ぼくからまた光がこぼれて、シルクにすごいスピードで向かっていった。
・・・あれは、星?

「どわぁぁああああ!!」

たくさんの星がシルクを襲った。
たまらず、シルクは飛び上がった。

「くそっ、今回は退いてやる。ただ、今度はただじゃおかないからな!」

・・・とりあえず終わったみたいだ。
ぼくも全くわからないままに。
ぼうっとしているぼくの背中をワドルディがぽん、とたたいた。

「やるじゃない!カービィ!」

そう言われて、ぼくは自分でも無意識で、えへへ、と笑った。


つづく