啓太さんの小説

【カビワド日記】第7話



「あはは、おもしろいね、カービィって!」

ワドルディに笑われてしまった。

ぼく、なにかおもしろいこといったかな?

カマーにちょっと聞いてみようと思って、
そっちのほうを向いてみた。

そうしたら、カマーも笑っていた。

「もう、カマーまで! なんんで笑ってるの?」

「別にわたしはおもしろいから笑ったんじゃないわよ。
 ちょっとほっとしたからね。」

そう言っているカマーの顔はなぜだかすごく優しかった。
ほっとした、ってどういうことなんだろう。

「だって、ちゃんとあなたにも・・・」

カマーが言いかけた時、
空からなにかがとんできた。

「うわっ!!」

ぼくらはぎりぎりよけることができた。
とんできたものはもう消えていたけど、
地面にこげあとがついてきた。

「なんなのよ、いったい!」

ぼくらが落ちてきた方向を見てみると、
そこにはだれかがいた。
もちろんぼくもしらない人だ。

「今のはあんたなの!?」

ワドルディがその相手に向かって叫んだ。
でも、その人はにやりと笑うだけで、
なにも答えてくれない。
ワドルディがみるみるといらだっていくのがわかった。

「誰なのよあんたは!!」

「オレか?オレはな・・・ヒーローだ!」

・・・・・・・・・

え?

「ごめんなさい。今ちょっと聞こえなかったからもう一回ね。
 誰なの?あなたは。」

「オレは・・・ヒーローだ!」

「へぇ・・・」

ワドルディの堪忍袋の緒が切れる音が聞こえた気がした。
もしも空にいなければ、今にもとびかかっていきそうだ。

それにしても、あの人がすごいと思うのは、
さっきとまったく同じ間で、同じ言い方だ。
ついでにポーズも。

感心してたらカマーがこっそり教えてくれた。

「あの子は、この村の子よ。
 そういえば、前からヒーローものが好きだったかしら。」

そうなんだ、納得。

「で?そのヒーローさんがなんのようなわけ。
 なんか危ないことしてくれちゃったみたいだけど。」

「ごめんごめん。お嬢さんに危害を加えるつもりはなかったんだ。」

「お嬢さん!?」

ワドルディがすごい顔で驚愕している。
ワドルディっていろんな顔ができるんだなぁ。

「どう考えてもお嬢さんってガラじゃないけどねぇ。」

…って、それよりも、今のあの子の言葉。
ひょっとして…

「そう!お嬢さんは関係ない。
 オレの狙いは、カービィ、おまえだけだ!」

ぼくが…ねらい?


つづく