「それで?カービィはどうして空から落ちてきたの?」 「うん、えっとね。」 カマーの方をちらっとみてみると、 だめだめ、と首を振っているのがわかった。 やっぱりいっちゃだめなのか。 「・・・ちょっと内緒、かな。」 そういうと、カマーはにっこりと笑った。 わかりやすいなぁ、なんだか。 「え〜、気になるわね。教えてくれてもいいと思うけど。」 「そういうわけにはいかないのよ。 関係ない人を巻き込むわけにはいかないわ。」 「? 巻き込むってどういうことよ。」 しまった、とカマーの顔に書いてある気がした。 カマーはうそをつくのが苦手みたいだ。 ワドルディも興味しんしんという感じみたい。 「・・・話してもいいんじゃないかな? この村のみんなにはすごく大事なことだから。」 「そうねぇ・・・。」 そして、ぼくとカマーは事情を話すことにした。 といっても、ぼくもさっき聞いたばかりだから、 よくわからないこともあるんだけど。 「なるほどね。 じゃあ、カービィはこの村を助けに来てくれたわけだ。」 「うん、そういうことになるのかな。」 「それで? これからどうするの?」 ワドルディがぼくに聞いてきたけど、 ぼくもこれからのことはわかっていない。 「そうね、まずは説明しないとね。 この村にはちょっとした秘密があるの。」 「秘密?」 「だんだん、それっぽくなってきたじゃない。」 なんだかワドルディはますます興味しんしんみたいだ。 すごくわくわくしているのがわかる。 ・・・そういえば、ワドルディはこの村に住んでいるみたいだけど、 秘密のことは知らないみたいだ。 「私は夢をつかさどる妖精といっても、 誰かの夢を実現させることはできない。 そうカービィにいったわよね。」 「うん。基本的にはみんなには干渉しないって。」 「それがね。実はあるものを集めれば、 私の力でどんな夢でもかなえさせることができるのよ。」 なんだか話が見えてきた気がする。 どんな夢でもかなえることのできる「あるもの」 「おそらく、その力が狙われていると思うのよ。」 「おそらく?はっきりわかってないの?妖精なのに。」 「うるさいわね。黙って聞いてなさいよ!!」 ワドルディからつっこまれて、急にカマーは機嫌が悪くなった。 ぷりぷり、という音がするような怒り方で、 笑っちゃいけないだろうけど、なんだか笑いそうになった。 もちろん、もっと怒らせちゃうといけないからがんばって我慢した。 「・・・わかったわよ。」 「・・・それはね、『ゆめのこころ』といわれるものよ。」 「ゆめのこころ?」 「そう。それがあれば私は一つだけ夢をかなえられるのよ。」 「へぇ〜。で、そのゆめのこころはどこにあるわけ?」 ワドルディがそうたずねると、カマーはワドルディを指差した。 ワドルディはもちろんきょとんとしている。 ぼくも、頭の上にはてなマークがうかんでいた。 その様子を見て、カマーはにやりと笑った。 「あなたももってるわよ。ゆめのこころ。」 「え?」 つづく |