啓太さんの小説

【カビワド日記】第4話



あっという間にぼくは、地面に達した。
地面に達したときには真っ暗で何も見えなかった。
すごい衝撃だったから、たぶん地面に
めりこんでしまったのかもしれない。

どうしよう、このままじゃ、そのうち息ができなくなるかもしれない。
カマー…はやくたすけに来てくれないかな…。

まっさかさまに落ちて、
そのままめりこんだので、
足だけは動かすことができる。
さっそく、じたばた動かしてみることにした。

ふと、外から見たらどんなふうにみえてるんだろうな、と考えた。
地面に足がつきささっていたら、たぶん見た人は驚くかな。
・・・もしかしたら、足だともわからないかもしれない。
なにか不思議な生き物だと思って怖がる人もいるのかな。

そんなことをいろいろ考えていたら、
急にぼくの片足を何かがつかんだ。
がっしりと、力強くて・・・一体誰だろう?
カマー?でも、あの大きさじゃ無理なはずだよね。

次の瞬間、ぼくの目の前が急に明るくなった。
ぽーんと投げ出されて、なんどかバウンドするぼくの体。
どうやら助かったみたいだ。
空気が…すごくおいしかった。

「きみ、だいじょうぶ?」

ぼくの目の前には女の子がいた。
すごく心配そうな顔をして。
そして、ほかにいるのはカマーだけ。
もしかして・・・

「驚いたわよ。空から急にものすごいスピードで落ちてきて。
 なんか足だけうねうねしてたし・・・、おまけにこの生き物でしょ?」

はきはきとしていて、よく通る声で、その子は続けた。

「失礼な言い方しないでちょうだい!私はれっきとした妖精なのよ。」

「・・・うそでしょ。」

「うそついてどうすんのよ。」

この女の子はぼくが落っこちるところを目撃していたらしい。
そして、ぼくの考えていた通り、この子を驚かせてしまったみたいだ。

「ごめんね、驚かせちゃったみたいで。
 ぼくのこと助けてくれたのはきみなの?」

「え? うん、まあ。そのままにしてるのもあれだったから。」

「そうなんだ!ありがとう!」

「べ、べつにたいしたことじゃないわよ。」

その子は照れているのか、そっぽをむいてしまった。
・・・それにしても、女の子なのに、地面に埋まっているぼくを
とりだせるなんて、この子はすごいなぁ。

あ、そうだ。
ぼくはまずこの質問をしなくちゃならないことに気がついた。

「ぼくはカービィっていうんだ。きみの名前は?」

そっぽむいていた顔を戻して、
その女の子は元気な笑顔で名前を言ってくれた。

「私は、ワドルディよ。よろしくね!」


つづく