啓太さんの小説

【カビワド日記】第3話



「厳密に言えば、起こったというか・・・
 これからなにかが起こる気配がしているの。」

カマーの顔がまたいっそうこわばった。
ぼくの家をあけた時とはぜんぜん違う顔だ。

「なにかって?」

「具体的に何かはわからないの。
 でも、確かなのは、みんなの夢をめちゃくちゃにしていっていう 夢をもっている誰かがあらわれたってことよ。」

カマーもはっきりとはわかってないらしい。
だけど・・・カマーのこの様子をみれば、
このままだと間違いなく本当に「何か」は
起こってしまうのかもしれない。
そして、「何か」が起こってしまえば、
みんなの夢がめちゃくちゃになってしまう。

「あなたには、それを食い止めてほしいの。
 みんなの夢を守ってほしいの!!」

真剣な顔をみて、ぼくは覚悟を決めた。

「もちろんだよ。みんなの夢がめちゃくちゃになるなんて、
 そんなこと絶対にだめだ。」

そうぼくがいうと、カマーはまたほっとした顔に戻った。

「・・・そういってくれると思ったわ。カービィなら。」

「それで、ぼくにできることっていったいなんなのかな?」

「それは、私の村にいってから教えるわ。
 ・・・ところで。」

「何?」

カマーは不思議そうな顔をしてぼくの顔を見ていた。
・・・さっき食べたサンドイッチが口についてるのかな?
それとも、張り付いたレタスがまだ残ってる?

ぼくが顔をごしごしとこすりだすと、
カマーは笑っていった。

「いえ、なんでもないのよ。気にしないで。」

「?」

う〜ん、気にしないで、といわれても
気になっちゃうなぁ。

「さぁ、じゃあ、今からカナエ村に連れて行くわよ。」

「え?」

「とぁぁぁあああああああああ!」

カマーはいきなり叫びだした。
ぼくの目が点になっているのが自分でもわかった。

そして、そのうち、カマーの体が光りだした。
それから、その光はぼくの体にも移った。

・・・これは多分、ワープするってことなのかな?
で、でもこれはあまりにも急な気が・・・

とか考えていたら光がいっそうつよくなって、
まぶしくてみえないほどになった。

「うわっ!!」

・・・

「到着〜」

カマーがそういったので、目を開けてみると、
確かにワープが終わったらしい。
下には、村全体が見える。
とっても自然が多くて、空気もすごくきれいだった。


え?「下」?


「あ。」

ぼくたちがワープしたのは村のはるか上空だったのだ。
もちろんぼくは落ちていくしかない。

「うわっぁあああああああ!!」

「あ、ごめんなさい。高すぎたわね。」

カマーの声がはっきり聞こえないぐらいのスピードで
ぼくはカナエ村へと一直線におちていった。


つづく