オリオンさんの小説

【たたかいの彼方に】 第8話 『再会、そして……』


第8話『再会、そして……』

「おい! なんであんな所にカービィがいるんだ!」
 と叫ぶクーをはじめ、予想もしなかった光景に、8にんは唖然とした。
「で、でも落ち着いて下さい。あれほど探してたカービィが、見つかったのですから。・・・・・・まずはこの戦艦に入れましょうよ」
 ピッチの意見に同意した8にんは、カービィを戦艦に入れることにした。

「みんなありがとう。助かったよ」
 戦艦に入ったカービィが礼を言う。他の8にんもやがて再会を喜び始めた。やがて、その中のグーイが聞いた。
「本当無事で良かった。でも、なんで散歩するなんて言って急に居なくなっちゃったんだよ〜?」
 するとカービィは深刻そうな顔に変わった。
「実はね・・・・・・散歩しているときに、ダークマターと出会ったんだ。そいつを倒した後、僕は、ポップスターを飛び出て、
 ダークマターの本拠地を見つけるために宇宙を探し回ったんだ。でも、相手の攻撃も激しくて、乗っていたワープスターも
 故障しちゃって・・・・・・みんながいなかったら本当に大変なことになってたよ」
 そう言うカービィを見て、他のひとたちも心に秘めていた言葉を口にした。
「カービィ。これからはもう何かあってもひとりで背負い込まないでよ。僕たちがいるじゃないか・・・・・・」
「カインの言うとおりだ。もっと俺たちを頼りにしてもいいんだぜ?」
「私も、何かあったら出来る限り手助けするわ!」
 カービィの顔から今度は笑みがこぼれる。 
「・・・・・・うん。ありがとう、みんな・・・・・・!」 
「・・・・・・さて、感動の再会もここまでにして、これからについて話そうではないか」
 とメタナイトが話を切り替えた。
「今からは、あのダークマターの本拠地へ潜入する・・・・・・と行きたいところだが、強力なバリアが貼られていて、
 どうにも潜入できない。そこで、カービィに聞きたい。あの本拠地の辺りを彷徨っていたが、何か分かることがあるか?
 出来る限りの情報を入手して、対策を打ちたい」
 メタナイトはカービィの方に顔を向けた。すると、こんなことを言い出した。
「あの本拠地にバリアはないよ。僕たちの戦艦は、余裕であの星に潜入できる」
 他のひとたちの顔が、驚いた表情に変わる。
「! それは、本当に言ってるのか?」
「おいメタナイト。潜入できないなんて嘘じゃねぇか」
「嘘をつく気はないさ、リック! レーダーには、ちゃんとあの星を取り巻く何らかの物質が表示されているんだ」
「それは、物理的なものじゃないよ。生物を探知する赤外線レーザーみたいなのの、星を囲むバージョン。
 さっき僕が入ろうとしたら、それに引っかかってダークマターに襲われた。でも、この戦艦なら怖くない。さ、みんなで行こうよ」
 カービィが満面の笑みで、潜入を決心している。この状況でこれだけのことが言えるとは。他のひとたちは、彼には敵わないと思っていた。

 しかし、本拠地に突入しようとした戦艦ハルバードは衝撃を受け、大きな被害が出た。やはり、メタナイトの言うとおり、
ダークマターの本拠地には、強力な――物理的なバリアが貼られていたのである。
「カ・・・・・・カービィのやつ! 嘘ついたのか?」
「落ち着いて、メタナイト。それより、この戦艦・・・・・・壊れそうだよ」
 そう慌てるチュチュの後ろから、カービィらしき奇妙な声がした。
「壊れそうなら・・・・・・僕がカンペキに壊してあげる」
 その声の後、大きな爆音がした。戦艦内の電気が停電し、カービィ以外の8にんはさらに焦る。
「ど・・・・・・どうなってるナゴ!?」
「みんな、どこにいるんだ・・・・・・? うわああぁ・・・・・・!!」
 爆音がしばらく続いた後、乗っていた戦艦はバラバラになり、8にんの視界に入ったものは、その破片と、星だけが光り輝く、漆黒の宇宙だった。
「私の・・・・・・私の戦艦が・・・・・・くそ!」
 幸い、8にんは、軽傷で済み、動く、喋る気力は十分あった。そのおかげで、8にんは怒りという感情を抱くことができた。
「カービィ! なんでそんな嘘をついたんだ!? おいら達、何も出来なくなったじゃねぇか!」
 するとカービィはとんでもないことを言い始めた。
「プクク・・・・・・それが僕の狙いだよ。ダークマターを倒すには僕ひとりで十分なのさ。はっきり言ってお前達は役立たず。いない方が効率がよかった。一緒に冒険しててそう思った。僕の手助けをするって言ってあまりにしつこいから仕方なく連れてやったんだけど、邪魔過ぎる。お前等みたいな足手まといさえいなければ、僕は完全にダークマターを倒すことができたのに。今こうなっているのも全部お前達のせいなんだよ!」
 唐突に言われたその言葉は、過去にカービィと共に冒険したリック、クー、カイン、ナゴ、チュチュ、ピッチ、グーイの7にんにショックを与えた。
(うそ・・・・・・だろ?)
 7にんは、過去の冒険を思い出した。あの時、カービィに何か迷惑でもかけたのか。嫌な思いをさせたか。そんなつもりは勿論7にんにはなかった。
「ねえ、嘘って言ってよ・・・・・・ゼロ、倒したとき・・・・・・力になってくれて、ありがとうって・・・・・・あれは、冗談? ひどい! ひどいよ!!」
「僕達のこと・・・・・・本当にそんな風に思っていたの? 答えてよ!」
「言いたいことはさっき言ったよ。今から僕はあの星へ向かう。お前達は、そこで死ぬのを待つことだね!」
 そう言って飛び立つカービィを、宇宙に取り残された者たちは、ただただ見つめていた。

『役立たず』『足手まとい』『邪魔』
 カービィが放ったこの言葉が、7にんには相当の衝撃だった。たたかう気力もなくなり、目は生気を帯びてない。さらに、泣きじゃくる者までいた。
(なんで・・・・・・なんでこんなことになったんだ・・・・・・)
 裏切られ、悲しみのどん底にいた7にん。しかし、その中のひとり――ピッチはやがて、ハッと何かを思いついたような顔をした。
「・・・・・・どうしたナゴ?」
「皆さん。やっぱりおかしいと思います。あのカービィは・・・・・・偽物だよ」
「俺だってそう思いたいさ、ピッチ。でも・・・・・・でも、カービィは・・・・・・!」
「絶対偽物! 僕には分かります。だってあのカービィの言ってることには矛盾があります!」
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