オリオンさんの小説

【たたかいの彼方に】 第7話 『混沌の渦』


第7話『混沌の渦』 

 プププランドに襲来したダークマター達は、デデデ大王とアドレーヌを囲んで、身動きがとれないように剣を突き出した。
(どうする? かなりまずい状況だ・・・・・・)
 殺されてしまう可能性もある現状に陥ったふたりに、剣を突き刺している人型のダークマターのひとりが声をかけてきた。
「ふふふ。ダーク・リムラを倒せば、我々がたじろくとでも思ったのか? あんな変態隊長など、いなくても十分やっていけるのさ。寧ろ、私欲に溺れ、自分勝手に動くリムラなど、消えてくれた方がよかった」
 どうやら、ダーク・リムラは部下には嫌われていたようだ。だから、倒しても、勢力が弱まることはない、と大王は納得した。
「・・・・・・指揮者を敬ってないようだな。確かにあいつは変態だったが・・・・・・」
「うるさい。それよりこの星は、もうすぐ我々ダークマターの占領下になる。そして、ゼロ様から特命も受けている! ・・・・・・デデデ大王と、アドレーヌをひとじちとして捕らえよ、とな」
「ゼロ? ・・・・・・やはり復活したのか? それに、ワシ等がひとじちとはどういうことだ!?」
「とらわれの身は調子に乗るな! ものども、こいつ等を連れて行け!!」
 とダークマターが叫んだ瞬間。ふたりの景色は歪み始めた。そして、周りは闇に包まれていき、目の前が真っ暗になった。

「・・・・・・きて! 起きて!!」
 そう言われて、目を覚ましたデデデ大王は、目をこすりながら、辺りを見回して急に驚いた表情になった。それもそのはず。
アドレーヌの他に、沢山の妖精が生きる覇気を無くした目で座り込んでいたし、何より、鉄格子によって閉じこめられ、出られなくなっていたからだ。
「一体どうなってるのだ?」
「あたしたち・・・・・・閉じこめられたの、あのダークマター達に・・・・・・」
「それは分かった。でも、この沢山の妖精達はなんなんだ?」
 大王がわけが分からないまま喋っていると、あるひとりの妖精が会話に出た。
「わたしたち妖精は・・・・・・もともとリップルスターに住んでました。でも、ダークマターに襲われて、住んでいた所は滅茶苦茶。そしてひとじちとして一斉捕獲されました。ここはダークマターの本拠地。銀河に残る"最後の星"らしいのです。どうやら目的は、わたしたちの星の秘宝の"クリスタル"を奪うこと。それを使って、ダークマターはさらに悪いことをするって言ってました」
 リップルスター・・・・・・この言葉を聞いた大王も、少女も、ふたりとも一瞬ながら懐かしさを覚えた。そして、その時知り合った桃色の髪の妖精――リボンのことが頭に浮かんでいた。もしかしたら、この中にリボンがいる。そう考えていた。しかし――
「妖精さん。この中に、リボンはいる? 少し話したいことがあって・・・・・・」
 アドレーヌがそう尋ねると、今度は妖精達より、体の大きい眼鏡をかけた――リップルスター王女が話に出た。
「・・・・・・そういえばあなたたちは、昔、わたしたちの星を助けてくれたひとたちでしたね。でもリボンの行方はここにいる誰もが知りません。捕まえられたときに、はぐれたままなのです」
 ふたりは唖然とした。なぜ、彼女だけが捕まらずに行方不明になっているのか。不思議でたまらなかったのだろう。
 しばらく、鉄格子の中は無言の空気が漂っていた。その空気を破って、話に出たのは、アドレーヌだった。
「多分・・・・・・リボンは、またクリスタルを持って宇宙に逃げたんだと思う」
「何故そんなことが分かるんだ?」
 大王が問いかけると、彼女は少しうつむいて、
「分からないよ。でも、そう信じたいだけ。・・・・・・それに、もしクリスタルが既にダークマターの手に渡っていたら、あたしたちは何のためにここに連れてこられたか疑問に思わない?」
「成る程。ワシらがクリスタルについて何か知ってると思って尋問するためにダークマターにここへ連れられてきたって言いたいのだな。でも・・・・・・ワシはどうもそうやって考えることができない」
「どうして?」
「ポップスターがダークマターに襲われたとき、ワシはカービィを呼んだんだ。でもどこにもいなかったし、今日この日まで、姿をずっと眩ませたまま。ダークマターと何回も戦ってきたあいつが怯えるとは思えないし、もしかしたらカービィは・・・・・・ダークマターに捕らわれたんじゃないのかって考えてしまうんだ。ワシらは、捕らわれたカービィへの見せしめのために・・・・・・」
 その次の言葉を言おうとした大王だったが、それはアドレーヌに止められた。
「だ、ダメだよ。そんな悲しいこと考えちゃ! こんな嫌な場所で……未来の暗くなるような話は止めようよ」
 彼女の声は半泣きのように大王には聞こえた。やがて大王はひとつため息をつき、
「・・・・・・アドの言うとおりだ。変な憶測は止めて、今はどうすればここから出られるかを考えよう」
 と優しく言いかけた。

 一方、戦艦ハルバードと、そこに乗っている、リック、クー、カイン、ナゴ、チュチュ、ピッチ、グーイ、メタナイトの8人は、ファイナルスターを目前にしていた。
「いよいよだわ・・・・・・今からあのダークマターの本拠地に入るんだよね?」
「そうだ。しかし、その前に、この星を纏っている強力なバリアを壊さなければならないことが分かった」
 と戦艦内のモニターを見ながらメタナイトが言った。
 ここにいる8にんは知らないが、ワープスターが宇宙をさまよっていた理由は、捕らわれたカービィに呼ばれたが、強力なバリアを、はっていたことにより、そこへ駆けつけることができなかったからだった。
「じゃあ、どうやってあの星に潜入するナゴ?」
「主砲を撃ってみる・・・・・・と行きたいところだが、止めておく。仮に壊せたとしても、それに気づいたダークマターの援軍がすぐさま駆けつけ、面倒くさいことになるだろう。できるだけ、被害は小さくしたいからな」
 ここに来て途方に暮れてしまった8にん。
 だが、しばらくすると、8にんの中のひとり――リックが急に驚いた表情に変わった。
「お・・・・・・おい! みんな見ろ!!」
 そう呼びかけられ、他の7にんも見てみる。すると――
「何だよ・・・・・・何であんな所に・・・・・・"カービィ"がいるんだよ・・・・・・」
 ファイナルスターの間近で、宇宙をさまよっているカービィがいた。
page view: 1639
この小説を評価する:                   (5)