オトモカービィさんの小説

【しろきつばさだいなぶれいど】 〜ナイトメア〜 寂しさ


ここは星の住人たちが皆仲良しで平和なプププランド。
そんなプププランドでは、たまに悪巧みを考えて事件を起こす者がいた。
その内の一人である“ナイトメア”は、スターロッドの力により夢の泉に封印されていた。
最初のうちは封印をとくために試行錯誤をしていたのだが、内側から封印を解くことが出来ないことを悟ると大人しくしていた。
自分は一生、この中で過ごすのか。暗く、闇のみが続いている虚しい空間を見渡してから彼は初めて『寂しい』と感じた
初めて感じる寂しさに対して、彼は違和感を覚えた。ずっと前からも封印されていたのに、どうして今になってから…。
寂しさを感じてから、彼の外に出たい。という気持ちは日に日に膨れ上がっていった。
ここから出られるのだったら何でもする。人々の手助けでも何でもしてやる。
そう考えてみては、頭を振ってその考えを消した。自分の楽しみは人に悪夢を見せる事。それ以外になど生きがいなどは無い。
そんなことを繰り返しているだけのつまらない日々。だが、そのつまらない日に終止符を打つ人物が現れた。
中からでも外の世界は見えるのだが、何しろ一定の範囲しか見れない。
丁度死角に立たれたため、姿形を捉えることが出来ない。
自分を復活させて殺そうとしているのではないだろうか。そう考えてしまった。
前の自分であれば、その人物を殺しその上でプププランドを征服する。そう考えていただろう。
彼は変わってきていた。カービィと出会ってから… さびしさを感じてから…。
その人物は、躊躇なく夢の泉の封印を解くと封印が解かれて外の世界に復活した彼の容姿を見てから、口を開いた。
「ナイトメアであってるな…?」
「如何にも。世がナイトメアであるが、世の名を知っていてもなお何の躊躇も無く封印を解く汝の名を申せよ」
色こそは違うものの、その丸い球体はカービィを思い出させる。その球体を睨み付けても臆することなく向かい合ってくるそれからはカービィと似ている『何か』が感じられた
「俺の名はロック。カービィの知り合いだがお前に用があって来た。何処から話せばいい?」
ロックと名乗った人物はナイトメアに用があって封印を説いたという。
世間からの自分を認識は完全なる悪。そんな自分に手を借りにくる用件とはどんな用件だろうか。好奇心が膨らんだ。
しかし、ナイトメアがロックに聞かされたことは想像を絶するものだった。
まず、星の戦士の裏切り者が復活したということ。その裏切り者はこの世界の全人類を破滅に導こうとしている事。
初めに聞いた時は心の内で笑っていた。そんな馬鹿げた話があるか、と。でも、ナイトメアは承諾してしまった。ロックの真剣な眼差しと威圧に負けたのかもしれない。
けれど、長い間封印されてきた彼の心に少しずつ変化が現れ始めてきたのだ。無意識にカービィのことが心配だったのかもしれない。
その時、ダイナブレイドの巣があったであろう山の付近で大きな炸裂音が聞こえた。炸裂音に混じって悲鳴。メタナイトのものだ。
「カービィは多分今頃街中で瀕死状態だろう。興味があったら見に行け」
「助けに行けとは申さないのか?」
「あぁ、世界中にはお前を超える戦士など幾らでもいる。実際に2人位はすでにカービィの方に向かっている」
「では、助けに行こうとは思わぬのか?」
この質問をした瞬間に、ロックの雰囲気が変わった。彼を威圧するような雰囲気から、優しげな雰囲気に変わっていた。
「俺たちは歴史に直接的に関与してはいけない存在なんだ。それに…、カービィにこの事件を乗り越えてもらいたいんだ」
そういい終えるとさっきと同じような、彼を威圧する雰囲気に変わっていた。それは、無言で「これ以上追求するな」と伝えていた。
かつての敵のピンチ。奴は自分以外の者に敗れてはならない。自分が奴を打ち負かすまでは。
心の中でその言葉を連呼していた彼は無意識の内に町のほうへ向かっていた。

「これで何人目だ?」
『メタナイト達を合わせると7人です』
「そうか… 残りはあと一人だな」
ロックはその場から消えていた。


彼が現場に着いたときにはその光景に言葉を失った。
それもそのはず。カービィと同じ球体の人物が殺意のこもった目でカービィを見下ろしているからである。
(なるほど… 彼奴がロックの申していた裏切り者の星の戦士か)
しかし、ナイトメアが驚いたのはその直後の光景だった。カービィを守るように、一つ目の球体と魔女が現れたのである。
ゼロとドロシア。夢の泉の前を人が通るときに聞いたことがあるので、名前だけは知っているのだが見るのはこれが初めてだ。
2人も居るのなら、自分は役に立ちそうに無い。諦めて帰ろうとしたその時、カービィと、二人の会話が言葉がはっきりと聞こえた。
「私達を負かした貴方がこんな下衆に負けられるとこちらは大恥でございますわ。ここは私達で凌ぎます」
「でも… 僕は足を折ってしまったから城までは…」
「心配無用。世が汝の足となろう」
またも、体が勝手に動いていた。ナイトメアの登場に一同は目を丸くしていた。
まさか悪夢を見せるのが唯一の楽しみである彼がカービィを助けに来るとは思ってもいなかったのだろう。
「ナイトメアも…」
「勘違いするでないぞ。世は世界が奴に征服などされたら汝等に悪夢を見せる事も出来なくなってしまうからな」
見え見えのの照れ隠しであった。しかし、カービィは彼の心情を察してくれたのか、何も追求しては来なかった。
城まではまだまだ距離はある。急いだほうがいい。全人類のためにも。
突然、背中に乗っていたカービィがクスクスと笑い出した。
「どうした?」
「いやぁ、ゼロもドロシアもナイトメアも皆、良いところあるんだなぁって」
「なっ!? さ、先ほどから申しておろうが。世は決して汝らのためではなく…」
「分かってるって」
こんな他愛も無い会話をしていると、カービィとかつて敵対していた何て嘘のようにも思えた。
彼はこの時間が続けばいいのにと思い始めた。いっそ本当に改心して皆と仲良く過ごそうかと本気で考えていた。しかし、その考えを再び振り払う。
考え事をしているうちに城にたどり着いた。何時もは夜の遅い時間までデデデの部屋は明かりがついているらしいが、今日はついていない。
門を開けて城に入るが彼は城の中を一切知らない。だが、1部屋だけ明かりが漏れている部屋があったのでその部屋に入った。

 この先地下書物庫。用の無いものの立ち入りを禁ずる
                                 』
張り紙が張ってあったが無視して地下書物庫へと入って行く。
中には、プププランド中の住民やゼロが連れて来たダークマター軍がいた。
カービィが帰ってきた事には皆が喜んだが、ナイトメアが入ってきたとき、辺りは騒然とした。
ダークマター軍も驚いている。そんなにも彼は有名だったのかはさておき、その空気は打破するためナイトメアは自ら発言をした。
「世は敵意などは持っておらぬ。今は全人類の危機。皆で結束しなければ勝利は約束されんぞ」
思い切って言ってみた。先ほどよりも場の空気は騒然としている。
拙い事を言ってしまったのかとナイトメアが焦っていると、「そうだ。今は争いあっている場合ではない」「皆で力をあわせよう」など声が上がっていた。
どうやら、ダークマター軍とプププランドの住民達は互いに、相手のことを拒絶していたようだ。
人は武器を取り、天高く掲げた。皆で団結を誓い合った次の瞬間にゼロとドロシアが天井を突き破って落ちてきた。
そして、本棚の影からブラスコピーが現れた。闇を操る能力。
「なるほど…。これは厄介だ」
突然、ブラスコピーの背後から無数の手が伸びてカービィとナイトメアに襲いかかった。
彼は避けようとしたが、カービィは彼の背中の上で激しい動きをしていない。カービィは彼が疲れないように気を遣っているのだ。
何をきっかけか、突然ブラストコピーが大声を上げた。すると、無数の手はみるみる液状化し、ブラスコピーの周りに膜を張った。
その膜が破裂して、中から出てきたものにナイトメアは自身の目を疑った。
少々の闇は透視できる彼でさえ影しか見えなかった。その影はダイナブレイドそのものだった。
現れたのは黒い色をしたダイナブレイド。黒き翼とでも呼べばいいか。とにかくそれは羽で全身で包み込んだ。
何かを唱えている。
「拙い! このままでは…」
デデデが言いかけたその時、黒き翼は羽を大きく振り上げて振り下ろした。辺りに黒い爆発が起こる。
咄嗟に彼はカービィを自分のそのマントで覆い包んだ。大きな爆発が起こる。
―――彼の意識はそこで途絶えた
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