オトモカービィさんの小説

【しろきつばさだいなぶれいど】 〜第3話〜迷いの森の守護者達


「歩いても歩いても、同じ場所にたどり着いちゃうよ…」
何時間たったのだろう。カービィはただただ同じ場所をぐるぐる回っていた。どの道へ行っても、またすぐに同じ場所へと戻されてしまうのだ。
もうクタクタ。お腹もグーグーなっている。やがて、空腹に耐えられなくなったのか、いきなり木にかぶりついた。もう食べれればなんでもいいようだ。
「痛ッ!」
突然木が喋りだした。驚いて口を離したが案の定、ウィスピーウッズだった。
「いきなりかぶりつくなよな… アイタタタ」
摩ろうにも摩れない背中の傷を他の木にこすりつける。普通、そんなことをしたらもっと痛いのではないのだろうか。ていうか、動けるのか…?
次々と疑問があがる。確かに今までに歩くウィスピーウッズは見たことがある。しかし、こんな所にいるものなのか…。
突然、他の木から毛虫が落ちてきた。何とか飛び退いて回避できたが、心臓がバクバクしている。
「よくもウィ吉をー!」
なんと、もう1人ウィスピーウッズがいたのだ。この2人は果たして兄弟なのか、双子なのか。そんなことは考えている暇もなく、そのウィスピーウッズはどんどん毛虫を落としてくる。
林檎が落ちてこないために、攻撃することも出来ない。しかも歩いてくる。また同じところに戻ってくるのは分かってはいたが、分かれ道を突き進む。
何故だか分からないが、今度は同じ場所に戻ったりはしなかった。後ろを振り返るがウィスピーウッズはもう追っては来なかった。
息があがっている。こんなに敵に恐怖したのは初めてだろう。…毛虫しか落としてこないのだから。
安心も束の間。目の前に大きなバグジーが現れる。
「うおぉぉぉ! この先には誰も行かせえぇぇん!」
いきなり突進をしてきた。デデデの所のバグジーよりも強い。なんていうか、素早いし隙も無い。
走っても間に合わない。カービィは簡単に捕まってしまう。色々と足掻いてみるが、まったく逃げることも出来ない。
簡単に投げ飛ばされ、そのまま木にぶつかる。体がもう動かない。ここまで強いとは…。そういえば最近、向かうところ敵無しで調子に乗って修行をしていなかった。残ったのは後悔だけだった。
突然、バグジーが後ろに飛び退く。目の前には炎。
「間に合った。大丈夫…?」
アディオスとケケ。いくら探しても見つからなかった2人が助けに来てくれたのだ。
「うおぉぉぉ! 火は駄目だ! 火は! 消さなければあぁぁ!」
…何か滅茶苦茶慌ててる。自分の羽を羽ばたかせて必死に火を消している。水でも使えばいいのに。
「この隙に逃げるぞ!」
アディオスに担がれ、その場を離れていった。

2人は茂みに隠れてカービィの回復を待っていてくれた。
「うおぉぉぉ! 奴等、森に火をつけおった! 絶対に許さあぁぁん!」
「うるさいよ。そんな大声出してたらすぐ逃げられちゃうよ」
さっきのバグジーやMr.フロスティなど、大人数で3人を探していた。今出て行けば間違いなく捕まるだろう。
カービィの回復は遅かった。今まで数々の悪者を倒してきた歴戦の戦士でもバグジーに適う事も出来なかった。プライドを大きく傷つけた。
背後にうっすら見える一つの影。たくさんの虫の集まり… ウジャだ。
「キャハハ! 見つけた見つけた。火をつけた犯罪者、見つけた見つけた。キャハハ!」
「しまった…! 走れ!」
今度はケケがカービィを箒に乗せて逃げた。アディオスは撒菱を撒きながら逃げる。追手の数がだんだんと少なくなってきている。最後にはボンカースだけになった。
諦めたというより、任せたという感じだった。ボンカースは器用に撒菱を避けながら追いかけてきた。遂に行き止まりになってしまった。
「オデ、オ前ラ許サナイ。オ前ラ、ロック様ノトコ、連レテク」
両手にハンマーを持ったボンカースはアディオス達に襲い掛かる。
2対1。戦力の差は違うはず… だけれどケケはほとんど戦えないので1対1だろう。
片方のハンマーを防いでも、もう片方のハンマーがアディオスへと襲い掛かり叩き付けられる。ココナッツ爆弾もハンマーで打ってきて、速いし数倍痛い。
少しでも隙を見せれば殴られた。このボンカースは他のボンカースよりも数倍強い。しかし、頭はどうだろう。挑発を仕掛けてみることにした。
「てめぇの攻撃なんざ痛くも痒くもねえよ。本気でかかってきな馬鹿野郎」
プツンと何かが切れる音がした。
「………許サナイ! オ前、絶対二許サナイ!」
計画通り、挑発に乗ってはくれたが… 右手と左手にありえないほどのココナッツ爆弾を手にした。
多分この森が消し飛ぶほどの量…。自分の最期を覚悟した。不意に、声がした。
「おい… 何をやっている。この森を消すつもりか」
「ろ、ロック様…!」
ボンカースは手にしていたココナッツ爆弾をボロボロと落とした。
ロックと呼ばれた人物が現れたと同時にボンカースが消えた。そして目の前に立っていた。
2人は身構えることも出来なかった。ロックから出ている威圧感に押しつぶされてしまったのだ。
しかも、ロックはカービィと姿形瓜二つであった。違うのは色と帽子を被っていること。目線を2人に向けた後、倒れているカービィの方に向けた。
「俺と同じ星の戦士か… おもしろい」
気付いた時にはカービィもロックも消えていた。
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