NAOTOさんの小説

【春の陽気と夜の月】第一話 咎めるものたち


なんということだ。

ひらひらと舞い落ちる葉一枚一枚は、その影をなくし

ただ落ちてゆくのみであるのか。

カービィは庭先に咲く桜の木に想いを寄せていた。

そして思うのであった。

今年も例年通り、ことは進むのだろうかと。

 ここプププランドでは春が早い。

一年を通して、冬は短く春が異様に長く、夏はそこそこにして

秋が来る。

この不思議な四季が織りなす風景は幾ばくかの生き物たちにも影響を与え、

それはプププランドを蝕む。

例えばこの時期、春の陽気とともに恐ろしいまでの倦怠と、危機感の薄さを共に抱くのだ。

冬の活力を置き去りにし、春に入れば皆同じように倦怠を抱くのだ。

その例外にもれず、カービィも日がな一日昼寝をし、近くで食事を取り、

夜になれば仲間とともにトランプに興じ、就寝をする。

そして、プププランドでは一日の半分は睡眠に費やされる。

多くの役所も昼寝を取り、王城ですら警備を解いて昼寝を行う。

平和ではあるがこの時期、ありとあらゆる災厄が訪れる。

昨年のダークマター族の襲来。

誰も彼も油断しきっていた、ヨーグルトヤードに密かに潜伏していたダークマター族は

一斉に攻撃をかけ、近くの住民に甚大な被害を出した。

デデデ大王はバカンス中でろくに指揮が取れぬ軍隊は無用の長物と化し、

大王の帰還の際は大目玉を食らった。

当時100人隊長であったカービィはその責任を取り、軍を辞め

いまこうして辺境地で暮らしている。

カービィには能力があった、一人で百人力の彼はデデデ大王に目をつけられ

軍に入隊した。有事の際は一人で立ち向かい、その勇姿から

「星の戦士」と呼ばれるようになる。

時おおかずして100人隊長となった彼であったが、統率能力は皆無であった。

いつも単独先行、同じ100人隊長からは嫌われていた。

そんな軍をやめた今でも彼は、気が気でなかった。

いつやってくるかわからないものに対する恐怖、それは拭えなかった。

この春、中心街に行くのも気が引けた。

あらゆる物事がめんどくさく感じる。

古ぼけたワープスターに乗り、けだるい空気の中向かう。

その道中、ある人物を見つけた。