ヨツケンさんの小説

【カービィ商店街物語】第3話


【闘技場・格闘王大会】
【後編・少女?吸血鬼】

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さて、前回の話より数百年前の話。
銀河の外れに有るとある惑星に光の力を司る一族が住んでいました。ある時、その惑星
に一人の美しい女性が不時着し、一族のある男に助けられその男の家に住み着き初めまし
た。彼女は助けてくれた男の為に必死に彼を支えていきました。彼への、今まで抱いた事
の無い熱い気持ちを抱きながら。
「私……ヴァンパイアなの……」
住み初めて数ヶ月が経ったある日、彼女はその男に向かってそう言い放ちました。そして
自分がこの一族を滅ぼす為に送り込まれた事を告白しました。
「でも……貴方を見てたらそんな事出来なく成って……」
「わかった、でも皆にはこの事は内緒にしておこうな?」
ヴァンパイアと言えば闇の高等種族。もし光を司るこの一族の誰かにこの事がバレたらき
っと彼女は殺されてしまいまう。今まで自分を優しく支えてくれた彼女が殺されるのを見
たく無い。
「ありがとう……」
「これからも宜しくな……」
その後、二人は秘密を隠したまま結婚式をあげ、可愛い女の子も授かり、誰もが羨む様な
幸せな生活を送って居ました。
しかし、他の村人が何時までも外見の変わらない嫁に対して不信感を抱き、彼女の周りを
探り初めました。そして、子供の外見が九才くらいに成ったある日。
とうとう彼女がヴァンパイアだとバレてしまいました。そして次の日、ヴァンパイアと男
は光に背いたとして一族の戦士達によって殺されました、しかし、村人がいくらさがして
も、二人の間に生まれた女の子だけは何処を探しても見つかりませんでした。

実は二人が殺される数時間前。

村人の動向に気付いた二人は我が子の命だけでも救う為に我が
子を脱出用に書いた魔法陣に乗せた。
「お母さん、何で泣いてるの?」
「ううん、何でも無いよ……」
「お母さん……やっぱり私嫌だよ……」
「ごめんね……カーミラ」
ヴァンパイアは泣きじゃくる我が子を乗せた魔法陣に手を置き、素早く呪文を唱えた、そ
の時、家の扉が蹴破られた。
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それからカーミラは長い間銀河をさ迷い続けた。無の化身の誕生や悪夢の具現化、おもち
ゃの様な大彗星や銀河騎士の封印などの色々な事を見ながらひたすら銀河を漂い続けまし
た。
しかし、どの惑星に行ってもバンパイアというだけで恐れられ、怖がられ、追い出されか
け、みんなを殺して血を啜る。そんな経験が次第に彼女から言葉を奪い、身体を蝕んでい
った。
そして、カーミラの外見が二十歳くらいに成ったそんな時、一つの星が彼女の前に現れた。
黄色くて星形のまさに星と言える大きな星であった。
「(うっ、頭が痛い……)」
そんな事を考えながら、彼女がその星に降り立つと、そこに有ったのは今までに見た事の
無いくらい希望に溢れた風景だった。
「……キレイ」
しばらく歩くと、紅葉した葉っぱの中に赤いベレー帽を被った女の子が、真っ白なキャン
バスに向かって、スラスラと楽しそうに絵を描いているのを見つけ、声をかけようとした
その時、カーミラの身体を今までに貯まった疲労が襲い、そこで彼女の意識が一旦途絶え
た。

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次にカーミラが目を覚ますと、そこはふかふかのベッドの上であった、周りを見渡すと辺
りには画材と思わしき道具がところ狭しと置いて有った。再びベッドに身体を沈め、天井を
見つめる。
「あっ、やっと起きたんだぁ♪」
そんな声と共に赤いベレー帽を被った少女が彼女の顔を覗き込む。気を失う直前にみたあ
の少女だ。
「ここは…」
「ここは、私のアトリエだよ♪」
「貴女が助けてくれたの?」
「うん、いきなり倒れてるからびっくりしたよ〜」
「ありがとう……ッ!!」
身体を起こし、お礼をしようとした瞬間身体中に激痛が走り、再びベッドに崩れ落ちる。
「あ〜ダメだよ安静にしてなきゃ!!」
「血が…足りない…」
「え?」
「私はヴァンパイアだから……!」
そこまで言って慌てて自分の口を覆った。ヴァンパイアと言ってしまった、また追い出さ
れるかも知れない、殺してしまうかも知れない。そんな事を考えながら恐る恐る少女の顔
を見る。
「へぇ〜バンパイアなんだぁ、血は無理だけど、トマトジュースなら有るわよ♪」
彼女の反応に少し驚く。
「私が……怖く無いの?」
「ううん、全然怖く無いよ♪」
「ありがとう」
初めて他の生き物と対等に話をした気がした。
「ねぇ、あなた名前は?」
「カーミラ」
「私はアドレーヌ、宜しくねカーミラ♪」
それからカーミラはアドレーヌの家に暫くの間泊まることになった、アドレーヌとの生活
の中で、カーミラは少しずつ心を開いていった。
そしてアドレーヌの家に来て一ヶ月程過ぎたある日。
「ねぇカーミラ」
「なに?」
「明日私、格闘大会に出るんだけど……見に来る?」
「勿論」
アドレーヌが書いた絵が実体化する事はこの一ヶ月で学んだ一つで、彼女はその能力を色
々役立ているのだ。昔はその能力ため、カーミラと同じように迫害を受けた様だが、この
星に来てからは毎日が楽しいらしく、毎日笑顔で絵を書き続けている。
「そういえば、カーミラは町に出るのは初めてだったね♪」
「うん…」
「大丈夫、この星の人達はみんな優しいから、特にカー君なんか……」
「(また始まった)」
彼女は良くカー君という生物と旅をした話を何百回とカーミラに聞かせる。過去二回闇に
身体を乗っ取られた事やゼロツーという無の化身に挑んだ事を話すのだ。
「アドレーヌ、そろそろ寝ないと」
「えっもうそんな時間?、お休みカーミラ!」
「おやすみ…」
次の日の朝、カーミラは彼女のうめき声で目を覚ました。彼女の寝ていたベッドの方を見
ると、彼女が足を擦りながら倒れているのが見え、慌てて彼女に駆け寄る。
「アドレーヌ大丈夫?」
「うん大丈夫だけど…」
「だけど?」
「大会出れなく成っちゃった、今年こそ優勝したかったのに……」
彼女の顔が少し悲しそうになり、その顔を見ていたカーミラはまるで自分の心臓を締め付
けられる様な感覚に襲われた。
「私が……出るよ」
「えっ?」
「私がアドレーヌの替わりに大会に出る」
「でも…」
「だから、見ていて私の姿を…」
「カーミラ……うん、わかった」
「準備するから先に行って」
「頑張ってね」
彼女がなにやら目玉雲を書いてアトリエを飛び出して行った後、カーミラは自らのバッグ
から父と母から貰った鎌と黒い擦りきれたローブを着て、アトリエを後にした。
闘技場に着くと、幸いアドレーヌが先に手続きを済ましてくれた様で直ぐに選手控え室に
通された。なにやら白いローブを着た少女やピンクの球体が居たが気にせずにベンチに座
った。
「(アドレーヌの為にも頑張ら無いと…)」
暫くすると、係員らしき球体に従って鉄格子のある個室に連れ。その時遠くからアナウン
スが聞こえてきた。
「えー、一回戦のアドレーヌさんが今朝負傷をしましたので、今回はアドレーヌさんの友
達のカーミラさんが出場です!!」

場内の割れんばかりの歓声と共にカーミラの目の前の鉄格子が開きヴァンパイアはそのま
まステージに出る。普通なら焼けてしまうが、父の血のおかげか太陽の光も昔から平気だ
った彼女は目映い陽光に目を慣らすと、対戦相手の方を見る。
そこに居たのは。
「負けないよ〜」
さっきのピンク球体であった。
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どうもヨツです
久しぶりに長く成りました。新キャラのカーミラについては↓参照です♪

名前 カーミラ
種族 ヴァンパイア
装備 黒い擦りきれた長いローブに赤黒い大鎌
外見 可愛い系の顔、黒い瞳、金の髪
性格 真っ直ぐで本人に悪気は無いがたまにやり過ぎてしまう、台詞は最低限
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