星のユービィVさんの小説

【〜星のカービィと愉快な仲間たち〜】第45話 アカービィのリサイタル リターンズ


前回、病院内で堂々とリサイタル宣言をしたアカービィ。
はてさて、みんなはどうなってしまうのか?

その日の夕方、カービィは車椅子に乗ったアドレーヌを連れて病院の中庭にいた。
足をくじいただけとはいえ、両足をくじいていたらまともに歩けないからだ。
アドレーヌ「…とりあえず私はこれで行かなくても……いいわけないわよね」
カービィ「うん。みんな一緒に最期を迎えようよ」
アドレーヌ「最期って言うな最期って」
などとのんびりした感じに見えるが、実際問題は深刻である。
明日の午前中は学校の半日授業があり、逃げる時間は正午のみしかない。

翌日8時、学校の始まりである。
そして例によってアカービィとアドレーヌは遅刻、今回はカービィも一緒である。
カービィ「ごめんなさい、車椅子を動かすのが難しくて…」
シービィ「…まぁ、今回はカービィは仕方がない。アドレーヌもな。……だがアカービィ!」
アカービィ「ヘイヘイ、ごめんなすって!」
そう言うとアカービィは自分の席についた。手には何か持っている。
リボンがよく見ると、それはなんとリサイタル招待券だった。
みんなは一斉に青ざめた。

そして下校の時間。
カービィ達は不思議に思った。招待券を持っていたアカービィはその日1度も彼らのところへやってこなかったのだ。
ケケ「一体、どうしたんでしょうね?」
ミービィ「オイラにもわかんない」
そう言って靴箱までやってきたが、そこである違和感に気がついた。
みんなの靴箱の扉が開けられた形跡があるのだ。
アドレーヌ「?なんで開いた跡があるのかしら?」
そう思いつつも靴を取り出した時、靴の中から何かが出てきた。
小さな紙のようで、下手な字でこう書かれていた。

――リサイタル特別招待券、本日午後3時に広場にて――

桃&アド&ケケ&リボン&緑&黄「……あのヤロウ!」
ニゲラレナイ…ニゲラレナイ……にげられない………逃げられない!!
まるでRPGのボス戦で逃げるコマンドを選択した時のようなフレーズが頭にひびく。
これはもう覚悟を決めなければならない。
地獄に立ち向かう覚悟が、必要だった。


……ついに、午後3時。
広場には例によっていつものメンバーが集まった。
みんな嫌そうな顔をしている。当たり前である。
デデデ「あーヤダヤダ。マジで嫌だ」
アドレーヌ「だんなの権力でも止められないなんて、最悪ね…」
メタナイト「俺は死にたくない!」
キービィ「僕は死にましぇ〜ん!!」
などとそれぞれいろいろいいあった後に、アカービィがやってきた。
派手な金色のマイク(金メッキ)を持ち、やる気は満々だ。
アカービィ「ヘイ、ヘイ、ヘーイ!みんな元気かー?」
一同(アカービィ以外)「お、おぅー……」
アカービィ「なんだ、声が小せぇなぁ!気張っていくぞー!」
1人だけ勝手に調子に乗り始めているアカービィ。このまま放っておくと大抵ロクな結果にはならない。

みんなが席におとなしく座っている時、オービィがやってきた。
オービィ「レーン!まだいたいいたいいなの?」
アドレーヌ(オーくん!今来たら危ない、帰って!)
カービィ(そうだよ!未来ある君がここで終わったら両親も悲しむよー!)
準備を進めるアカービィに気づかれないように、カービィ達はオービィを追いやろうとした。
だがオービィは帰る気無し、それどころかアドレーヌに余計にくっついた。
オービィ「オーくんねぇ、レーンをまってたんだびょ。いっしょにいたいの」
アドレーヌ(あぁーもう知らないからねっ!)
そう言うとアドレーヌはオービィを持ち上げ、膝の上に座らせた。
やがてアカービィの準備も終わり、全てがスタンバイを終えた。

アカービィ「では、早速歌うぜ!」
大口を開き、マイクのスイッチを入れる。そしてスピーカーもオンになる。
しかし、彼らはアカービィの下手くそな歌以外のあるものに気がついた。
なんとオービィはこの雑音に近い歌が平気だったのだ。
いつものかわいらしい顔のままで普通に聴いている。これにはみんなも驚き、歌よりオービィの方に注目した。

アカービィ「あぁ〜〜〜〜、ヨーソロォォォォ!!! ……ん?」
やがてアカービィは、誰も自分の歌を聴いていないことに気がついた。
そのことに段々と腹が立ってきたアカービィは、マイクを地面に投げつけた。
アカービィ「だ、誰も聴いてないなら俺は帰る!!!」
怒って彼は帰ってしまったが、これも誰ひとりとして聞いていなかった。
カービィ「オービィってすごいんだね!」
アドレーヌ「私も知らなかったわ!オーくんはあの歌が平気だったなんて!」
メタナイト「…ところで、アカービィは?」
みんなは言われて初めて、アカービィがいないことに気がついた。
だが、周りを見ても彼の姿は見当たらない。
アカービィはまたまたバタービルディングのてっぺんで夕陽を見ていた。
今回はいじけてであるが…。

その後、オービィはみんなにしばらく英雄として可愛がられるのであった……。


END
page view: 1857
この小説を評価する:                   (5)