星のユービィVさんの小説

【〜星のカービィと愉快な仲間たち〜】第43話 バイバイミラー


ある日、ケケは家でクッキーを焼いていた。
たまには手作りおやつをみんなで食べようと思っての行動である。
ケケ「これでよし、いい感じに焼けたわ」
オーブンを開くと、辺りにクッキーのいい香りが広がった。
ミルククッキーやチョコチップクッキーなど様々なバリエーションがあった。
そのクッキーを袋に入れると、家を飛び出していった。

例によってみんなは秘密基地に集まった。
アカービィ「ケケの手作りクッキーかぁ」
メタナイト「たまにはそういうものもいいな」
デデデ「楽しみだな」
ケケは袋の口を開くと、皿の上にクッキーを出した。
だが……
ミービィ「ん?…思ったより少なくない?」
ケケ「えっ…」
ミービィ「だってホラ!」
皿を差し出しながらミービィは続けた。

ミービィ「枚数を数えるとせいぜい35枚ぐらいしかないよ、僕たちどのぐらい食べると思ってるのさ?」
カービィ「そうそう、これじゃ物足りないよぉ」
ケケ「えっと、ごめん…」
アドレーヌ「ケーちゃんが謝ることないわ、カービィ達が欲張りだからダメなのよ」
カービィ「誰が欲張りだって!?」

カービィが飛びかかろうとした時、秘密基地のドアが威勢よく開いた。
そこにはまた何かを抱えたパービィが立っていた。
パービィ「よっ!」
アドレーヌ「うわ出た!」
シービィ「久々に見たなぁ」
デデデ「またお前か」
リボン「今度は何をやらかす気ですか?」
せっかくの出番なのに、散々な酷評である。
しかし彼はそんなことを気にしないで持ってきた物を机の上に置いた。
ケケ「何これ?」

テッテレテ〜〜〜ン♪(注:ファンファーレ)
パービィ『バイバイミラー!』

リボン「バイバイミラー?」
また妙なネーミングの道具である。
パービィは道具についての説明を始めた。

パービィ「このバイバイミラーはその名の通り『倍々ゲーム式に物を増やすことができる鏡』なんだ。
例えばリンゴをこの鏡に写すだろ?そのリンゴは5分で2倍、10分で4倍、15分で8倍、20分で16倍とどんどん5分ごとに倍々に増えていくんだ」
アカービィ「へぇーっ」
アドレーヌ「で、何がしたいの?」
パービィ「そのクッキーをこの鏡で増やすんだ、そしたら5分後には70個になるんだぜ」
カービィ「よし、早速やろうよ!」
そう言ったカービィはクッキーを皿ごと持ち上げて鏡に写した。
それから5分待った。

5分後、カービィは鏡を覗き込んだがクッキーが鏡から出てくる気配はない。
しかし、突然クッキーの皿が光ったかと思うと次の瞬間、クッキーは皿ごと2倍に増えていた。
リボン「ほほほ、本当に増えた!!」
パービィ「な、すごいだろ?さて食べようぜ」
みんなはクッキーを楽しみながら味わった。3分と経たないうちにお皿は空っぽだ。
つい勢いに乗ったカービィは皿までバリバリと噛み砕いて飲み込んだ。
アカービィ「おいおい、皿まで食う奴があるかよ」
みんなが笑った、カービィ本人もニンマリと笑った。

それから数日後、カービィはおやつにメロンパンを用意した。
3時まであと1時間あったが、カービィは早く食べたかった。しかしメロンパンは1個しか用意していない。
カービィ「あぁー、早く食べたいなぁ。でもこれを食べたらもうおしまいだもんなぁ…」
ふと、ほんの5秒ほど考えたカービィはあることを思いついた。
パービィにバイバイミラーを借りるつもりだ。
早速カービィはパービィの家へと走った。

パービィ「…という理由で借りにきたのか。まぁ貸すことは構わんが、注意事項がある。増やしたものは…」
カービィ「わかってるよ、ちゃんとみんなで分けるさ。借りてくよー!!」
パービィ「あぁ違う!待て、カービィ!」
だが、時すでに遅し。カービィはフライトワープスターに乗ってどこかへと飛んで行ってしまった。
パービィも大急ぎでウィリーバイクに乗るとカービィを探しに出かけた。

一方その頃、カービィはデデデ城の中庭にいた。
カービィ「ここで空を見ながらのんびり食べるかなー」
早速ミラーでメロンパンを増やし始めた。5分ごとにメロンパンは次々と増えていく。
カービィは幸せな気分でメロンパンをほおばった。
その時、積み上げたメロンパンのうち、1つが転がり落ちてしまった。
そのメロンパンはどこかへ転がり続け、やがてどこへ行ったかわからなくなった。
カービィあーぁ、1個無駄にしちゃったよ。まぁいいか」
そういうと残りのメロンパンを全部口の中に入れ、カービィは城を後にした。

その日の夜、カービィはミラーをパービィに返すことを忘れていたのを思い出した。
渋々カービィはパービィの家へ向かった。
だが、途中でパービィの方がカービィの家へ向かって来ていた。
カービィ「あ、パービィ!ちょうどよかった、これを…」
パービィ「それよりお前、増やしたメロンパンは全部食べきったか?」
カービィ「いんや、1個地面に落してどこかへいっちゃった」
それを聞いたパービィは、大変なことになってしまったと思った。
カービィには理由がわからない。そこでパービィは説明した。

パービィ「あのミラーは倍々に増やすのをやめることができる、だがそれは食べ物の場合は増やしたものを全て食べきらないとダメなんだ!」
カービィ「…つまり?」
パービィ「つまりお前が失くした1個のメロンパンは今も……」


カービィ・パービィ「…増え続けてる!!」
こうなっては一大事、2人とも大急ぎでデデデ城の方へと走っていった。
だがパービィはあることに気がついた。デデデ城の様子がおかしい。
だんだんと近づいていくと、その理由がわかった。
なんと城のほとんどがメロンパンに埋め尽くされそうになっていた。
塔は傾き、壁にはひびが入っている。このままでは城が崩壊してしまう。
デデデ「そ、そこにいるのはカービィとパービィか!なんとかしてくれ、このままじゃ城がぁぁぁ!!!」
パービィなんとかって言っても、普通の処分法じゃメロンパンを全部食うしかないぞ!」
デデデ「えぇぇ!?それは無理だろ!」
ポピーブロスシニア「いくらカービィでもこれを全部は無理です、大王様が食べれるわけありません」
彼らの言うとおり、カービィにもこれだけのメロンパンは食べきれない、ましてやプププランド中の人が集まっても無理だろう。
食べている間にまた倍に増えていくのだから、一瞬で全て片づけないと追いつかない。
その時、カービィはあることを閃いた。

カービィ「みんな、準備はいい?
アカービィ「…ホントにやるのか?」
ミービィ「ふん、きっと後悔するよ」
カービィ「やかましい!メロンパンを片づけるには今しかない!」
と、どこかで聞いたようなやり取りと似たことを話した後、カービィ達は集まった。
カービィ、キービィ、ミービィ、アカービィ、アオービィ、シービィ、シャービィ、モービィ、チャービィ、レービィ、パービィ、オービィ。
色違いのカービィ達が大集結だ。
カービィの計画では、みんなで一斉に吸い込みをし、メロンパンを口に入れた後ギラウェア火山へ運ぼうというのだ。
そしてそのメロンパンを噴火口で焼きつくそうというわけだ。
壮大なスケールのような、あまりにもバカバカしいような作戦である。

カービィ「いっせーのーで!」
彼の合図を筆頭に、一斉に吸い込みが始まった。
城を埋め尽くしていたメロンパンはどんどん彼らの口へと吸い込まれていく。
やがて、メロンパンは全て彼らの口へと消え去った。
すぐにカービィ達はギラウェア火山に向かって走り出した。
そして噴火口に登ると、溶岩の中に向けて一斉にメロンパンを吐きだした。
メロンパンは溶岩に落ち、だんだんと焼けて消滅した。
これで一件落着、事件は無事解決……


デデデ「じゃない!よくもワシの城をめちゃくちゃにしおったな!」
アドレーヌ「そうよカー君!もうオー君は寝る時間なのに無理やり起こして!」
ポピーブロスシニア「周りの迷惑を考えるのです!」
みんなにこっぴどく叱られたカービィ。
もうおやつが少ないことに文句を言わないと誓ったのであった……。


END
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