星のユービィVさんの小説

【〜星のカービィと愉快な仲間たち〜】第42話 アドレーヌのしごとさがし


ある日、アドレーヌは複雑な気分だった。
デデデ大王はいつも忙しい、シービィもメタナイトもそれぞれ職を持ち働いている。
最近はケケでさえプププ宅配での仕事を始めたらしい。
それなのに、アドレーヌは仕事を持っていなかった。
アドレーヌ「私も働こうかなぁ…?」

町へ出てみたが、特に何も思いつかない。
そこへ、キービィがやってきた。
キービィ「やぁアドちゃん、どうかしたの?」
アドレーヌ「あらキー君、ちょっと聞いてくれる…?」
公園のベンチへ移動し、アドレーヌはキービィに仕事の話をした。
キービィは真剣に聞き、彼も何か仕事はないかと考えた。
アドレーヌ「どこか働けるところはないかしら…」
キービィ「…そうだ!確か西通りのラーメン屋でアルバイトを募集してるよ!そこで働かせてもらったらどう?」

かくかくしかじか、面接は割愛。
無事アドレーヌはラーメン屋でバイトをさせてもらえることになった。
店長のMr.ブライトがアドレーヌにいろいろ教えこむのを見てキービィは一安心した。
そしてキービィが帰ろうとした時だ。
突然、店内から皿が割れる音や客が騒ぐ声、そして悲鳴などが聞こえてきた。
次の瞬間ドアが開いたかと思うと、次々に客が外へ飛び出してくる。
キービィは何があったのか気になって店内を覗いてみた。

なんとアドレーヌが店内の机をひっくり返し棚を壊し、器を何枚も割ってしまってた。
Mr.ブライト「この…大バカ者が!たかがゴキブリぐらいでそんなに大暴れすることないだろうが!」
アドレーヌ「だ、だってゴキブリ大嫌いなんだもん…グスッ」
Mr.ブライト「とにかく、お前はクビだーっ!!」
キービィ(しまった、アドレーヌはゴキブリが大嫌いだったっけ。こういうとこは向いてなかったか……)

アドレーヌと一緒にキービィも途方に暮れたまま町を歩いていた。
キービィ「ごめんね、向いてない仕事紹介しちゃって」
アドレーヌ「いいのいいの、私が悪かったのよ」
2人は再び公園のベンチに座った。今度はどうするかを相談するためだ。
そこへ、ワドルディ達がやってきた。
ワドルディA「キービィにアドさんじゃないですか!こんにちはー」
アドレーヌ「こんにちはー。今日は買い出しにきたの?」
ワドルディB「はいー。お城の食材が少なくなってきたのでみんなで買い物に来たんですー。 …おっと、こんなとこで道草喰ってたら大王様に怒られちゃう。すみませんが我々はもう帰らないとー」
キービィ「バイバイまたねー!」
ワドルディ達を見送ったキービィとアドレーヌは、また仕事のことを考え、そして同時にあることを思いついた。


ポピーブロスシニア「…何、城で働きたい?一体なぜまた……」
キービィ「アドレーヌにも仕事が必要なんだよ」
ポピーブロスシニア「うーむ…、そうだな。厨房の仕事に手伝いがいる、そこをやってほしい」
アドレーヌ「ありがとうございます!」

デデデ城の厨房は、宮廷シェフであるコックンが取り仕切っている。
彼は料理の天才とも呼ばれており、町でレストランを経営しているコックカワサキとは昔、幼馴染だったらしい。
アドレーヌは支給されたコック帽とエプロンを着ると、厨房へと入っていった。
コックン「よく来たな、ポピーから話は聞いているよ。手伝いたいんだって?」
アドレーヌ「そうなの。こう見えても料理のレパートリーは多いわよ!」
コックン「……そんなに言うならばまずテストしよう。何か得意料理を作ってみろ、その味次第で採用か不採用か決める」
早速腕をふるう時が来た。アドレーヌは冷蔵庫を調べ、戸棚の中を調べた。
集めた材料はパンにニンジン、レタスやキュウリなどである。
これらの食材を使うアドレーヌの得意料理と言えば、彼女の好物であるサンドイッチである。

……5分後
アドレーヌ「はいできました!」
彼女はサンドイッチをきれいに皿に並べると、コックンに差し出した。
コックンは1つをつかみ、口に運んだ。
その様子を心配そうに眺めるアドレーヌ、果たして採用か不採用か……。
コックン「……うむ、それなりの腕はあるようだな。採用しよう」
アドレーヌ「あ、ありがとうございます!」
かくして、宮廷シェフ助手になったアドレーヌ。
今日の午後から早速仕事である。
コックン「デデデ大王様は晩ごはんにカレーライスを求めておる。夏野菜をたっぷり使った辛口カレーを作ってくれとの要望だ」
アドレーヌは意気込んだ。これでいい仕事をすればこれからずっと仕事のことやお金のことに悩まなくて済む。
コックン「…ただし、ピーマンは入れるなと言われた。大王様はピーマンが苦手だからなぁ。さぁ、早速始めるぞ!」

厨房はあっという間に忙しくなった。
アドレーヌが野菜を切り、コックンはスパイスの調整をしている。
米の準備も終わらせ、後はカレー粉を鍋に入れてしばらくすれば出来上がりである。
そこへワドルディCが入ってきた。
ワドルディC「あのー、コックン様。食材のことで少々お話が…」
コックン「よしわかった。アドレーヌ、カレー粉を鍋に入れて煮込んでおいてくれ。私の帰りが遅かったら大王様にお前がカレーを運ぶんだ、時間は午後7時だからな!」
そう言うとコックンは厨房を出ていった。

アドレーヌは1人になった。
ふと、デデデ大王はピーマンが苦手ということを思い出した。
アドレーヌ「何よ、大王のくせに嫌いな食べ物があるなんて。好き嫌いはよくないわ、ちゃんと食べなきゃ!」
そう言うとアドレーヌは、ピーマンをまな板の上に出し、細かく刻んだ。
そしてそれを鍋の中に放り込み、カレー粉を一緒に入れて煮込み始めた。
アドレーヌ「これで良し!後は煮込みあがるのを待つだけーっと☆」
彼女は嬉しそうに言った。自分はいいことをしたという実感があったからだ。
やがて、午後7時になったがコックンは戻ってこなかった。

アドレーヌは皿にご飯を盛ると、カレーをかけた。
それをお盆に乗せると、サラダと水を添えてデデデ大王の部屋まで運んでいった。
デデデ大王の部屋の前までやってきたアドレーヌは、一旦深呼吸するとドアをノックした。
アドレーヌ「食事を運んできました」
デデデ「その声はアドか?入ってもよいぞ」
ドアを開け、アドレーヌは堂々と部屋の中に入っていった。
そして持ってきたカレーライスを机の上に置いた。
アドレーヌ「ご注文通り、カレーライスを用意してきました」
デデデ「ほぉ、中々うまそうだな!」
そういうとデデデ大王はスプーンを握り、一口、また一口とカレーを口に運んだ。
だが……

デデデ「んむっ!?」
突然、デデデ大王の動きが止まった。
アドレーヌは一体どうしたのだろうかと思った。
デデデ「…ぴ、ピーマンが入っておるではないかぁ!あれほど入れるなと念を押しておいたのに、このバカ者が!!」
アドレーヌ「あ、あんなに細かくしたのにわかるなんて…!」
デデデ「やかましい!宮廷シェフ助手は取り消しだ、出て行けーーーっ!!」

アドレーヌ(私は正しいことをしたと思うのになぁ……)
空に一番星が輝き始めたころ、アドレーヌはトボトボと家路についていた。
その足取りは重く、ひどく落ち込んでしまっているのがうかがえる。
アドレーヌ「…やっぱり私に仕事は向いていないのかなぁ…?」
その時、町の方が騒がしくなっていることに気がついた。
大急ぎで行ってみると、ペンキ屋が屋根の塗り替え中に足を滑らせて転げ落ち、怪我をしてしまっていた。
よく見ると屋根も塗りかけのままだ。
バウンダー「あぁ、困ったなぁ。ペンキ屋があれじゃ誰が塗り替えをするんだ…?」
アドレーヌ「あのー…、私でよければ塗り替えをしましょうか?」
バウンダー「そうだね。アドちゃんは絵が得意だから、きっといい仕事ができると思うよ」
その言葉を聞いたアドレーヌの顔に笑顔が戻った。
ペンキ屋の道具を借りたアドレーヌは、勇んで屋根へと登っていった。


……翌日。

カービィ「ねぇキービィ、昨日は一日何をしてたの?」
キービィ「うん?アドちゃんの仕事探しを手伝ってたんだ。でも全部ダメだったんだってさ」
カービィ「ダメなの?だってほら、アレ見てよ」
そう言ってカービィが指差した先を見たキービィは驚いた。
いつの間にかアドレーヌはペンキ屋の手伝いを始めていたからだ。
町の人の話では、昨晩のアドレーヌの活躍を聞いたペンキ屋の主人が腕を見込んで手伝いをお願いしたとのこと。
キービィ「慣れないことを無理にやらせるもんじゃなかったか。やっぱり天職に就くのが一番だよ、アドちゃん!」
周りのみんなが、キービィの言うことに賛成した。


END
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