星のユービィVさんの小説

【〜星のカービィと愉快な仲間たち〜】第40話 さいこうのともだち


アドレーヌ「だからここはこうするんだってば!」
カービィ「いーや!僕のやり方で間違いない!」

ある日、カービィとアドレーヌが口喧嘩をしていた。
というのも、カービィがやっているゲームの進み方に対してアドレーヌがいろいろと口出ししてくるからだ。
カービィ「もう、うるさいなぁ!僕の好きなようにやらせろよー」
アドレーヌ「そういうわけにはいかないわよ、完璧にクリアするならしっかりとやらなきゃ!」
さすがに頭に来たカービィは、コントローラを置くと立ち上がって行った。

カービィ「うるさい!このデコ広ペチャパイ女、いい加減に黙れよ!!」
そう言ったカービィはアドレーヌの反論に耐える準備をした。
しかし、アドレーヌは何も言い返さない。
彼女はスッと立ち上がりそのままドアの方へと歩いていった。
そしてドアノブを握ると、カービィの方を振り返った。
アドレーヌ「カービィのバカッ!アンタなんて大嫌い!!」
そう叫ぶとアドレーヌは泣きながらカービィの家を飛び出していった。
カービィはただその場に呆然と立ち尽くしているだけだった……。

翌日、カービィは町でアドレーヌを探した。
しかしアドレーヌはどこにもいなかった。いつも彼女が寄っている本屋にも、ケケの家にも、メタナイトの家にもいなかった。
そこで、アドレーヌの家へ行ってみることにした。

アドレーヌの家のカーテンは全て閉められていた。ふとドアを見ると張り紙がしてあることに気がついた。
張り紙にはこう書かれていた。


――森へ行っています、探さないでください。  アドレーヌ――


夕方になっても、アドレーヌは森から帰ってこなかった。
カービィ(アドちゃん、まだ怒ってるのかなぁ……)
そう考えながら、カービィは一旦家に帰ることにした。
夜になって、カービィは眠ることができなかった。
アドレーヌのあの言葉がずっと頭から離れないのだ。

―アンタなんて大嫌い!!−

カービィ(ふん、何さ!こっちにずっと口出ししてきたくせに!)
そう呟くと、電気スタンドの明りを消し寝返りをうった。
だが、やっぱり眠ることができない。
それにだんだん涙があふれてきた。
カービィ(あれ、どうしたんだろう…。涙が止まらないよ……)


アドレーヌがカービィの前から姿を消してから3日が過ぎた。
さすがにメタナイトやケケ、アカービィ達も不思議に思い始めた。
ケケ「アドちゃんったら、3日前に私にオーくんを預けたっきり全く姿を見せないのよね」
アカービィ「アドレーヌのヤツを追いかけまわさねぇとなんだかすっきりしねえなぁ、俺は」
デデデ「昨日、捜索願を出そうかとワドルディ達と相談していたが…」
メタナイト「カービィ、何か心当たりがあるんじゃないのか?」
皆に問い詰められカービィはしぶしぶ、3日前に何があったのかを話し始めた。
それを聞いたみんなはカービィを責めた。

メタナイト「貴様と言う奴は…!」
リボン「そんなこと言うなんて…」
キービィ「ガッカリしたね、失望したね!」
アカービィ「お前、本当にアドレーヌを友達だと思ってんのか!?」

カービィ「……友達…?」
その言葉にカービィは戸惑った。
アカービィ「そーだ友達だ!おまえは俺達よりもたくさんアドレーヌと過ごしたんだろ?アドレーヌと冒険したんだろ?だったら俺たち以上に深いきずなが芽生えてるはずだろ!?
それなのにお前は何様のつもりでアドレーヌにあんなことを言ったんだ!?お前はアドレーヌのアドバイスが迷惑だったのかもしれんが、あいつはお前のためを思って言ってたんだろうよ!」
アカービィの言葉が次々と胸に刺さる。
カービィは思った。アカービィの言うとおりだ、自分とアドレーヌはアカービィ達と過ごした時間以上に過ごし、たくさん冒険した友達だ。
それなのになぜあんなことを言ってしまったのかと後悔しはじめた。

アカービィ「お前はそもそも友情のなんたるかを理解できていないというかなんというか……」
リボン「…カービィさんもう居ませんよ」
アカービィ「へ?」
ワドルディ「さっき森の方へ走って行きました」
キービィ「追いかける必要はないけどね」
ケケ「目的は、ただ一つね」


森の奥深く、ウィスピーウッズの根元にアドレーヌは膝を抱えて座り込んでいた。
もう3日3晩泣き続け、涙もほとんど枯れかけていた。
そんな彼女をずっと見ていたウィスピーウッズは、そっとアドレーヌに声をかけた。
ウィスピーウッズ「アドレーヌ…友達とケンカしたのかな?」
アドレーヌは声を出さず、そのままの姿勢で頷いた。
周りでサワサワと草木が音を立てる。とても静かな雰囲気だ。

アドレーヌの目の前にリンゴが落ちてきた。
見上げると、ウィスピーウッズが落とした物のようだ。
ウィスピーウッズ「おなかすいているだろう、食べなさい」
そうやさしく声をかけると、ウィスピーウッズは眠りについた。
アドレーヌはリンゴを拾い上げ、口にはこんだ。

リンゴは甘酸っぱく、きれいな赤色だった。
アドレーヌ「…おいしい」
一口、また一口とリンゴをかじる。
すると、だんだんと涙があふれてきた。
アドレーヌ(なんだろう、このリンゴの味…前にも食べたことがあるような……)
それは今から4年前、アドレーヌがカービィ達と仲良くなってから2カ月ぐらいが過ぎたころ……

カービィとアドレーヌが森で遊んでいた時、奥の方まで入りすぎてしまい道に迷ってしまったとき
偶然このウィスピーウッズがいる広場へとやってきた。
2人ともおなかがすいていたし、だんだんと空が暗くなってきて不安になってきたとき、ウィスピーウッズは2人にリンゴをくれた。
そのリンゴは甘酸っぱく、きれいな赤色でとてもおいしかった。

アドレーヌ(あの時と同じ…)
だんだんとアドレーヌはカービィに会いたくなってきた。
また2人で一緒に遊びたい、また2人で一緒に冒険したい。そんな気持ちがこみ上げてきた。
アドレーヌ(カービィ…!)

「アドレーヌ!」

突然、後ろから声がした。
振り返るとそこにはあちこち傷だらけになったカービィが、息を荒くして立っていた。
アドレーヌ「カービィ…どうしてここに……?」
カービィ「あ、その…た、たまたま散歩しててここに来ただけだよっ!!」
もちろん、そんなのはただの照れ隠しに過ぎなかった。
カービィはそっとアドレーヌに近づいて言った。

カービィ「…ごめんね」
叩かれることを覚悟しながら顔を上げたカービィだが、アドレーヌは手を出さなかった。
彼女の顔には笑顔が戻っていた。
アドレーヌ「…こちらこそ、ごめんね」
2人はそっと近づき、そして抱き合った。

カービィ「これからも友達でいようね!」
アドレーヌ「もちろんよ!!」



END


これで第2シーズンは終了です。
次回から第3シーズンが始まります(もちろん通番です)
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