星のユービィVさんの小説

【〜星のカービィと愉快な仲間たち〜】第39話 アドレーヌに休日を!(後編)


前編までのあらすじ
【カービィ達はアドレーヌにお休みをあげようと、彼女の力無しで2日間過ごすと決めた。 しかし初日から暗礁に乗り上げたのだった…】

未だにズキズキ痛む頭を押さえながらカービィはベッドから起き上がった。
カービィ「やれやれ、ひどい目に遭った」
オービィ「カァーィ、おはぉー!」

それからオービィはアカービィを、リボンを、キービィを起こしに行った。
みんなフライパンで頭を叩き、無理やり起こしてきたようだ。
アカービィ「オービィめ、思ったより過激だなぁ」
アオービィ「きっとアドちゃんに似たんでしょうよ」
ケケ(そーじゃないと思うけど…)
とりあえずいつもの仲間たちはいつも通り秘密基地へ集まった。
今日はみんなで宿題を片付けようということになっているのだ。

ミービィ「でも宿題なんてめんどくさいよねぇ」
リボン「そんなこと言わないでがんばりましょうよ」
そう言うと、早速彼らは机の上に道具を広げた。
今日の宿題は、リンゴのスケッチ。 一見簡単そうだが鉛筆のみで影やら何やら細部まできっちりやらなければ失格だ。
絵にかけては不器用なカービィ達にはこれは難しい問題だった。
カービィ「えーと、影ってどうすればよかったっけ? ねぇアドちゃーん!」
アドレーヌを呼んだカービィだが、返事はない。
すぐ横で遊んでいたオービィは、カービィの言葉を聞いて言った

オービィ「ねぇ、レーンはねぇ、きょうおやすみでしょ?」
カービィ「あ、そうだった…」
アカービィ「バカだなぁ、1歳児に指摘されてどうするんだよ?」
カービィ「バカって言うなバカのくせに」
つい頭にきて言い返したカービィだったが、相変わらずの素直すぎさ、そしてつい言ってしまうという癖から逆にアカービィを怒らせてしまうことになった。
アカービィ「バカのくせにだとぉ!? お前こそバカじゃねぇか!!」
カービィ「そんなことないよ! バカって言った方がバカなんだよ!」
アカービィ「あー今バカって言った、バーカバーカ!」
カービィ「お前も今バカって言ったぞこのバーカ!」

お互い罵り合いが進み、だんだん手に負えられない状態になってきた。
いつもならアドレーヌがすぐに止めてくれるため、ここまでひどくなったことはない。しかし今日は止めてくれるアドレーヌが居ないためひどい状態になってしまった。
ケケ「2人ともやめなさいよ、ケンカはよくないわ!」
キービィ「そうだよ、いい加減にしなよ!!」
しかし、いくら2人が呼びかけてもカービィとアカービィがケンカをやめることはなかった。
それから2時間後、ようやく2人は疲れを見せケンカを中断した。
アカービィ「やれやれ、久しぶりに思いっきりケンカしたぜ。…でも何か物足りねぇなぁ」
カービィ「そうだね、いつもだったらアドちゃんがすぐに止めるのに……」
オービィ「やっぱりレーンがいなきゃ、だめなのぉ?」

それからカービィ達はみなおとなしく一日を過ごした、明日の夕方になればアドレーヌは帰ってくる。
だからそれまで絶対に彼女の力なしで過ごしたかったが、今日はできなかった。

次の日、相変わらずオービィはフライパンでみんなを叩き起こす。
ケケ「ねぇオービィ、なんでフライパンで叩き起こすのよ?」
オービィ「レーンはねぇ、ふらいぱんをがんがんたたくの。でねぇ、おおきなおとがするからそれでオーくんもおきるの」
ケケ「…それはフライパン"を"叩いてるからでしょ?人の頭は叩かないのよ」
オービィ「そーなの?オーくんはじめてしったぁ」
ケケ(全く、なんて子よ…)

それから今日はケケがみんなを起こし、いつも通り秘密基地へ集まった。
カービィ「さて、宿題は昨日済ませたし今日は何する?」
オービィ「レーンのおむかえにいくー!」
リボン「アドさんはまだ帰ってこないわよ、オービィ」
ミービィ「じゃデデデ城に遊びに行こうよ!」

ミービィの意見を採用し、みんなはデデデ城へ向かった。
城門を堂々とくぐり、デデデ大王の部屋までやってきた。
デデデ「…久しぶりの出番なのは嬉しいが、お前たちはなぜここへ?」
ポピーブロスシニア「大王様はお仕事で忙しいのです、あなた方にかまっているヒマなんてありません」
アカービィ「なぁちょっとだけ、ちょっと城の中でかくれんぼするぐらいいいだろ?」
デデデ「うーむ……しょうがない、ちょっとだけだぞ。ただし部屋に急に来るなよ」
カービィ「やったぁ!」

デデデ「さて、やっと厄介払いができた。仕事に戻るか」
そういうとまたデスクに座り、たくさんの書類を広げた。
いくつかはアンケート、いくつかは国民の声、そしていくつかは苦情である。
デデデ大王はこれらに目を通し、それぞれの要望にこたえたり話を聞いたりするのが仕事だ。
早速ペンと印鑑を用意し、仕事を始めたが……

デデデ「…何の用だオービィ?」
ドアがそっと開いたかと思うと、オービィがデデデ大王の部屋に入ってきた。
そして置時計を開くと、振り子の隅っこに縮こまった。
オービィ「いまねぇ、かくれんぼしてるの。だからかくれてるの。ないしょにしてね」
デデデ「全く…しょうがないな」

その頃……
アカービィ「見っけたぜ!食いしん坊のカービィのことだ、きっと厨房にいると思ってたぜ!」
カービィ「あーぁ、見つかったか」
厨房の大鍋からカービィが姿を現した。なぜか口の周りにカレーがついていたが。
さりげなくアカービィも机の上にあったリンゴを口の中に放り込むとさっさと厨房を出ていった。
アカービィ「次はシアタールームへ行くぜ」
カービィ「どうして?」
アカービィ「木を隠すなら草の中だ」
カービィ「…木を隠すなら森の中でしょ」

シアタールームではケケが見つかった。
黒い服ならば暗室にいれば見つからないと考えたのだろう、しかしアカービィの無駄知恵には負けてしまったようだ。
ケケ「アカービィったら、探すの強すぎ!」
アカービィ「へへっ、後はオービィだけか。あいつの体格を考えると……」


アカービィ「やっぱデデデの部屋の置時計の中だよな」
デデデ「だから部屋に急に来るなと言っただろっ!」
ことごとくアカービィは全員見つけ、かくれんぼは無事に終了した。
ところが……

ポピーブロスシニア「大変です大王様、厨房のカレーがありません!」
デデデ「なんだって?晩飯を楽しみにしてたのに…。……誰だカレーを食っちまったのは!?」
カービィ「ごめん…」
そっとカービィが手を挙げた。その手は若干震えている。

デデデ「貴様、許さん…。マジで許さんカービィ……」
カービィ「だ、だっておなかすいちゃったんだもん」
デデデ「カービィ、貴様は……」


「やっぱり私がいないとみんなダメみたいね」

突然、部屋の入り口から声がした。
見るとなんと、アドレーヌとメタナイトが立っていた。
リボン「アドさんとメタナイトさん!帰ってきてたのですか?」
メタナイト「あぁ、みんなにお土産を買ってきたんだが見当たらなくてな、シービィに聞いたらここだと教えてくれたんだ」
アドレーヌ「それより聞いたわよ!またケンカしたんですって?勝手にカレーを食べたんですって!?全く、あなたたちには本当に呆れたわ!前から言ってるでしょ?勝手に人の家の食べ物を食べちゃだめだって、それに……」
アカービィ「あーぁ、うるさいなぁ」
ミービィ「でもやっぱりアドちゃんが叱ってくれるのを聞くと安心するよね」
それを聞いたアドレーヌは、ちょっとだけ笑顔になった。
そこへ、カービィが口をはさんだ。

カービィ「でさぁアドちゃん、お土産は?」

アドレーヌ「…カーくん!その前にあなたはカレーを食べたことを謝りなさい!」
カービィ「ごっ、ごめんなさぁいぃ!!!」

結局、カービィたちはアドレーヌがいなければまだまだ子どもっぽいということがわかった。
でも彼らはアドレーヌに休日をあげたことを誇りに思い、これからも何かお礼をしたいと心の中で思ったのであった……。


シービィ「にしても、土産の羊羹美味いな……」



END
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