星のユービィVさんの小説

【お題小説】オリハルコンの使い道(第1回エピソードパズル参加小説)


今から2年ほど前、カービィはマジルテの探索をし数々のお宝を持ち帰ってきました。
そのお宝のほとんどはクラウディパークのトレジャーショップで換金されましたが、たった一つだけは買い取られずカービィの家で埃をかぶって眠っていました……。


そんなある日のこと__

アドレーヌ「ほら、早く片づけちゃいましょう!」
カービィ「わかったよ〜。 でもなんで今大掃除なんてやらなきゃいけないの?」
アドレーヌ「汚ない部屋で梅雨を迎えたらあちこちカビだらけになるわよ…」

カービィは仲良しのアドレーヌと一緒に、家の大掃除をしていました。
なんでもアドレーヌの話によると汚ない部屋のままで梅雨を迎えると部屋中がジメジメしてカビが生えるとかなんとかいうらしいのだ。
そんなの僕はどうでもいいさ、カービィだし などとつまらないボケを心の中で呟きながら渋々棚の上の段ボールを手に取った。
その時、隣の段ボールが傾いたかと思うと角からアドレーヌのつま先の上に落ちた。

アドレーヌ「!★○△※?#&☆」
声になっていない謎の悲鳴を上げながら片足を抑えて跳ねまわっているアドレーヌをよそに、カービィは落ちてきた段ボールを覗き込んだ。
カービィ「あ、僕が持ち帰ったお宝の残りだ! こんなところにあったなんて…」
ようやく痛みを抑えたアドレーヌも段ボール箱を覗き込むと、そこには美しく輝く金属体が入っていた。

アドレーヌ「あら、これって確か幻の金属『オリハルコン』よ」
カービィ「オリハルコン? 確かゲーム画面にもそうやって出てたねぇ」
アドレーヌ「…現実とフィクションをごっちゃにしないでよ」

とりあえず掃除は済んだが、換金することができなかったこの金属をどうすればいいのかに悩んだ。
オリハルコンは昔々の文献に残る「神に与えられしもっとも硬い銅系の合金」であるらしい。
そんなものがのんびり屋で食いしん坊なカービィの家に眠っていたとは少々信じがたい。 いや、そもそもこれはカービィがマジルテから持ち帰ってきたものなので出所は不明だ。

そこでデデデ大王に相談してみることにした。
一応大王だ、何かいい処分法を知っているかもしれない。

デデデ「…あいにくだがワシもオリハルコンの処分法は知らん」
あっさり断られた。 まぁオリハルコンなんて滅多に見るものではないし、元々何なのかの真相も謎なので当り前であろう。
カービィ「困ったなー、これいつまでもあると邪魔なんだよね」
デデデ「いや、待てよ? そうだな…」

その後、デデデ大王はメタナイトに相談してみたらどうだと教えてくれた。
カービィもアドレーヌもそれはいい考えだと思った。 絶対に刃こぼれしない宝剣「ギャラクシア」を所有しているぐらいだ。
きっといろいろな金属にも詳しいだろう。

ところが、オリハルコンのことを聞いたメタナイトはギャラクシアで切りつけてみようと言いだした。
なんでも切り裂くことができるギャラクシアならばオリハルコンの有効な使い道も見つけられると思ったのだ。
メタナイト「よし、準備はOKだ。 カービィとアドレーヌさんは離れていてくれ」

二人は言われた通り木の陰に隠れ、そっとメタナイトの方を見た。
メタナイトは神経を集中させ、気合を入れながらオリハルコン目掛けてギャラクシアを振り下ろした。


キィィィィンッ!!!


と、甲高い音が辺りに響いた。
カービィはそっと木から離れると、オリハルコンに近づいた。
アドレーヌもそれに続いた。

カービィ「…傷一つついてないよ」
確かにオリハルコンには傷も何もついていなかった。 今までと同じく、新品同様だった。

その時、アドレーヌが悲鳴を上げた。
彼女の指さす方を見ると金色の金属片が落ちていることに気がついたようだ。
それを見たカービィも、ハッとしてメタナイトの剣を見る。
なんと絶対無敵を誇る宝剣ギャラクシアが刃こぼれしていた。
今までどんなものを切っても、絶対に屈しなかったギャラクシアがついに負けたのだ。
メタナイト「……予想通りだな」
アドレーヌ「予想って、ギャラクシアが負けるってこと…?」

メタナイト「いや…。 ギャラクシアを加工するために必要だった合金だ!」
カービィ「…へ?」

何が何やらわけがわからないカービィは首をかしげたが、メタナイトが説明し始めた。

メタナイト「こないだ、俺は鍛冶屋へ行ったんだ。 ギャラクシアもだいぶ使い込んだからそろそろ調整をしようと思ってな。
だが店側が加工用の合金を使い切ってしまったらしく鍛え直すことができなかったんだ」

アドレーヌは何を言いたいのか納得し、カービィはまだ分からずじまいだ。

メタナイト「店の親父は、新しい合金を持ってこれば鍛えてやるといったんでな。 何かいい合金を探してたんだ。
そこへ丁度お前がオリハルコンを持ってくてくれたんだよ。 とりあえず今のギャラクシアでテストをして硬さを確かめた」

アドレーヌ「で…、OKなの?」
メタナイト「もちろん、OKだ! これでギャラクシアがパワーアップする」

そう言うとメタナイトはオリハルコンの塊を抱えてクラウディパークへと向かった。
呆然と立ち尽くすカービィと、なんとなく納得したアドレーヌを残して…。


後日、メタナイトのギャラクシアは鍛え直され今まで以上に硬く、強くなったそうな。
しかし普段から剣を使うことがないので切れ味を試せず少々イライラしているらしい。 そこで…

カービィ「だーっ、嫌だってば!」
アドレーヌ「文句言わないの! オリハルコンを処分してくれたお礼にメタナイトと剣を交えてきなさいよ!」
カービィ「絶対負けるも〜ん! 勝てないよぉ!」
アドレーヌ「勝てなくていい! というかむしろ今回は負けて!」

メタナイトとの剣の対決を嫌がるカービィを引きずりながらアドレーヌが言った。
とりあえずこれで万事解決とばかりに満面の笑みを浮かべながら……。



END
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