星のユービィVさんの小説

【〜星のカービィと愉快な仲間たち〜】第34話 メタナイトのしっぱい


ある日、メタナイトはデデデ大王の代わりに大王の仕事をやることになった。
別に絶対にメタナイトでなければいけないという理由はなく、だたメタナイトがいたから任せられただけなのである。
もちろんメタナイト自身もそんなに深く考えずに目の前の書類に目を通し、適当に積み重ねていった。
ところが…

翌日、プププタウンでは大騒動が起きていた。
信号がめちゃくちゃに動き、各家庭への電力供給は全てストップ。
おまけにいくつかの会社も倒産する始末であった。
これらは全て昨日の書類の分別ミスで起きた事件である。
しかしデデデ大王は昨日は書類に目を通しておらず、またこの騒動の発端を何も知らなかった。
そして、昨日代理を頼んだメタナイトのことを思いだし、彼の家へと向かった。

だが、家に行ってもメタナイトはいなかった。
どこかへ逃げてしまったのかもしれないと思ったデデデは、ワドルディ軍団を呼び寄せた。
デデデ「全力を尽くしてメタナイトを探し出すのだー!」
ワドルディ達「おー!!」

その頃メタナイトはというと、ウィスピーの森までやってきていた。
ここに隠れれば見つかることはまずない。
入り組んだこの森は主であるウィスピーウッズや森の動物たち、そしてよく絵を描きに来るアドレーヌしか詳しい道を知らない。
なので悪く考えればメタナイト自身も道に迷ってしまうかもしれないのだ。
しかし、今はそんなことはどうでもよかった。 自分が真面目に仕事を行わなかったせいで町がメチャクチャになってしまったことを考えていたからだ。

メタナイト「もしも見つかったら、俺は犯罪者。 捕まったらアドレーヌさんともう二度と会えずにさびしく死ぬのか…。 それは嫌だ!」
などとぶつぶつ独り言を言いながら森の奥まで進んでいった。
すでに方角を見失っている。 元々自分がどこから来たのかもわからない。
いざとなったら飛んで脱出すればいいと考えながら進んでいくと、やがて大きな切り株がある広場へと出てきた。

切り株の上に登ればいくらかは周りの様子を把握できるだろうと思い、しっかりとしがみついた。
しかし思ったより滑りやすく、皮の手袋をつけたままでは登れなかった。
ふと裏側を見ると、梯子がかけてあるのに気がついた。
メタナイト(なんだよ…、こんなものがあるじゃないか)

梯子を慎重に登ると、切り株の上でアドレーヌが昼寝をしていた。
相変わらず安らかで無邪気な寝顔である。
メタナイトはちょっとだけアドレーヌを観察していくことにした。
彼女は寝返りをうち、メタナイトの方に顔を向けた。
もちろん本人にそんな意思があるわけではなく、ただの偶然であるが。
よく見たら、アドレーヌの頬は少し赤く染まっていた。
時々赤ん坊のようなしぐさもするため、おそらく母親に甘える夢でも見ているのだろう…。
見ていたメタナイトもだんだんと眠くなってきた。
しかし、例の事件のことを考えたらそれどころではない。


と、その時だ。

ワド吉「メタナイト、発見しました!!」
後ろからワドルディ軍団隊長、いつもカービィ達と一緒に遊んでいるワドルディ、ワド吉の声がした。
ついにメタナイトは見つかってしまったようだ。
やがてデデデ大王もやってきた。
デデデ「メタナイト! どういうことか説明してもらおうか!」
メタナイトはそっと切り株から降りると、覚悟を決めた。
正直に全てを打ち明かし、自首することにしたのだ。

メタナイト「すまない、俺は大王の仕事を深く考えずに適当にやってしまった。 この罪は必ず償う…」
たったこれだけのことしか言えなかった。
しかし、彼はすでに後戻りはできないことをわかっていた。
これでよかったんだ。
アドレーヌさんとは二度と会えなくなってしまうが、犯罪者の恋人という立場にならなくてすむのならば、自分はどうなってもよかった。

だが、それを聞いたデデデ大王は急に笑いだした。
何がおかしいのだろうか? 今回の事件は笑いごとではないのだが…。
するとデデデ大王はメタナイトにこう言った。
デデデ「ふっ、正直だなお前は。 アドレーヌのためを思って、そして自分の罪を素直に認める素直なところがいい。
したがって今回の件は特別に許す。 書類の方はワシが正しく直しておいた」
そう言い残すと、デデデ大王はワドルディ達と共に彼の前から去って行った。
メタナイトは唖然と立ち尽くしているしかなかった。
その後ろでアドレーヌが目を覚ましたが、彼女も何があったのかわからず呆然としていた。

かくして、今回の事件は真面目に終わろうとしていた。
だが…

デデデ「くそーっ! いつになったらこの森から出られるのだ!」
ワド吉「うっかり目印の準備を怠ってしまい、すみませんでした!」
森の中で迷ってしまった大王一行であった…。
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