星のユービィVさんの小説

【〜星のカービィと愉快な仲間たち〜】第22話 アドレーヌだらけ


ある星のきれいな晩のこと。
アドレーヌはそろそろ寝ようと思っていた。
緑の寝巻に着替え、スリープカービィの帽子をかぶりベッドに入った。
今日も楽しい一日だったと思いながらウトウトし始めたちょうどその時…

ドンドンと大きな音が聞こえて来た。
誰かが乱暴にドアをノックしているようだ。
アドレーヌ「こんな夜に誰だろう…」
せっかく寝ようと思っていたのに邪魔をされた彼女はしぶしぶドアを開けた。
そこにいたのはカービィ達だ。
なぜかみんな泣き顔だ。

アドレーヌ「あら、カービィたちじゃない。 どうしたの?」
カービィ「アドレーヌぅ…、僕たち宿題やってなかったんだよぉ」
アオービィ「明日学校があるのに…」
どうやらみんな宿題をやっていないようだ。
読者のみなさんは前日の夜までやってない悪い子にならないように気をつけてくださいね。
ふと、アドレーヌもそういえば明日は学校があることを思いだした。
そして大変なことに気がついてしまった。
アドレーヌ「あーっ! そういえば私もすっかり忘れてた!」
宿題を提出しないと教師に怒られてしまう。
おまけに今回は国語、理科に社会、算数とオンパレードだ。

キービィ「アドレーヌもやってないの?」
アドレーヌ「そうなのよ、今から終わらせないと」
アカービィ「じゃちょうどよかったぜ! 俺たちのも一緒にやってくれよ!」
アドレーヌ「…やってくれ? 一緒にやろうじゃなくて、やってくれ?」
アカービィ「あぁ、というわけで…」
というと彼らはノートとワークを無理やり手渡して走り去ってしまった。
カービィ&キービィ&ミービィ&アカービィ&アオービィ「後はよろしくね!」
アドレーヌ「ちょ、ちょっと待ってよ!」
ミービィ「明日の朝に取りに来るから〜!」
最後にミービィがそう言い残し、彼らは見えなくなった。

仕方なく宿題を始めたアドレーヌだが、4教科×5人分なんて1人でできるものではない。
さらに眠気も重なってひどい状態だ。
本人はしっかりやっているつもりなのだが、いつの間にかノートの文字はめちゃくちゃになってしまったりもした。

アドレーヌ「あーぁ、こんなに1人でできるわけないじゃない。 私がもう少しいれば終わるのになぁ…」
ここまで言いかけて、ふと思いついた。
自分を描いて実体化させればいいじゃないかと。
そうすれば効率は良くなるし、自分自身だから文句も何もないだろう。

アドレーヌは早速自分自身を3人描きあげた。
ただし見わけがつかなくなると困るので、赤、橙、青の3色を基準にした色違いバージョンに変更した。
アドレーヌは早速絵の自分に言った。

アドレーヌ「さぁ、みんなで宿題を終わらせましょう」
ところが、絵に描いた自分はどうも乗り気ではないようだ。
赤アドレーヌ「…なんで? アタシはもう死ぬほど眠いんだよ!」
橙アドレーヌ「あなた労働基準法って知ってる?」
青アドレーヌ「もう眠いよぉ、早く寝させてよ」
アドレーヌは、なぜみんな言うことを聞いてくれないのかわからなかった。
まさか自分が今までこんな人間だったのだろうかと、つい考え込んでしまったが、とりあえず始めることにした。

アドレーヌは自分の分を、赤はカービィ、橙はキービィ、青はミービィ、そして後の二人の分は4人で分けてやることにした。
現在時刻は0:26。
みんなは大急ぎで取りかかった。

青アドレーヌ「ねぇ、ここはどうやるんだっけ?」
赤アドレーヌ「馬鹿、マヌケ。 ここはこうやるんだ!」
彼女らはお互い教え合って進めていた。
どうやら4人は色を除く見た目はそっくりだが性格はぜんぜん違うようだ。
気のせいか赤はアカービィと性格が似てなくもない。
一方本物のアドレーヌ本人は眠気と闘っていた。
今日も忙しかったため非常に眠気がするのだ。
アドレーヌ「ね、眠い…」
橙アドレーヌ「ほら、パパッと早く寝ましょう」

橙アドレーヌに励まされ、なんとかほとんどの教科を終わらせた。
そして最後に残ったのはアドレーヌが最も苦手とする算数である。

幸いにも橙アドレーヌは他の3人より頭がいいのか、割り算以降もそれなりに解いていけた。
ところが後のアドレーヌたちは全く理解ができていない。
彼女らは頭に関しては何も変わっていないのだ。
橙アドレーヌ「ほら、みんながんばって!」
赤アドレーヌ「んなこと言ったってよぉ…」
青アドレーヌ「もう眠くて頭が回らないわ…」
みんな目の下に隈ができており、相当な眠気に襲われていた。
現在午前3時。
ペースがどんどん落ち始め、ついに手が止まりかけてしまった。
橙アドレーヌ「みんなしっかりしなさい! そんなんじゃ終わらないわよ!」
青アドレーヌ「うん、がんばるわ。 けど…」
赤アドレーヌ「おい、本物! あんたも何か言いなさ…」
3人は振り返って、初めて気がついた。
いつの間にかアドレーヌは1人だけ眠ってしまっていたのだ。
宿題もやりかけだし、他の3人の事は何も思ってなさそうだった。

赤アドレーヌ「こ、こいつ…、アタシたちに労働させたうえ自分は眠りやがって…」
そういうと彼女は、突然懐からノコギリをとりだした。
青アドレーヌ「アドレーヌ危ない!!」

青アドレーヌの呼びかけで目を覚ましたアドレーヌは、目の前にノコギリを持って立っている赤アドレーヌに気がついた。
アドレーヌ「なな、何よ、何するつもり!?」
赤アドレーヌ「アンタみたいなやつが本物ってことが頭に来たのよ!」
おびえるアドレーヌに向けて冷たく言い放つと、赤アドレーヌはノコギリを振りかざした。

アドレーヌはとっさに避けると家の外へと逃げ出した。
しかし赤アドレーヌは逃がすまいと追いかけてくる。
赤アドレーヌ「ヤロゥ、ぶっ殺してやる!」
アドレーヌ「きゃぁ! 自分殺しぃ!!」
橙と青も大急ぎで追いかけた。 もう宿題どころではない。

アドレーヌはいつもの逃走ルートの裏路地を駆け抜けた。
ところが赤アドレーヌは見失わずぴったりとついてきた。
相手も自分なので道がばれてしまっているのだ。
こうなってはもう今まで行ったことがない道に入るしかない。

ところが、新しい道に入りしばらく進むと行き止まりに着いてしまった。
アドレーヌ「あぁ、どうしよう!」
振り返るとそこには、既に赤アドレーヌも来ていた。
顔は狂気にあふれ、怪しく笑っている。
どうやら眠いため余計に気が荒くなっているようだ。
赤アドレーヌ「追いつめたぞ…。 さぁ、覚悟しな」

最初の気分はどこへやら、アドレーヌはもう最悪の気分だった。
カービィ達に宿題を押し付けられたうえ、そのせいで命のが危ないのである。
自分の悪運体質は自覚してはいるがここまで行くのも厳しいものだった。
アドレーヌ(あぁぁ、もうダメ…)
とうとう気が遠くなり、失神してしまった。
そしてそれをチャンスとばかりに赤アドレーヌが飛びかか…


ろうとしたが
青&橙「やめなさーい!」
二人に足をつかまれてそのまま転んでしまった。
コンクリートの地面に激しく顔面強打。 これは相当厳しいものであった。
やがて橙アドレーヌの説得でとりあえず赤アドレーヌも争いをやめ、家に戻ることにした。
アドレーヌも目を覚まし、今度は真面目に宿題をやることにした。
みんなで力を合わせて進め、ようやく宿題が全て終わった。

アドレーヌ「というわけでようやく宿題が終わりました! さぁ、みんなはもう寝てもよろしい!」
とりあえず宿題も終わらせることができたのでアドレーヌはすっかり気分を良くしていた。
ところが3人は相変わらず不満そうだ。
橙アドレーヌ「なにが寝てよろしいですか?」
青アドレーヌ「途中で私たちだけにやらせておいて…」
赤アドレーヌ「自分は寝てやがったくせに…!」
アドレーヌ「あ、あれ?」

アドレーヌが次に言葉を発する前に3人はアドレーヌに飛びかかった。
彼女の態度についに我慢の限界が来たようだ。
3人の自分に殴られ蹴られ、噛みつかれて結局散々な結果に終わってしまった。
さらに運の悪いことに、カービィ達が宿題を取りにやってきた。
カービィ達は目の前で繰り広げられる、4人のアドレーヌの闘いに目を丸くした。

カービィ「…」
アカービィ「…なんだこりゃ?」
キービィ「2Pレーヌと3Pレーヌと4Pレーヌがアドレーヌを攻撃してるよ」
ミービィ「夜の間に何があったんだろうね?」
アオービィ「さぁ…」

アドレーヌ「もう、みんなは今度から宿題は自分でやってよね!!」
2P&3P&4Pレーヌ「話を逸らさない!!」
結局、アドレーヌは今日も遅刻に終わってしまったのであった…。


END
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