星のユービィVさんの小説

【〜星のカービィと愉快な仲間たち〜】第18話 こそだてのアドレーヌ


ある雨の日のこと。
1人の少女が頭に手をやりながら公園を駆け抜けていた。

アドレーヌ「全くもう、急に降りだすんだもん。 何よあの天気予報は!」
本日は一日中晴天、それが今日の天気予報の結果だ。
ところがあいにく午後から雨が降り出したのだ。
アドレーヌは雨が止むまで公園に置かれた土管の中に入り込んだ。
ところが、そこには先客がいた。

アドレーヌ「あら、子猫…」
土管の中には段ボール箱が置かれており、その中には3匹の子猫が入っていたのだ。
1匹は白、1匹は黒、最後の1匹はぶち模様だ。
アドレーヌ「かわいそうに、誰かが捨てていったのね」

ここ最近、公園に捨てられたペットがいることがある。
先日アカービィが池にラジコンボートを浮かべに行ったとき水中にワニがいたこともあった。
それだけ深刻な問題なのだ。
アドレーヌ「この猫たちどうしよう、見捨てていくわけにはいかないわ」
そういうと彼女は段ボール箱の蓋を閉め、自分の服で濡れないように覆うと雨の中を走りだした。
この際もう汚れることはもうどうでもよかった。 子猫たちの事を考えたらそんなことはちっぽけなことだと気がついたからだ。

雨の中無事に家までたどり着くと、すぐに暖炉に火を入れた。
体が冷え切っていた子猫たちは温かい暖炉の前に集まると体を寄せ合って丸まった。
アドレーヌはそれを見届けた後、自分もベッドに入って休むことにした。

もちろん、濡れた体のまま寝てしまったため翌日彼女は熱を出した。
それでも猫たちのことが心配だったので無理をしていつも通りに起きてきた。
子猫はソファの上で眠っていたが、アドレーヌが来たのに気がつくとみんな彼女の元に集まってきた。
まるでアドレーヌを母親だと思っているようだ。
アドレーヌ「まぁ、かわいい。 ふふっ」
彼女にとって、小さな猫がいるこの家が癒しの空間に思えた。

数日後、アドレーヌは自分の食事を抜きその分を猫たちに与える生活を続けていた。
困っている人のためなら自分のことは後回しという彼女らしいところでもあった。
そこへカービィ達が遊びにやってきた。

カービィ「アドレーヌ、こんにちは! 今猫飼ってるんだって?」
アドレーヌ「そうなの。 前に公園で見かけてね」
ケケ「みんなかわいいわね。 名前はなんていうの?」
アドレーヌ「えーと…」
そういえばこの猫には名前をつけていなかった。
そこでカービィ達は名前をつけることにした。

ミービィ「このぶち模様のはそのままぶちでいいんじゃない?」
アカービィ「じゃこの黒猫はケケな」
ケケ「なんで私の名前をつけるのよ!?」
アカービィ「だって耳がそっくりだからよ」
言われてみればケケの耳と黒猫の耳はよく似ている。
ケケもなんとなく納得した。

アオービィ「この猫、ケケの親戚だったりして」
みんなが笑いだした。 ケケ本人もおかしく思えた。
猫たちも嬉しそうに見える。

キービィ「でもケケだと紛らわしいし、ジジにでもすれば?」
カービィ「どっかの宮崎アニメか!」
キービィ「いや、原作は児童文庫だよ」
カービィ「あ、そうなの?」
ケケ「じゃクロでいいでしょ」
そうですよカービィ君。 あの話の原作は児童文庫です。
とりあえずぶち模様の猫はぶち、黒猫はクロという名前に決まった。

アドレーヌ「じゃぁ白猫は?」
モービィ「この流れで行けばシロという名前だな」
カービィ「なんでお前がいるんだよ!」
モービィ「心配するな、俺1人だ。 それに俺はシャドーズで一番目立ってないからな」
出番目当てで登場ですかモービィ君?

そんなこんなで子猫たちの名前は決まった。
アドレーヌはより一層子猫たちをかわいがるようになり、最近は本で猫についても調べていた。
アドレーヌが外に出かける間はソファでおとなしくしており、帰ってくると喉を鳴らしながらアドレーヌに寄って来てくれる。
またアドレーヌが寝ようとすればベッドにも来てくれるのであった。
彼女が猫を名前で呼ぶと、ちゃんと近寄ってきてくれる。

アドレーヌ「シロ、クロ、ぶち。 ご飯よ」
と言ってキャットフードを出せば、子猫たちは集まってくる。
そしてアドレーヌの足元に体を寄せながらご飯を食べるのであった。
そんな猫たちに彼女は癒されていた。
アカービィにまた怒られても、シャービィ達に虐められても、猫たちが居ればまた元気になれる。
いつしか、アドレーヌは猫たちを自分の子供のように可愛がっていた…。


そんなある日のこと。
アドレーヌの家に1人の子どもが訪ねてきた。
どうやら猫を捨てて行った子どものようだ。
親も一緒に来ており、アドレーヌに事情を話した。 そして猫を返してほしいと言ってきた。

アドレーヌ「…そうですか、話はわかりました」
そういうとアドレーヌは、足元に集まっている子猫たちに言った。
アドレーヌ「よかったわね、飼い主さんが迎えに来てくれたわよ!」
そして猫たちを抱きかかえると、飼い主さんたちに手渡した。

親子が帰って行くのを見送ったアドレーヌだが、玄関のドアを閉めると急に涙があふれてきた。
アドレーヌ(さよなら、シロ、クロ、ぶち…)
その様子を見ていたカービィたちはアドレーヌを元気づけようと思った。
カービィ「どうする?」
メタナイト「どうすると言ったって…」
ケケ「代わりの猫が居ればいいんだけど」

その言葉にカービィとメタナイトは反応し、彼女の方を振り向いた
カービィ&メタナイト「代わりの猫…?」
ケケ(な、何か嫌な予感…)


カービィ「ほら、代わりの猫だよー」
と言いつつカービィが差し出すのはケケである。
猫の耳があるという理由だけでカービィとメタナイトはケケを代わりの猫にしたのだった。
アドレーヌ「いい、いらない」
ケケ「その言い方はないんじゃないの!?」

結局、アドレーヌは他の猫を飼うことはなかった。
でも彼女はもう悲しくはない。
なぜなら、変なことをするにしろいつでも自分のことを気遣ってくれる最高の友達がいるのだから…。


END
page view: 2036
この小説を評価する:                   (5)