星のユービィVさんの小説

【〜星のカービィと愉快な仲間たち〜】第3話 さむがリングでだいこんらん


のんびりしたプププランドに、木枯らしがふきました。
秋も終り、冬が近づいているのです。

そんなことはお構いなしに遊ぼうとするカービィたちは、アドレーヌを誘おうと彼女の家に向かっていた。
カービィ「アドレーヌ、来るかな?」
アカービィ「俺が力ずくででも連れていくさ」
ミービィ「そうやってすぐ武力行使に走るね〜」

ところが、アドレーヌの家に来るとある異変に気が付いた。
妙に家の中が騒がしいのである

??「アドレーヌってば、少しは外で遊ばないと病気になっちゃうよ」
アドレーヌ「イヤーだ! 寒いから絶対に外へは行かない!」
???「そんなこと言わないでよ、せっかく来たのに…」


しばらくすると二人の女の子がアドレーヌの家から出てきた。
一人は妖精の女の子、もう一人は黒い服を着た女の子。
リボンとケケだ。

キービィ「どうしたの?」
ケケ「アドレーヌったら、寒がって外に出ようとしないのよ」
リボン「せっかく三人で遊ぼうと思ったのに」
アカービィ「なっさけないなぁ〜。 よし、俺が連れてくるわ」

アカービィはズカズカと家の中に入っていった。 そしてまたも論争が始まった。

アドレーヌ「嫌だ嫌だ嫌だ絶対行かない!」
アカービィ「いいから来やがれ、文句は言わせねぇぞ!」
アドレーヌ「絶対に嫌だ! こたつの中のほうがいいもん」

結局、アカービィの力ずくでも引きずり出せず。


カービィはとある悪友の元へと向かった。
昔から奇妙な道具を作ったり、怪しい実験をしている根暗人、パービィの家へ。

カービィ「パパパ、パービィ…、いる〜、かな?」
パービィを呼ぶカービィの声は震えていた。 なぜならこの家はいつも暗いし、周りには不気味な生物の標本やホルマリン漬けの動物、怪しい機械がたくさん置かれているからだ。
おまけに絨毯やカーテンはぼろぼろでカビ臭いところもある。

カービィ(よよよよく、ここんないい家に住んでられるよよななぁ……)

????「なんか用か?」
突然目の前の机の影から、暗い声をした人が現れた。
紫の体、毒々しい感じの眼、そして出っ歯… 彼がパービィだ。

カービィ「やぁパービィ。 君に頼みがあるんだ」
パービィ「頼みだって? 俺の素晴らしい発明品に用があるってわけか、うひゃひゃひゃひゃ」

さすがパービィ、普段危ない研究をしていても年下の頼みが理解できるようだ。

カービィ「そうなんだ、寒がりを直す発明品って何かない?」
パービィ「寒がりを直す? それなら確か…」

パービィは机の引き出しを開き、中をあさると一つのリングを取り出した。

テッテレテ〜〜〜〜ン(注:ファンファーレ)
『さむがリング!』
パービィはそのリングを「さむがリング」と呼んだ。 ネーミングはそのままである。

カービィ「さむがリング?」
パービィ「このリングは腕にはめるんだ。 これを腕にはめると…」
カービィ「わかった! 寒がりが治るんだね。 借りてくよ!!」

パービィ「あぁ、待てよ! 話を最後まで…」
しかし、カービィはすでにリングを持って外へと飛び出していってしまった。
パービィ「やれやれ、全くしょうがないやつだ」


再びアドレーヌの家に来たカービィは、さむがリングをみんなに披露した。

カービィ「このリングを腕にはめると、たちまち寒さがへっちゃらになるんだって!」
アカービィ「へぇ〜っ、ほんとかねぇ?」
珍しそうにリングを眺めるアカービィがつぶやいた。

そしてそのリングをアドレーヌに手渡した。
アカービィ「じゃ早速つけて外へ行こうぜ!」

みんなにせかされ、いやいやながらアドレーヌはリングをはめて外へと出た。


しかし、アドレーヌは寒くなくなったという感じはしなかった。 それどころか、余計に寒く感じるようにさえなっていた。

アドレーヌ「何これ…、ぜんぜん効果ないじゃないの。 それどころか余計に寒いし…」

ところが、アドレーヌが『寒い』と言った直後、リングが突然光りだした。
と同時に強い電流も流れだしたのだ。
もちろんリングをつけていたアドレーヌはただじゃ済まされない。 約100万ボルトの電流をもろに喰らっているからね。

約30秒後、ようやく電流が止まった。

アドレーヌ「何なのこのリングは! 死ぬかと思った…」
ミービィ「どうやらこのリングをつけて寒いって言うと電流を喰らうみたいだね」

と、ミービィが何気なく呑気に言った瞬間、またも電流が流れだした。
アドレーヌ「なんでなんでなんでなんで!? 私何も言ってないのに!」
カービィ「どうやら誰が言っても反応するみたいだね」
アドレーヌ「もう嫌だ、こんなの外しちゃえ!」

そう言って腕のリングに手をかけたが、リングはびくともしなかった。
いくら引っ張っても叩いても外れる様子はない。

その時、アカービィはあることを思いついた。
アカービィ(ちょっとアドレーヌに悪戯してやろうっと)

そういうとアカービィはわざとらしく大声で言った。
アカービィ「あ〜ぁ、今日はすごく寒いなぁ〜。 凍えるぐらい寒いよなぁ」

もちろんリングは寒いの言葉を聞き逃さないはずがなく、容赦なくアドレーヌに100万ボルトの電流を浴びせた。


やがて騒ぎを聞きつけたパービィがやってきて、アドレーヌとカービィに説明をした。

パービィ「このリングは寒がりが治る道具じゃなくて、寒がりを無理やり治させる道具なんだ。
それにこいつには音声認識システムがついていて、対象にする人物が声を登録しないと誰が言っても電撃を流すようになってるんだよ」

カービィ「どうしてそういうことを早く言わないんだよ!」
パービィ「お前が話を聞かずに持ちだしたんだろうが」
アドレーヌ「あのー…、これどうやって外すの?」
パービィ「あぁ、一晩経たないと外れないようになってる」


もう今日は家にいようと考えたアドレーヌは大急ぎで家路につくが、その途中でもいろんな人が寒いと言っているのが聞こえるため、途中でも散々な目にあってしまった。

こたつにもぐりこんだアドレーヌだが、ふと考えてみた。
アドレーヌ(そういえばこんなひどい目にあってんのも、元はといえばカービィたちのせいであって…)


その日の夕方、カービィたちはおしくらまんじゅうをして温まっていた。
アオービィ「やっぱり冬はこういうことしてあったまるのが一番ね」

そこへアドレーヌがやってきた。
アドレーヌ「やっほー、みんな! 私も入れてよ」
アカービィ「ピャー、珍しい。 寒がりが自分から出てきやがったよ」
カービィ「まぁいいじゃないの。 いいよー、一緒にやろう!」

カービィはスペースを空けてアドレーヌの場所を作った。
ところがそこに入ったアドレーヌはロープを出すとみんなも縛りひと固まりにした。

みんなはそのままでまたおしくらまんじゅうを始めたが、アドレーヌの口からとんでもない一言が出てきた。
アドレーヌ「はぁ、やっぱり寒いわよね〜」

カービィたちは一瞬「えっ」と思ったがその時、同時に自分たちがまずい立場にいることにも気が付いた。
100万ボルトの電流にカービィたちも巻き込まれたのである。

アドレーヌ「よくもさんざんな目に遭わせてくれたわね! こうなりゃみんなも道連れよ!!」

逃げ出そうにもロープで縛られているため身動きも取れず、ただただ一緒に痺れるしかなかった。

一同「もう寒さなんてこりごりだぁ〜〜〜〜!!!」


END
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