星のユービィVさんの小説

【〜星のカービィと愉快な仲間たち〜】第2話 ひみつきちをつくろう


今日ものんびりとしたプププランド。
しかし、カービィは不機嫌だった。

カービィ「全く…、みんな僕に責任を押し付けるなんてひどいよ」
前にシービィの家の庭で自分たちの町を作って楽しんでいたが、帰ってきたシービィに邪魔され、おまけにみんなはその計画はカービィの考えたものだとまで言って逃げてしまったのだ。
その後カービィは庭の掃除をやらされ、おまけにキービィの代わりにプラモの処分もやった。
しかし「自分がやったことの後始末をするのは当然のことだ」とシービィに言われてしまい、余計に腹が立っていた。


数日後、アドレーヌはおやつのシュークリームを用意していた。
町のケーキ屋で毎日数量限定で売られている極上の品で、アドレーヌはこれを買うために1カ月の食費を節約して、開店の5時間前から並んでいたという。
その苦労の末、4個買うことができたのだ。
アドレーヌ「さて、じゃ早速…」
ひとつを手に取り、楽しみつつ食べようと口に運んだ瞬間…

アカービィ「よーほぉ、アドレーヌ元気か?」
突然アカービィが窓から声をかけてきたのだ。 あまりにも急な出来事に驚いたアドレーヌは、勢いでそのまま丸のみしてしまった。
アカービィのせいで楽しみをひとつ棒に振ってしまったようだ。
アドレーヌ「ゲホッ…、な、何の用? 今私はそんなに暇じゃないんだけど」
アカービィ「いや、何やってるのかな―? と思って来てやったぜ」
別に来なくてもいいし、いやむしろ来てほしくないとアドレーヌは心の中でつぶやいた。
とりあえずアカービィにバレないようにシュークリームを口へ運ぶ。
食い意地のはっているアカービィのことだから、もしも見つかったら全部食べられてしまうだろう。
そう考えながら3つ目も食べ終わり、4つ目に手を伸ばしたが…

アカービィ「なんだ、シュークリーム食ってたのか。 残りの1個もらったぜ」
と素早く手を伸ばし、最後の一つを勝手に食べてしまった。
アドレーヌは茫然をし、しばらく何も喋らなかった。
アカービィ「お前の食い物は俺のもの、俺の食い物も俺のもの。 じゃ、ごっそうさんっと!」
どこかで聞いたようなセリフを残し、アカービィは立ち去ろうとしたが…

アドレーヌ「ちょっと待ちなさい」
出て行こうとするアカービィをアドレーヌが呼びとめた。
しかし声が若干低くなってる。 そして髪が少々震えていた。
アカービィ「なんだよ、なんか用があるなら早く言えよ!」
強気になって言うアカービィだが、振り返ったアドレーヌの表情を見た瞬間、彼の顔が凍りついた。
アカービィ(やべぇ、メチャクチャ怒ってる…。 今逃げないと確実に…)

コロサレル

そう本能が判断したアカービィは大慌てで家を飛び出した。
そしてそれを追いかけるかのようにアドレーヌも出て行った。
アドレーヌ「アカービィ待ちなさい!! シュークリーム弁償してよー!」
アカービィ「やだやだやだやだ待たない、待たないよーー!!!」
アカービィは必死に逃げていき、アドレーヌはそれを必死に追いかけた。

食べ物の恨みは恐ろしい、という言葉を改めて実感したアカービィであったがこの先どうしようか何も考えていなかった。
とにかく逃げ続けた。 商店街の裏路地にも入ったりしたし、他人の庭にまで勝手に上がりこんだ。
それでもアドレーヌは追いかけてくるのでアカービィはとりあえず、しばらく安全に隠れられるところを探すことにした。
思いついたのが、公園の隅っこにある高い茂みの中だ。
アカービィ「あそこほど隠れるのに好都合のところはなさそうだ。 ハチの巣とかなかったらいいんだけどなー」
などと考えながら茂みの前までやってきた。
一旦一息つき、慎重にもぐりこみ始めたが…

慎重に行動しようと一旦止まったのがまずかったのか、とうとうアドレーヌに足を掴まれてしまった。
アドレーヌ「つーかまーえた(怒)。 さて、どうしようかな?」
ところがアカービィのほうはそれどころではなかった。
何かを見つけたらしく、とても興奮しているようだった。
アカービィ「おいアドレーヌ、ちょっとこの中見てみろよ! スゲーぜ」
一旦怒りを鎮め、言われるままに茂みの中に入ったアドレーヌは、そこで驚くべき光景を見た。

なんと茂みの中にはとても広い空間があったのだ。 それに周りもしっかりと草木に囲まれ、入ってきた場所とポッカリ空いた天井部分以外は外からこの中は見えなさそうである。
これなら普通に一軒家が立てられそうなぐらいでもあった。
アドレーヌもシュークリームのことは忘れ、その不思議な場所に見とれていた。
と、突然アカービィの頭にあるアイデアが浮かんだ。
アカービィ「そーだ! ここに秘密基地作ろうぜ! 俺たちだけの秘密の空間をさ」
そう言い残すとアカービィは早速材料を取りにどこかへと行ってしまった。
一度言い出すと反対を押し切って勝手に行動するアカービィの悪い癖だ。


そのころカービィたちは家でトランプをして遊んでいた。
キービィ、アオービィ、ミービィの4人でババ抜きをしていたが、なぜか一向に終わる気配がなかった。
みんな読みが甘いので誰も最後の一つをそろえられていないのだ。
そろそろ痺れを切らしはじめたころ…

リリィィィィィン♪ リリィィィィィン♪

カービィ「あ、電話だ。 ちょっと待っててね」
そういうと彼は受話器を手に取った。
カービィ「はいもしもし、こちらカー…」
アカービィ『よぉカービィ、アカービィ様だ。 すぐに公園に来い。 以上!』

ガチャリ!!

ミービィ「なんだった?」
カービィ「アカービィから、公園に来いってさ」
とりあえずトランプもきりがなくなっていたので暇つぶしを兼ねて公園へと向かった。
アオービィ「アカービィのことだからどうせロクな事じゃないでしょうけどね」


公園にやってきたカービィたちはアカービィを探した。
しばらく経つとアカービィもカービィたちに気が付き、こちらへとやってくる。
その顔は相変わらずニヤついていた。 いつものことだ。
キービィ「僕らを公園に呼び出して、何の用?」
アカービィ「いいからついてらっしゃい」
みんなは、とりあえずアカービィに案内されるがままに例の茂みへと向かった。
アカービィ「ここが入り口だぜ」
そういうとアカービィは茂みの中へと入って行った。
カービィたちは顔を見合わせると、慎重に茂みにもぐりこんだ。


その先には、例の空間が広がっていただけではなく…
キービィ「小屋だ! こんなところに小屋が建ってるよ!!」
なんと3階建ての小さな小屋が建てられていたのだ。
屋根の上にはテレビのアンテナらしきものも立っている。
あちこちに打たれた釘の後は、いまいち雑だったがそれでも立派な建築だった。
アカービィ「俺とシービィの二人で建てた小屋だ、ここを俺たちの秘密基地にしようと思ってな」
自慢げにアカービィが言った。
アドレーヌ「元々私がアカービィを追いかけたから見つかった空間なんだけどね」
一応手柄があることを主張するアドレーヌ。
シービィ「アンテナもテレビも中古品だが一応修理済みだからなんとかなるだろう」
最後にシービィが付け加えた。
これでカービィたちはようやく誰にも邪魔されない自由な遊び空間を得られた…が


アカービィ「とりあえずみなさんから使用料金をいただこうと思いますね」

一同「金取るのかい!!」


END
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