大佐さんの小説

【戦士の憂鬱】Stage 2


星のカービィ second





そこに暗闇は有った。

鳴り響くブザー。いつまでも。いつまでも。

眠りに就いていた大王が目を覚ますまで。



「ああ、デデデだ」

携帯電話を取り、話し出すデデデ大王。寝起きのため、声色から不機嫌さが窺える。

デデデ「な、なんだって!? カービィがベジタブルバレーを……あのシャッツオ軍団を壊滅に追い込んだというのか!?」

だが、驚いたような声と裏腹に、デデデの口元は笑いを含んでいた。

暗闇は晴れることなく、ただ暗闇として在り続ける。





カービィは、崩壊したベジタブルバレーに居た。

「クラッシュの一撃は侮れんな……シャッツオ共が全滅している」

クー「おんどりゃカービィ! 何さらすんじゃアホ! 危うく焼き鳥or滅びの歌を奏でるところだったじゃないか!!」

上空から何か叫んでいるようだが、やはり図々しいカービィは開きなおる。

「お前がついてきたからいけないんだ」

クー「クラッシュで現状を打開してやったのは俺だぞオイ!!」

「ま、細かいことは気にしない」

クー「お前が言い出したことだぞ!」

「もう、ふくろうのヒステリーはみっともないぞ」

クー「ダメだ、話の歯車が噛み合わない……こいつと仲間やってくのやめようかな」

何気に本音であった。



「フロートアイランドだやっほーい!!」

リック無線で「絶対ベジタブルバレーから逆戻りする気無いな、コイツ」

クー無線で「今回はカインが一番適役だ、頑張れよ!」

カイン「おうよ」

「海! 焼けた砂浜! ちょこんと顔を見せる不発弾!!!」



カイン「リック。クー。現場より撤退する」

クー無線で「好きにしろ」

リック無線で「死ぬのはアイツだしな」



「と思ったら現れるポピー!」

ポピー「知ってのとおり、俺は爆弾魔だ……わかるよな?」

ポピーは凶悪な目つきでカービィを睨む。

「無論だが」

さらりと返すカービィには、かなりの自信が表れていた。

ポピー「それじゃ……死にな!!!」

ポピーは振りかぶって三つの爆弾を投げた。

一つ目はカービィの右横に。二つ目は左横。三つ目は頭上で爆発した。

「左に逃げさせて、飛び上がったところを爆風で包む……なかなかの腕前だな」

カービィは何のこともなく、後ろに飛び退ってこれを回避。

ポピーの爆弾は一体どこから発生するのだろう、という思考を僅かによぎらせて。

ポピー「すばしっこい奴だぜ……喰らえ! シェルブリッド・バースト!!」

「何!?」



カイン「おー、やってるやってる」

クー無線で「お前結構マイペースだな……」

リック無線で「カイン、カービィの様子はどうだ?」

カイン「うーん、言葉で言い表すと」



カービィの遥か頭上に大量の爆弾を投げるポピー。黒い物体が空を覆い隠すかのごとく飛び上がったそれは、重力に引かれ、空爆レベルの爆風をもってしてカービィに襲い掛かる。

「のはぁぁぁぁぁぁァァ!!!!!」

カイン「あー、魚類はゆっくり海水に浸かるべきだな」

リック無線で「助けろよ」

ポピー「ふっ、我が最強なる奥義の前では、ピンク色のボールも赤子同然だな」

「コピー能力を甘く見るなよ、火除けの指輪『アズ―――』」

ポピー「それ以上言うともっかい喰らわすぞ」

「そう、爆弾の波状攻撃にも耐えうる脅威のコピー能力がある」

カービィは、土煙の晴れる頃に現れた。

「第七のコピー能力、『ストーン』!!」

ポピー「どっかで聞いたことあるな、その言い方……」



カイン「あー、海水が気持ちいい」

リック無線で「やっぱお前帰れ」



ポピー「これは楽しくなりそうだぜ……」

「ああ、久しぶりに強敵だ。これからが本番だぜ!!!」



カイン「おっと、こんなところに鯨が」

鯨「オイ! 俺にはきちんと『ファッティホエール』という名前があるぞ!」

カイン「どうせボスだろ。消え失せろ」

カインが金色の光を発し始める。陸地では役立たずのカインも、水中では自称最強らしい。

クー無線で「うおおお! 無線がバグりはじめたぞ!」

リック無線で「うーん。磁場が乱れているぞ」

カイン「喰らえ! スパーク!!」

鯨「蛍光灯!? 電球じゃないのかぁ!?」

カイン「喰らえ! 水銀をその身に刻み込め―――!!!」

カインの口から、数十本の蛍光灯が飛び出し、鯨の頭上、左右前後で花開く(割れる)。

鯨「ぐあああああああああ!!!! 水銀が目にぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」

カイン「おっと、飛ばしすぎちまった」



ポピー「行くぞ! ボム三連投!」

「望むところだ! カッターで切り裂いてやるぜ!」

ポピー「でりゃああああああああ!!!」

そしてカービィが身構えた瞬間、ポピーとカービィが対峙する約4mほどの空間に、蛍光灯が落ちてきた。運悪くポピーの目の前でそれは開花する(破裂する)のであった。

ポピー「水銀と破片が目にぃぃぃぃいいぃぃ!!!!!」

そして、呆気なくポピーは崩れ落ちた。

刃物を手に持ち、目を点にしているカービィの目の前で。



リック無線で「やったなカイン!」

クー無線で「偶然だがまぁ結果オーライだな」



一瞬にして戦友(と勝手に思っている)を喪ったカービィは、ただ砂の上に立ち尽くすのであった……





時は動き続ける。いついかなる時も変わらず。

そして、カービィのライバルにして最強の敵が、今……



第三部へ続くような気がしないような気がするような気がしない(意味不明)