リョーマさんの小説

【BONDS OF FATE】第九話「REST」


 彗吾「それで俺は心臓付近を貫かれ、気を失った・・・。」

 ジェフ「・・・。」

 彗吾「出血多量で死ぬはずだった。しかし、荒れ果てた大地の上で目を覚ました。」

 ジェフ「・・・それで、何を思った?」

 彗吾「『何故生きてるんだ!?』って思ったね。そして側には三つの遺骨を見つけた。」

 ジェフ「それが隊長達の・・・?」

 彗吾「詳しく調べてないからわからんが、直感であいつらだったと思ったよ。」

 ジェフ「そうか・・・。」

 彗吾「その後、三人の頭蓋骨だけを持って少し彷徨い、何日か後にアイレンの南の森に着いた。そこに頭蓋骨を埋め、十年を過ごした。」

 ジェフ「何故生きてると申告しなかった?矢は誤射で、火を放ったのが反乱軍かも知れなかっただろ?」 

 彗吾「・・・三人を埋めた後、一回アイレンに行った。そしたら反乱軍の生き残りが俺を『反乱軍の仲間』と間違いこう言ったんだ・・・『ヴェレット軍は森に火を放ち、仲間を焼き払った』と。」

 ジェフ「まさか、そんなわけが・・・。」

 ジェフは信じられないという顔を浮かべる。

 彗吾「・・・今のルルテイラを治めているのは誰だ?」

 ジェフ「それはユリアージュ隊長・・・あ!」

 彗吾「アンネリー隊長が働けなかった以上、軍関係の功績はジョンパ隊長が継ぎルルテイラを治めるはずだった。前皇帝は功績ある者に皇帝の名を譲ると言ってたからな。」

 ジェフ「だが穏健派のジョンパ隊長は反乱軍の鎮圧後は軍の解散を考えていた。ユリアージュ隊長はそれでは利益が無いと考え・・・。」

 彗吾「ジョンパ隊長と親しい俺達を巻き添えにし、戦死と偽って殺しちゃったというわけさ。」

 ジェフ「そうか・・・それでアンネリー隊長以外の生き残った隊長が大和地方以外の大陸を治めているのか・・・。」

 彗吾は大きな欠伸をつき眠たげだったが、ジェフはまだ質問があるようだ。

 ジェフ「・・・それをジョンパ隊長の奥さんに?」

 彗吾「掻い摘んでだが話した。」

 ジェフ「明日出るのか?」

 彗吾「一日だけって言っただろ?それじゃ俺寝るわ・・・。」

 ジェフ「ああ、部屋は二階の左の奥だ。」

 彗吾「わかった。」

 とことことことことこ・・・・・・。

 ジェフ「・・・。」

 沈黙が部屋を支配し、そのまま時間は過ぎていった。



 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



 ・・・・・・・・・・・・・・・。



 ・・・・・・・・・。



 ルルテイラ 玉座の間



 兵士「皇帝陛下!ご報告です。」

 ユリア「申せ。」

 兵士「はっ!ベレチ地方のアイレン〜トレス間の門が炎上し崩壊しました!」

 ユリア「・・・して、実行犯は?」

 兵士「現地の兵に聞いたところ・・・監視カメラは全て燃え、録画テープもおじゃんだとか。」

 ユリア「・・・・・・。」

 兵士「しかし、目撃情報があったそうです。」

 ユリア「・・・申せ。」

 兵士「目撃者の老人の話では二十代前後の黒髪の青年と十代の茶髪の少年と言っていたそうです。」

 ユリア「・・・二十代?少年?」

 兵士「・・・?」

 ユリア「・・・まあよい。ユードロの統治者ルーイに警戒せよと伝えてくれ。」

 兵士「はっ!」

 ユリア「それと・・・レズスタ監獄の守りは引き続き固めろとも伝えておいてくれ。」

 兵士「は、はあ・・・?」

 ユリア「あそこには『キエルノート』と名乗るレジスタンスの幹部が一人収容されている。万が一のために伝えておいてくれ。」

 兵士「は、はっ!」

 兵士はその言葉を伝えるため、走って玉座の間を出て行った。

 ユリア「ふーーーっっ・・・。」

 ?「お疲れのようですね。」

 ユリアが溜め息をついていると、闇から人が現れた。

 ユリア「そうね。皇帝に就いて十年になるけどあまり慣れないわ。」

 ?「・・・。」

 ユリア「政治はあなたがすればいいのに。」

 ?「それはいけません。」

 ユリア「何故?」

 ?「私はいわば裏の人間ですし表に出るのは億劫ですから。」

 ユリア「ふーん・・・変わってるわねー。」

 ?「あなたこそどうなんです?人間には支配欲があります。自分の命令通りに人を動かせるのですから快感でしょう?」

 ユリア「私はそういうのダメダメ。戦いこそ全てだからね。」

 ?「・・・。」

 ユリア「皇帝になるのも面白いかもと思ってあいつら諸共殺しちゃったけど、最近つまんないわ。」

 あいつらとはジョンパ、フレスト、絹浪妹、彗吾の四人である。ユリアにとってこの四人はただの道具だったようだ。

 ?「・・・おっと、もうこんな時間ですか。」

 ユリア「何かあるの?」

 ?「いや、ちょっと野暮用でね。」

 ?は唇を吊り上げて笑った。

 ユリア「あなた楽しそうね。」

 ?「そうですか?自覚は無いのですがね・・・では御機嫌よう。」

 そうやって?は闇の中に消えた。

 ユリア「ふーーーっっ・・・。」

 ユリアはもう一度溜め息をついた。

 ユリア「それにしてもアイレンか・・・・・・まさかね。」

 ユリアは薄く笑った。
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