かにさんの小説

【キング オブ ウィンド】第七話


キング オブ ウィンド


第7話

無事(?)合流を果たした風の騎士団の候補生。
彼等の前に立ちはだかるサーシャ。
果たして身動きの取れない彼等の運命は!?


「・・・このアタシを目の前にしてお昼寝とはいい度胸じゃありません事?」
サーシャが横になっている風の騎士団を見て言います。
「・・・そんな余裕なぞこいている暇はございません事よ!」
サーシャの右手には鉄球が!
「これでジ、エンドですわね!」
彼女が鉄球を打ち出そうとしたその時でした。
「・・・これ以上そいつらに危害を加えるのは止めてもらおうか・・・。」
「!?」
何処からとも泣く声が聞こえてきて、サーシャは驚きます。


シュッ!

何処からか何かが打ち出され、鉄球に当りました。
それは見事な紫色の羽でした。
「!?」

パリーン!

鉄球は二つに割れてしまいました。
「くっ、何が起きたというのですか!」
サーシャは羽の飛んできた方向に振り向きます。
そこに立っていたのはクーでした。
その隣にはピッチも居ます。
「全く・・・ミーアが何かに追われてるから後を追いかけていったら・・・。
ザクダミーを摩り替えた犯人はテメエだな!」
クーはサーシャにそう言い放ちます。
「な、何者ですの!?」
サーシャが言います。
「俺か?俺はな・・・。」
クーはまた羽を2、3枚取り出します。
「空の王者、クー・アドラディスだ!」

シュシュッ!

クーはそう言うと羽を投げつけました。
「くっ!」
サーシャはバレエのような舞でそれを全て避けます。
「くそっ、お返しですわ!」
そう言ったサーシャの手には鉄球が。

バキィ!

鉄球はクーの所へと飛んでいきます。

ヒョイ。

しかし、あっさりかわされました。
「・・・ば、馬鹿な!?」
これには驚くサーシャ。
「あのくらいの弾、避けるのには訳ねえ!」
クーはそう行ってまた羽を投げつけます。

トスッ!

「くっ!」
羽はサーシャの肩に深く突き刺さりました。
サーシャは自分の肩を押え込みます。
「これで終わりだ!」
クーが止めを刺そうとした瞬間。

「待て!」

誰かが止めに入りました。
「!?誰だ!?」
クーが辺りを見回します。
「・・・ん?何々?」
「あれ?皆こんな所で何してるの?」
倒れていた仲間も起き上がりました。
「誰だって・・・クー、お前、自分の同僚の名を忘れたのか?」
そこに居たのはローブ姿に身を纏った男でした。
その背中にはセツエイと同じ羽根がはえています。
「あ、レイじゃないか。」
クー、普通にリアクションします。
「・・・何普通のリアクションしてるんだよ・・・。」
レイと呼ばれた男は呆れています。
「・・・何よ、あの男。」
ラグラールはそう言います。
「どうやらクーさんの仲間みたいですね。」
セツエイがそう言います。
「何か、常識がありそうな男だね。」
ミーアがそう答えます。
「・・・取り合えずそれ以上サーシャを虐めるのは止めてくんないか?
俺の家内なんだよ。」
レイはクーにそう言います。
クーが驚いたのは台詞の後半でした。
「・・・お、おい家内って・・・どういう事だよ・・・。」
クーがサーシャを見て呆気に取られます。
「な、何?「家内」って、何?」
会話を聞いていたリューイは混乱しています。
他の皆も同様です。
「簡単に言っちゃえばサーシャって子とあそこでクーちゃんと会話している男は
結婚してるって事だね♪」
ふぇあはそう答えました。
「・・・・マジ?」
ミーアがふぇあにそう聞き返します。
「マジ。」
ふぇあはそう答えました。
「どういう事なの?」
混乱するラグラール。
「とりあえず、クーさんと話しているあの人に聞いてみましょう。」
セツエイはそう言いました。


「・・・とりあえず、事情は説明してくれるな。」
クーが、レイにそう迫りました。
「・・・解ってるよ。」
レイはそう言うとその辺の浮いてる岩に腰掛けました。
と、そこへセツエイ達も飛んできます。
「・・・これがお前の集めた戦士達か、何か情けねえな・・・。」
レイはセツエイ達を見てそう言いました。
「なっ・・・情けないってなんなの〜!情けないって!」
「そうよ!アタシ達、すっごく酷い目に合ったんだから!」
リューイとラグラールが叫びます。
「・・・まぁ良いか、お前達も俺の話を聞きたいんだろ?
そこで黙って俺とクーの会話を聞いてろよ。」
レイはそう言うと真っ直ぐクーの方を見つめました。
「さて、まずは何でこんな迷惑な事をしたか答えてもらおうか?」
クーはレイにそう言います。
「・・・簡単だ、いくら何でも誇り高き空の軍隊に軟弱者なんて入れてほしくなかったからだ。
それで、俺の女房を使って独断でテストさせてもらった訳さ。」
レイはそう答えました。
「・・・テストって・・・お前なぁ!あんな事したら怪我するか死んじまうぞ!」
クーはレイに反論します。
「・・・お前なぁ・・・合格したこいつらが何すんだと思う?戦争だぞ?
そんな甘ちゃん隊長でやってく気あんのか?」
レイは再び呆れます。
「・・・それで、こいつらはお前的に合格だと思うか?」
クーは、レイにまた質問します。
「・・・俺的には全員合格だな。」
レイはこう答えました。
「あいつらの戦闘能力には目を見張る所があったし・・・。
ザクダミーに勇敢に立ち向かっていく度胸も気に入った。
まぁそんな度胸のねえ奴も一匹居たが・・・。」
レイはそう言ってラグラールの方を見ます。
「え、ぼ、僕?」
ラグラールは自分を指差します。
「こいつには秘められた力がある、叩けば化けるぞ、こいつは。」
レイはそう答えました。
「・・・で?そういうお前はどうなんだよ。」
今度はレイがクーに問い掛けます。
「本当にポイントなんかで合格かどうか決める気あったのか?」
その質問に対し、クーは何も答えませんでした。
「・・・そのつもりは、無かったみたいだな。」
レイはそう言うとまた怪我しているサーシャの元に向かいます。
「・・・おい、サーシャ、立てるか?」
レイはサーシャの手を取ろうとします。
「・・・当然ですわ!この私がこのくらいで立てなくなる何てありえません事よ!」
サーシャはレイの手を振り払い、そのまんま飛び立ってしまいました。
でも何か、飛び方がフラフラです。
「・・・あの意地っ張りさえなけりゃあいい女房なんだかな・・・。」
レイはそう呟くとサーシャの後を追いかけようとします。
でも、その前に。
レイはセツエイ達の方を向きました。
「おい!お前達も話は聞いてたろ?全員合格だ!さっさとクーの指示にしたがってエアライド王国に来い!
解ったな!」
そう叫び、レイはサーシャの後を追いかけていきました。
セツエイ達は、呆然としてました。
「・・・あの、皆さん、合格したのに何故喜ばないんですか?」
そこへ忘れ去られてた(おい!)ピッチがセツエイ達に問い掛けます。
「・・・いや・・・喜びたいけども・・・。」
「何だか素直に喜べないのよ・・・。」
「・・・複雑な気持ちなの・・・。」
セツエイ達はしばらく呆然としていました。
何故か、クーも。
「・・・甘ちゃん、か・・・。昔はそう呼ばれる事は少なかったのにな・・・。
やっぱ、あいつらのせいか?」
クーはそう呟きました。


「へっくしっ!」
地上でカービィが大きなくしゃみをしました。
「どうしたんだよ、カービィ。」
大きなハムスターが話し掛けます。
「ううん、何でもない、誰かが噂してるだけだと思うよ。」
カービィと呼ばれたピンクの●がそう答えました。
「・・・ふーん・・・それにしても、クーの奴何処に行ったのかな・・・。」
リックはふと、クーの事を思い出しました。
「多分何処かへ旅行に行ってるんだよ、それよりサッカーしようよ!」
カービィはそう叫びました。

−−相変わらず平和なホップスター

しかしその遥か上空にある国で大きな戦争が起こる事を、

地上の人達はまだ知らない・・・−−


続く!