かにさんの小説

【リボン イン ナイトメア】stage3


リボン イン ナイトメア

STAGE3

私達を乗せたロープウェイは無気味な音を立てて止まりました。
私達はロープウェイから降りました。
そこは舗装された並木道でした。
「・・・何かロープウェイに書いてあったからどんな所かと思ったけど・・・。」
「・・・意外と普通だね。」
暗いのは相変わらずですがそれほど不気味な所ではではありません。
私達は並木道を進みます。

「あれ、何か居るよ?」
ピッチが道の真ん中に何かが居るのを発見しました。
「ほんとだ、誰かしら?」
私は何かに近づきました。

それは・・・。

ウィスピーウッズJrでした。
後ろ向きで顔は分かりませんが・・・・。
「・・・・あの・・・。」
私はウィスピーウッズJrに話し掛けました。
「・・・・その声はリボンちゃんだね。」
ウィスピーウッズJrは後ろ向きのまま話し掛けました。
「ええ、そうよ、・・・お父さんはどうしたの?元気?」
「・・・元気だよ。」
ウィスピーウッズJrは重々しい声で言いました。

何か、雰囲気が違う・・・。

私はそう思いながらも話を続けました。
「・・・あなたのお父さんが何処に居るか分かる?」
「・・・・分からなくてもいいよ・・だって・・・。」
ウィスピーウッズJrはこちらを向きました。
その顔を見た私は顔が引きつってしまいました。
「・・・!あなた、その顔は・・・?」
「君はここで冒険を終らせるんだから!」
その顔はまがまがしく歪んでました。
そして右目の上には小さな黒いダークマターが!
どうやら彼はダークマターに体を乗っ取られているようです。
いや、乗っ取られていると言うより規制されてるといった方が正しいでしょう。
「食らえ!」
ウィスピーウッズJrは地面に根を下ろしました。すると・・・。
地面から尖った根が現れました!
「キャっ!」
私とピッチは飛んでそれをかわします。
「もう、なんて事するのよ!エイッ!」
私はウィスピーウッズJrにナイフで切りかかります。
狙うは寄生している・・・エート・・そうだ、インフェルマター!
私は狙いをインフェルマターに絞ります。

スパッ!

ナイフは的確に右目の上のインフェルマターを捕らえました。
インフェルマターは黒い液体を吹き出してあっけなく消滅しました。
ウィズピーウッズの顔が見る見るうちに元に戻って行きます。
「・・・あれ?ここは何処?お父ちゃんは・・・?ってきゃーっ!殺人鬼ぃー!」
正気に戻ったウィズピーウッズは私の姿を見ておびえていました。
それもそのはず。
私の服に染み付いた今まで戦った敵の返り血と黒い液体まみれのナイフの様は
どう見ても殺人鬼にしか見えませんでした。



「・・・と、言う訳なの。解った?」
ピッチが今までの事情をウィスピーウッズJrに話しました。
「・・・うん、解った、・・・・お姉ちゃん、・・・殺人鬼なんて言ってごめんね。」
ウィスピーウッズJrは私に対して頭を下げて謝りました。
「いいのよ、別に対した問題じゃないんですし・・・。」
・・・良い事言うなぁ、私。
「所で聞きたい事があるんだけど・・・・。」
「ハイ。」
ピッチの返事にJrは返事をしました。
「君のお父さん、何処に居るか知らない?」
「・・・・解らないよ、3日前に変な雲が僕に体当たりしてからの記憶が無いもん・・・・。」
Jrにも良く分からないそうです。
「・・・とりあえず、この道を進んでみましょう。」
「Jrさんはここで待っててください。」
ピッチはJrに向けて言いました。
「うん、解ったよ。・・・あ、そうだ!これあげる!」
Jrはお面を取り出しました。
「・・・・何これ?」
「この森に代々伝わるお面だよ!『鬼神のお面』って言うんだ。持っていってよ!」
「ええ、良いわ。」
私は鬼神のお面を受け取ると更に奥へと進んで行きました。



「・・・何か雰囲気が変わりましたね・・・。」
しばらく進むと森の雰囲気が今までに無いくらいまがまがしくなりました。
何かもう「生きてる物は立入禁止!」って感じです。
「・・・・ホント、僕恐くなってきました。」
ピッチも震えています。と、その時!

シュッ!

突然こちらに向かって何かが飛んできました。
私はとっさにナイフで受け止めました。
・・・・何か私完全にナイフの名手です。才能あるのでしょうか?
「危なかったぁ・・・何これ?」
私は飛んできた物を拾い上げました。

・・・・大きなウサチャンリンゴでした。

「・・・・リンゴ?ただのリンゴならとにかく何故ウサギリンゴ?」
私がそう言って間も無くいろいろな所からウサチャンリンゴが飛んできました!
「ウワーッ!」
「ピッチ!急いで駆け抜けましょう!」
私はピッチを掴んで全力で道を飛び抜けました。
ウサギリンゴが私の頬をかすめてそこから血が出ます。
このリンゴ、見た目に似合わず威力が高いです。
「とにかく止まらないで!止まったらきっとズタズタにされるわ!」
「うん!」
私達は全力で飛んでいる内に広い所に出ました。
その真ん中にはみなれた大木があります。
「・・・ウィスピーウッズさん?」
すぐに分かりました。
枯れかけていて頭の葉っぱが全く無くなっていましたけど。
それは間違いなくウィズピーウッズさんでした。
「りぃ・・・びぉ・・ん・・・かぁ・・・。」
ウィスピーウッズさんはまるで地獄のそこから聞こえてくるような声で私の名を呼びました。
「おぉまぁえをぉぉぉぉこぉぉろぉぉすぅぅぅう・・・・。」
・・・なんかもうすでに「死んでますよおい」です・・・。
口から魂でてるし・・・。
・・・いや、あれは魂ではありませんでした。
エクトプラズム状のダークマターです。
さっきのがインフェルマターならこっちはパラサイトマターです。
その迫力にピッチはおびえています。
「しぃねぇぇぇぇ・・・。」
ウィスピーウッズは枯れ枝から何かを出しました。
・・・少なくともリンゴではありません。
何かアメーバみたいなのだしています。
アメーバはこっちに飛び掛かってきました。
「キャッ!」
私はとっさに横にかわしますアメーバは地面を溶かしてしまいました。
「まぁだまぁだぁぁぁぁぁ!」
ウィスピーウッズはアメーバを凄い勢いで出してきます。
私は避けるのが精いっぱいです。
「・・・避けてるだけじゃあ駄目よね・・・。」
私はそう思うとシューテイングスターを出しました。
「いっけぇーーーっ!」
6個のシューティングスターはウィズピーウッズに向かって飛んで行きました。
動けないのでウィスピーウッズに全部当たりました。
衝撃で枯れ枝が何本か落ちてきます。
「よぉ・・くぅ・・もぉ・・・やぁっ・・・たぁ・・なぁ・・・!」
ウィスピーウッズは完全に怒ったみたいです。

ごごごごごご・・・。

しばらく地響きが続いたかと思うと・・・。

ずぼっ!

何と地面から根っ子をぬいてこちらに向かって歩き出しました!
「いやーっ!」
私は思わず走り出しました。
ピッチも私と同じ方向に走り出します。
「まぁ・・てぇ・・・。」
ウィスピーウッズはこちらに向かって凄い速さで歩いて行きます。
歩く度に振動でかさかさの木の皮がはがれ落ちていって白い部分が見えます。
それがまるで人間の皮が剥がれて下から筋肉が見えてるように見えて不気味です。
私達は必死で逃げました。
しかし・・・。

「キャッ!」

私は飛び出ていた枝に当たって地面に落ちてしまいました。
地面に落ちた時に鬼神のお面が地面に転げ落ちます。
ウィスピーウッズは私の間近に迫ってました。
「絶体絶命・・・。」
そう思ったその時私はある言葉を思い出しました。
「お面を被るのはピンチの時だけにしておけ・・・・。」
そう、マドゥーさんが言っていたあの言葉です。
「しぃ・・ねぇ・・・。」
ウィスピーウッズはアメーバみたいなのをだそうとしています。
迷ってる暇はない!
私はとっさに鬼神のお面に飛びつきそれを顔に貼り付けました。
私の取った行動とウィスピーウッズがアメーバを私に向けて飛ばしたのはほぼ同時でした。
その時。
私の体はある異変を起こしていました。
私はまるで知らない誰かに取り付かれるような感覚に襲われました。
私は溜まらず叫びます。
「あぁ・・・あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
私はまるで仮面の痛みがこっちに伝わってきたような感覚に襲われ、もだえ苦しみました。
そのような光景を見てピッチはまるで金縛りに遭って動けないような表情をします。
そして意識が一瞬遠退きました・・。
すぐ意識が戻りました。
・・・・その時私は自分の体に異変が起きているのに気がつきました。
・・・背が伸びて、屈強な鎧で身を包んでいて、巨大な剣を持っていて、髪の毛が銀色になっていて・・・。
・・・そう、たとえるなら鬼になったような・・・。
とにかく私は今そんな姿になっています。
「・・・リボンちゃん・・・?」
ピッチは私の名前を疑問視で呼びました。
そして私はあの言葉の続きを思い出しました。

「・・・仮面は人を変える。」と・・・。


トゥ ビィ コンテイニュウ。