かにさんの小説

【リボン イン ナイトメア】stage2


リボン イン ナイトメア

stage2

私はピッチと一緒に夢の泉を目指して森の中を進んでいました。
この森は前はグレープガーデンに広がる静かな森だったようです。
今でも静かですが、それが返って不気味になるくらいおぞましい雰囲気が漂っているのです。。
「ねぇピッチ、私達どのくらい進んだのかな?」
「・・・わかんない。」
森は暗く、見通しが悪くなっていて一寸先は闇という状態です。
私達は森の中を草の根を掻き分けながら進んで行きました。
そして・・・・。

「・・・?進めない?」

私はいくら歩いても景色が全く移動しない事に気付きました。
おかしいと思った私はちょっと後退して体当たりをしてみました。
・・・音はしませんでした。
何かに当たった音がしなければ、そこに何かある感触もありません。
でもそこから先には確かに何かあるみたいでした。
「・・・何これ、先に進めない・・。」
「お嬢ちゃん、こんな所で何してるんだい?」
私は驚いて声のした方を向きました。
そこにはフードを被った変な男の人が立っていました。
「・・・叔父さんは誰なの?」
フードの叔父さんは私に近づくと。
「ワシはマドゥー、魔法の商人マドゥー、よろしくな。」
マドゥーは私にかさかさのシワシワの手を差し出しました。
どうやら握手を求めてるようです。
「よ、よろしく・・・。」
私はマドゥーさんと握手をしました。
「おう、おう、若い子の肌はスベスベで気持ちがいいのう・・・。」
はっきし言って気持ちが悪かったです・・・。
「握手してくれたお礼に良い事教えてやろうかの。そこから先へ進むにはこの森の何処かにある怪しの木から
進まねばならぬ。」
お礼だかなんだか知りませんけどマドゥーさんは良い事を教えてくれました。
・・・でもその時私が気になったのは・・・。
「・・・マドゥーさん、何で私がこの先へ行きたいと知ってたんですか?私、そんな事は一言も言っていないはずです・・・・。」
「ホッホッホッ、100年以上生きてると顔を見れば分かるもんじゃ。」
・・・・100年も生きてるんですか。凄いお爺さんですね。
「おお、そうじゃ、これはかわいいアンタにサービスじゃ。」
マドゥーさんはそう言うと十字星の形をした黄色の物体を取り出しました。
「この武器はお前さんの意志で動く。威力は低いが雑魚なら一撃で倒せるぞ。」
そう言うと同時に私の手にも同じ物が現れました。
「・・・それともう一つ、これは助言じゃ。お面を被るのはピンチの時にだけにしておけ。お面には人を変える力がある・・・・。」
そう言い終るとマドゥーさんは景色に溶け込むように消えて行きました。
「・・・リボンさん、今のは一体・・・。」
私にも解りません。けど今解っているのはマドゥーさんの言っていた怪しの木を捜さないとこの先に進めないようです。
「ピッチさん、怪しの木を捜しましょ。」
私はピッチを引っ張るようにして怪しの木を探しに行きました。


「・・・怪しの木って何処にあるのかしら。」
私は手探りで森の中を歩いていました。
・・・と、言うか完全に迷子状態です。
「・・・ここが何処だかわかんなくなるし・・・・お家に帰りたいよぉ・・・。」
ピッチは心細くなったようです。
ピッチは泣きそうな顔をしています。
「ピッチ!泣いちゃ駄目!ないたって何も始まらないでしょ?」
実際、私も泣きそうなんです。
でもここで泣いてなんかいられない・・・。
そんな思いが私を突き進めているのです。
その内木々のざわめきが何かの声に聞こえてきました。
「ひぃぃぃぃぃっ!」
「落ち着いて!ただの木のざわめきよ・・・あれ?」
ピッチをなだめてる内に私は気付きました。

(何かが聞こえる・・・?)

木々のざわめきに混じって何かが聞こえてくるのです。
私は耳を澄まして神経を集中しました。

怪しの木への道標。
それは星の花が知っている。
キラキラ輝く道標。
辿ればきっと待っている。

・・・そう、聞こえました。
私は向こう側にはかない光を見つけました。
「・・・星の・・花?」
その花は星型の花を咲かせ。
まるで蛍のような儚げな光を放っていました。
その光は転々と暗闇の中に点在しています。
私はその光を辿ってみます。
「ちょっ、ちょっとリボンちゃん、何処行くの?」
ピッチも私を見失わないように追ってきます。
・・・その内一回りだけ明るい所に出ました。
そこには・・・。

巨大な朽ち果てた木が一本立っていました。

恐らくこれが目的の怪しの木です。
「これが・・・怪しの木?」
その木は大きな口を開けていました。
まるで私達を手招いてるかのように・・・。
「・・・はいりましょ。」
私はピッチを連れて中に入って行きました。

・・・中は上が吹き抜けになっています。
朽ちた木は壁が黒く、今にも壊れそうです。
「うわー・・・気味が悪いや。」
ピッチさんは素直な感想を行っていました。
私は上に行こうと近くの足場に乗りました。そしたら・・・。

ガラっ!

何と私の乗っていた足場が崩れました!
慌てて私は空を飛びます。
下にいたピッチは崩れた足場の下敷きになりそうでした。
「危なかったぁ・・・ピッチ、大丈夫?」
私はピッチに飛びよりました。
「うん、何とか・・・・。あっ!」
ピッチが上を指差しました。
そこには、
ちびダークマターにコウモリの羽根が生えたような化け物が隙間無く飛び跳ねていました・・・。
名前を付けるならバットマターって所でしょうか。
バットマターは一斉にこちらに向かって飛び掛かってきました。
「キャっ!」
私とピッチさんは壁際に着いて攻撃を避けました。
しかしそんな事をしても数が減る訳でもありませんでした。
やらなきゃやられる・・・・そう思った私は虹のナイフを取り出しました。
そしてバットマターの群れに飛び掛かります。
「エーイッ!」
私は虹のナイフを横に振ります。
バットマターは何匹か地面に落ちて消滅して行きました。
しかしまだかなりの数です。
「このままじゃ・・・そうだ!」
私は十字型の星6つほどを取り出しました。
そう、さっきマドゥーさんにもらったシューティングスターです。
私はシューテイングスターをバットマターに投げつけました。
シューテイングスターは6角形に空中に見事に止まります。
(確かこれは私の意志で動くって言ってたわ・・・。)
私はバットマターに神経を集中させてみました。
すると6つのシューテイングスターはバットマターに突っ込んで行きました。
シューテイングスターの突撃を受けて大量のバットマターが下に落ちて行きます。
(行ける!)
そう私は確信しました。
シューティングスターはまるで流れ星のようにバットマターに突撃して行きます。
その度に大量のバットマターが地面に落ちて行きました。
しばらくすると上空にバットマターはいなくなり、代わりに地面が黒い液体の海になっていました。
シューテイングスターは私の手元に全部戻って行きました。
「やった・・・。」
私はほっとしました。
「やったねリボンちゃん!」
何処に隠れていたのかピッチが飛んできました。
「ええ、さあ、先にいきましょ。」
私はそう言うと上に向かって飛んで行きました。
ピッチもぎごちない羽根付きでふらふらと飛んで行きました。


「・・・ここがてっぺんみたいね。」
私達は木のてっぺんに着きました。
そこは見晴らしの良い森の上です。
・・・と言っても暗い事には変わりありませんが。
「ここからどうやってワープすれば・・・。」
私は辺りを見回します。
「ねぇ、リボンさん、あれじゃないかな・・・?」
ピッチはある所を指差します。
そこには。
ロープウェイがありました。
ただし、丸太の上にはワドルマターがいましたが。
「・・・あの、」
私は恐る恐るワドルマターに話し掛けます。
・・・返事がありません。何か空を見詰めています。
「・・・リボンさん、ロープウェイに何か書いてありますよ。」
ロープウェイには血っぽい何かでこう書かれていました。

ロープウェイ。行き先 変わり果てたウィズピーウッズ、料金は無料、一方通行。

・・・・ウィズピーウッズ?
私は勿論知っています。ピッチも合った事があるようです。
でも「変わり果てた」って・・・・。
何だかやな予感がします。
「・・・・リボンさん・・・。」
「・・・乗るしかないでしょ?さあ、いきましょ。」
私達はロープウェイに載りました。
するとワドルマターが丸太の上を歩き出しました。

キィィィィィィ・・・・。

・・・・ロープウェイは無気味な音を立てて動き出しました。

トゥ、ビィ、コンティニュウ。