tateさんの小説

【メタナイトの逆襲:サイドストーリー】Zapping of 13: ブルブルスターウェポンリー


 バタービルディングでスターリンと別れたレモン。スターリンの進言に従い、彼女がオレンジオーシャンに戻ってきたのは太陽がすっかり西の空に沈みきってからのことだった。
「只今もっどりましたー!」
 勢い良く格納庫の扉を開けると、内部では数人のメカニックが忙しそうに動き回っていた。
「お? お前、確かハルバードに乗って行かなかったか?」
 顔見知りの技師が、扉に手を掛けたまま突っ立っているレモンに声を掛けた。
 格納庫の天井に備え付けられているクレーンからは、見たことにない弾丸がいくつも吊り下げられている。メカニックが手際よくマニピュレータを操作し、砲身にそれを装填していく。
 レモンは、装填されていく弾丸を指差した。
「あれは?」
「あれはってなぁ……お前さんがシャインから預かってきた代物じゃねーか。アイツはな、対闇生物戦を想定した実体砲弾兵器のサンプルさ。実戦に投入される代物はもっと口径が大きくて、リニアキャノンを使って発射する対宙兵器になるらしいぞ」
「対闇? 対宙???」
 レモンの問いに、そうさ、と技師が答える。
「どういう具合に使うのかは、俺達には知らされてない。が、実戦投入前にこのサンプルを使ってテストをする。メタナイト様からの連絡が入り次第、この要塞も戦闘に入るってこった」
「ふうん……」
 わかったようなわからないような、レモンはぞっとしない顔のまま二、三度首を傾げ、再びクレーンを見上げた。

           ◆

 相も変わらず、「こんかいのそうどう」の実態が掴めないでいるシルフィードは、冒険者ギルド員の言葉を頼りに、グレープガーデンにやってきていた。彼女の目的であるブロントバートはラジオ局に詰めているらしい。
 が、現在のグレープガーデンはすっかり夜の帳に包まれ、街の至る所には人工の明りが灯されいる頃合になってしまっていた。
 今からラジオ局に行っても、ブロントバートに会わせてもらえるだろうか。そんなことを思いつつ、シルフィードはあくびをかみ殺した。
 今日は一日、朝から移動しっぱなしだ。正直なところを言えば、良く冷えたグレープジュースを片手に腹一杯の夕食をとり、さっさとふかふかのベッドにもぐりこんでしまいたかった。それに、今からラジオ局に行っても、こんな時間にブロントバートに会えるかは非常に怪しい。
 うん、そうよね! そんなもんよね!!
 ちょっと言い訳がましくも自分にそう言い聞かせ、シルフィードは手近な宿屋で一晩を過ごすことにした。

           ◆

 ハルバードの甲板でポピーブロスJr.が主砲の情報を集めている頃――
 闇が支配する外界とは隔てられた中央機関室で、ハガカはいつものように動力類のメンテナンスを行っていた。ウィリーの駆動音こそ部屋を支配してはいるが、ここにいる人間はハガカ一人だ。
 ふと、工具を操る手を止め、リアクターを見上げる。
 水晶のような形をしたこいつが、周囲の狭い空間に押し込められたウィリー達の運動エネルギーをハルバードへ供給されるエネルギーへと変換しているのは、メカニックたちには周知の事実だ。しかしこれを扱えるのは、アックスナイトやハガカといったごく一部の者だけだ。
 しばらくリアクターを見つめていたハガカの手が再び動き出す。
「異常はないな。ふう、今日の作業はこれで終わりか」
 戸口の横にぶら下がっているクリップボードにサインを書き込み、大きく伸びを一つした。
 そして青色の光を放つライトを片手に、中央機関室から表に出たハガカを待っていたのは、黒尽くめの男性だった。
「……! メタナイト様、こんな深い時間に中央機関室にご用ですか?」
「お前がきちんと仕事をしているかと思ってな、セツエイ」
 メタナイトが眉一つ動かさず、淡々と語る。
 ハガカは困ったかのように、小さく笑った。
「そんな……メタナイト様がわざわざ気に掛けるに値する男ではないですよ、僕は」
「どうかな。わざわざ、ブルブルスターのメカニックがプププランドにやってきてまで、我々に取り入ってきたのだ。そこには何らかの意図が働いている――そう見るのは極、自然なことだ」
 その言葉に、ぴくりとハガカの肩が僅かに動いた。手にしたランプが小刻みに震えている。ハガカはメタナイトに悟られないように、大きく息を吸い、ランプを持ち直した。
 いずれ、ばれることだった。いや、こちらから切り出さなければならないことだった。メタナイトがブルブルスターにしか言及しないところを見ると、ハガカの本当の狙いにはまだ気がついていない……と考えても大丈夫だろう。
「……その件については、いずれお話します」
「今はまだその機ではない、ということか」
 ハガカは無言で頷く。
 ブルータス……つまりはメタナイト達が、どれほどまでにブルブルスターの技術を使いこなせているか。それをハガカ自身の目で確認し、確証が持てるまでは、この先の話をするしないの判断は下さないつもりだ。
「そうか。お前には直接関係がない話になるが、明日の早朝に起こることは多少参考になるかもしれないぞ」
 仕事が済んだら早く寝ることだ、そう言い残しメタナイトはブリッジへと戻っていった。
「明日の早朝? 何だろうか……」
 首を傾げつつも、メタナイトの言に従いハガカは早めに休むことにした。

           ◆

>>ハルバードグレープガーデンに向けて進攻中。
  現在カービィはデデデ城でだらだら休憩中。

           ◆

               To be continued...

               2009Jan23 written by tate

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