tateさんの小説

【メタナイトの逆襲:サイドストーリー】Zapping of 05: スペック・コンプレックス


オレンジオーシャン。。
海賊団ブルータスの要塞上部のハッチが、しずしずと開く。
中からは、トリのような羽根を持つ空中戦艦「ハルバード」が姿を見せた。金属のボディは、太陽光を受けてきらきらと輝いて見える。その姿は荘厳で、大変美しい。

メインエンジンに火が入る。
そう、この鳥は今まさに空に飛び出そうとしていた。

ブリッジでは、離陸に向けて…そして大いなる野望の始まりに向けて、あわただしくメタ・ナイツが動き回っている。メタナイトは、メインコンソールの前に立っている。傍らには、初老の男性が佇んでいる。
メタナイトはマイクに向かった。


「我々は堕落に満ちたプププランドの救済を行う、そのために立ち上がったのだ。ププ プランドの制圧は、プププランド自体の未来のためにも必要不可欠なものである。けし て略奪のために立ち上がったのではない。クルー諸君、この艦にいることを誇りに思っ て欲しい」

メタナイトの落ち着いた低めの声が、ハルバード艦内に響き渡る。
クルー達は緊張したような、でもちょっとこの場にいることを誇っているような、そんな表情をしている。
血気盛んなクルーの中には、鬨の声を上げる者もいる。

当然、ぜぼ親もこのアナウンスを聞いた。
「誇り…ねぇ…
 そんなもん、感じるヤツいるのかよ」
はき捨てるようにぼやく。
彼は今、ヘビーロブスターが格納されている倉庫の近くにいた。彼の持ち場からは、かなり離れたところだ。堂々と通路に居座っているので、誰も不信に思わなかったらしい。彼は誰にもとがめられることなく、自分の持ち場を離れるのに成功した。

ふと、自分の頭上が騒がしくなったと感じた時、暗かった倉庫に2つの光が見えた。
ヘビーロブスターのアイセンサーが輝いたのだ。
ゆっくりとした動作で、ヘビーロブスターは動き出した。近くに陣取っていたぜぼ親は、その動きの滑らかさに目を細めた。
「ほぅ」
潰されぬように気をつけながら、目の前の黄金に輝く機械の一挙一動を抜け目なく観察する。直にヘビーロブスターは、ぜぼ親の視界から消えた。
満足そうに口の両端を釣り上げると、彼は本来の自分の持ち場に戻っていった。


ぜぼ親が消えた後、ヘビーロブスターの出てきた格納庫から一人の人影が現れた。
和風スタイルが、先進的なハルバード艦内の中ではいっそう浮いて見える。カーヴィ、その人である。
長い前髪の間から、鋭い眼光をのぞかせ辺りを素早く見回す。人の気配がしないことを確認した。

「…ここに…ここに奴がいるのか…」


デデデ山頂
デデデ大王が居を構えるデデデ城が建っているところだ。観光の名所になっているのは今に始まったことではない。
しかし、今日のデデデ上は一味違った。遠目から見ても、明らかにいつもはない巨大なオブジェクトが庭に増えている。
巨大なオブジェクト…その正体は、ダイナブレイドだった。
繁殖期になるとプププランドにやってくる渡り鳥。その佇まいは荘厳な自然の命の強さを、見るものに感じさせる。
そのダイナブレイドが、デデデ城の庭にいるのだ。

「探すの、大変かなーって思ったんですけど
 意外なことに、ダイナブレイドが今年繁殖を行った巣にいたんですよ」
デデデ大王は、執務室のバルコニーから庭にいるダイナブレイドを見下ろしている。その隣には、tateがいた。ダイナブレイドがどこにいるか調べてくれ、とだけ頼んだはずだったのに、tateはダイナブレイドそのものを連れて、デデデ城に戻ってきたのだった。
「…まぁ
 カービィも行き詰まったらここを訪ねることだろう。
 幸い、ダイナブレイドの繁殖巣よりここのほうがオレンジオーシャンに近いからな」
「………
 やっぱり連れてきたのはまずかったですか?」
きまずそーな感情を声に含めて、tateが言った。
「いや、いいさ。ご苦労だったな」
デデデ大王は、tateの方を振り向くこともせず投げやりに言った。
tateは、ちょっと不安そうな顔をしながらも自分の方を見ていない相手に頭を下げ、部屋を出て行った。


螺旋階段を上る。
ぐるぐるぐるぐる…キリがない。

いい加減、スターリンはバタービルディングにうんざりしていた。
終わりが見えない螺旋階段、その途中誰にも会うことなく、風景が変わることもなく、一定間隔にともされた明かりと、自身の持つ発光する石…スターリン自身が、その辺の石ころにライトの魔法をかけて作った、即席の光源だ…を頼りに薄暗い塔の中を、ひたすら進んでいた。

「くそ、何だこの塔は…」

見張りも見えず、難なく塔の中に入り込んだところまでは良かった。良かったのだが、塔の中に入り込んだところから先の展開に、なかなか発展させることが出来ないでいた。
この塔に居を構えるシャインとブライト…ブライトはいざ知らず、シャインは相当の魔術の使い手だ。どんなにうんざりしても、どんなに体がきつくなってもここでフライトやテレポートの魔法を使うわけにはいかない。

別段、自分の存在をシャインに知られるのがまずいわけではない。いや、もうシャインは侵入者である自分の存在を確認しているだろう。自分がデデデ大王の命を受けて、ここに来ていることを知りながら、手を出してこないのだろう。

それもスターリンの癇に障った。自分など、たいしたことないと思われている…負けず嫌いな彼は、無性に悔しくて腹が立った。
彼が魔法を使えないのは一つ。シャインが張ったと思われるブービートラップが、至る所に見えたからだ。

魔力に反応して発動する罠。

魔法に関するトラップは、そのトラップを作成した者の力量に威力が大きく左右される。シャインのトラップ…その威力はいかほどだろう…
スターリンには、そのトラップが見えた。
スターリンもけっして実力のない三流魔術師ではない。だが、シャインの実力を考えると…また、今後の任務遂行のことを考えると、ここで不用意に魔法を使いトラップに引っかかるわけにはいかない。
だから、スターリンは螺旋階段を上る。
終点は…まだ見えない。


>>ハルバード離陸その時。
  現在カービィはハルバード甲板で奮闘中


To be continued...

2002Mar08 written by A.Tateshina
page view: 1076
この小説を評価する:                   (5)