tateさんの小説

【メタナイトの逆襲:メインストーリー】Chapter09: Youghurt Yard


ヨーグルトヤード。。。オレンジオーシャンをはさみレインボーリゾートの対岸に位置している。
カービィたちより一足早くハルバードから脱出したメタ・ナイツは、そこにいた。
彼らは、見晴らしのよい絶壁の上で、煙を吐き沈み逝くハルバードを見つめている。

「メタナイト様、大丈夫かな…」
ポツリとメイスがつぶやく。
「大丈夫だよ、メタナイト様のことだからきっと大丈夫!」
トライデントが元気な声で答える。が、視線は逆光で黒いシルエットにしか見えないハルバードに縛り付けられている。
ハルバードのフォルムが沈む太陽の中央に差し掛かったころ、黒いそれから小さなシルエットが飛び出してきた。どうやら、彼らも脱出用に使用した小型飛行機のようだ。
そして間もなく、ハルバードは派手な爆発を起こし、急激に海に落下していった。


「メタナイトー!!」
機体から身を乗り出し、カービィは自分の背後を振り返った。すぐさま爆風がカービィたちを襲う。ギムの操縦する飛行機は、爆風に煽られふらふらしながら陸地へ滑っていく。
ワドルディも背後を振り返った。
ぼろ切れのように落ちていくハルバードから、新たに誰かが脱出した様子は見られない。
そのまま
ハルバードは海へと落ちていった。。

「…ギム、メタナイトは…」
ギムの背中にカービィが声をかける。ギムはこちらを振り返らなかった。
「ハルバードから脱出する時、何か話してたじゃないか!
 なんで無理やり引っ張ってこなかったんだよ!」
無言のギムに、カービィは語尾を荒くしていった。ワドルディはぼんやりと外を見ている。
ふと、地上に視線を落とすとメタ・ナイツが岸壁の上でこちらに向かって手を振っているところが見えた。
「ねぇ、下にメタ・ナイツのみんながいるよ?」

ギムが岸壁の上に飛行機を着陸させる。メタ・ナイツがその周りにわらわらと駆け寄ってきた。トライデントナイトが、飛行機の窓にべったり張り付いて言った。
「メタナイト様は!?」

のぞきこんだ限り、メタナイトの姿は機内になかった。

 おかしい…
 カービィは約束を破ったのだろうか…

眉をひそめるアックスナイトとカービィの視線があう。カービィは複雑な顔をしてふいっとそっぽを向いた。


時を巻き戻し…

炎上するハルバード脱出用ハッチでカービィたちを乗せた飛行機を見送ったメタナイトは、爆薬を片手に立っていた。
「やはり貴方はこの艦を沈めていくのですね、もったいない」
もう誰も残っていないはずの艦内部からメタナイトの背中に声をかけるものがいる。メタナイトは背後を振り向く。そこには、眼鏡をかけた長身の男性が立っていた。メタナイトは露骨に嫌な顔をした。
「そう嫌そうな顔をしないで下さい。わざわざ迎えにきたのですから♪」
楽しそうな声音で男性は話す。
「うるさいな、誰も迎えに来て欲しいなどと言ってないぞ、クラッコ」
ギロっと背後に立つクラッコをにらみつけるメタナイト。
それをさらりとかわし、クラッコはメタナイトのほうに歩いてくる。
「まぁ、こんなところで立ち話も何ですから、とりあえず脱出しましょうか」
ニヤニヤ笑うクラッコを無視してメタナイトは艦内部へと歩いていく。
ハッチの入り口ところでメタナイトが振り返った。
「爆薬を仕掛けてくる…」
腕を組んで立っていたクラッコがにやっと笑って言った。
「私も一緒に行きましょう。テレポートかけるのに場所は関係ないですからね」

「ところで、もし私が迎えに出向かなかったら貴方はハルバードと心中するつもりだったのですか?」
カービィ達の乗る飛行機が不時着した地点からさほど離れていない森の中にクラッコはテレポートをした。メタナイトからは、メタ・ナイツとカービィが何かを話している姿が見える。
「ああ、テレポートがチャージされたマジックアイテムを持っている。
 恐らく、1回限りの使い捨てだろうな…
 自力で脱出が出来なかった時は、これを使うつもりだった」
そう言って、メタナイトは変な形をしたチョーカーを見せた。
クラッコはそれを一瞥してメタナイトに投げて返した。
「確かに。
 1チャージの使い捨てのようですね。
 ま、大切にとっておけば別の機会に使えるでしょうね」
カービィとトライデントナイトがいがみ合っている様子が見える。メタナイトはクラッコよりも自分の部下達のほうが気になるようだ。ずっと森の外を見つめている。
「今回は我々の依頼をこなして頂いて、有難うございました、メタナイト。
 これで、平和ボケしているプププランドの人間も少しは危機感を抱くでしょうね」
メタナイトの横顔を見ながら、涼しい顔でクラッコは話す。
メタナイトが改めてクラッコのほうを見た。
「こんなことで効果があるのか?
 …まぁ、貴様らの宗教団体の啓蒙活動の足しにはなるかもしれないがな」
ふん、とメタナイトは鼻を鳴らした。
「かの海賊団の頭領が、プププランド制圧に乗り出そうとしている、と言うこと自体がセンセーショナルなんですよ。意外と貴方は、他人の自分に対する評価に無頓着ですね…
 まぁ、我々としても、貴方は正直驚異的な存在ですからね、ここで争う気はないですよ。
 報酬はきちんとお支払いします。ではまた」
そう言い残して、クラッコは森の奥に消えていった。

トライデントナイトがいきり立った様子で、飛行機から降りてきたカービィにつかみかかっていた。ジャベリンナイトが制そうとしてはいるものの、他のメンツは特にトライデントナイトを止めようといった気はないようだ。
「おいカービィ!!メタナイト様はどこにいるんだ?!」
襟首をつかまれ、ぐっと引き寄せられたカービィは顔をゆがめた。が、何も言わない。抵抗もしない。
「何か言えよ!!」
トライデントナイトはカービィの襟首を持ったままがくがくと揺する。
流石に苦しくなったのか、カービィが拘束から逃れようともがき始めた。
と、
カービィの背後にいたギムの表情が変わった。
隣にいたワドルディも呆気にとられたような表情に変わる。そして、それはすぐに笑顔に変わった。
「後ろ!メタナイトだよ!!」
そういってワドルディが指を指す。
メタ・ナイツが振り向いた時には、既にトライデントナイトがメタナイトに羽交い絞めにされていた。
「何やってんだ?こんなところで」
メタナイトはトライデントナイトの頭をぐりぐりと小突き回した。
「いだだだだだだ!!離してくださいよぉ、メタナイト様ぁ」
「無事だったんですね!メタナイト様!!」
メイスナイトがメタナイトに飛びついた。アックスナイトもジャベリンナイトも、飛びつきこそしなかったが、心底安心したと言った表情を浮かべている。
そして、カービィも。

トライデントナイトとメイスナイト、ワドルディにしがみつかれたまま、メタナイトがカービィの方を向いた。
「勝負の片をつけるのは、また次の機会としよう…」
「うん、そだね。それまでに強くなるから…」
背後からギムがメタナイトに話し掛けた。
「あの…少々お聞きしたいことが…」
「ん?何だ」
「私の体のことなんですが、耐久年数とか…どのくらい持つものなのでしょうか?」
そう問われたメタナイトは、アックスナイトの方を見た。
「どのくらい持つと思うか?アックス」
「…わかりません。一般人と同じ生活をすれば、半永久的に使用可能だと思いますが」
「…だそうだ」



END ROLL...

メタナイト達の蜂起により、プププランドの人々の生活が大きく変わることはなかった。強いてあげれば、シャイン&ブライトが率いる宗教団体への入信者が増えたらしい、と言う噂を聞いた。
デデデ大王は、相変わらず治世もほどほどにいたずらに興じているそうだ。この間、ポピーBros.Jrに会った時に閉口気味といった感で話をしていた。ワドルディは、結局デデデ大王の下に戻ったとのこと。これまでどおり、何をするにもポピーBros.Jr.とつるんでいる。

ブルータスは、遺跡の発掘と外部からの科学テクノロジーを利用し、新たな要塞を建築しているらしい。コチラも風の噂に聞いた程度、真実はいかほどかはわからない。

僕と一緒に戦ってくれたギムは、アイスクリームアイランドにある児童施設で住み込みのボランティアを始めた。誰の性格をコピーされたのかは知らないが、相当な世話好きで子供の受けもいいらしく、この間遊びに行ったときも楽しそうに、そこでの生活の話をしてくれた。今でも、ギムからは手紙をもらっている。いい奴だな…

そして僕は…
何かが変わったわけでもなく、ベジタブルバレーの下町で仲間と一緒につるんで1日過ごしている。
メタナイトが何を思って蜂起をしたのか、今だに僕にはわからない。デデデはきっとその理由を知っていると思うけど、教えてくれなかった。
お前には関係ない!だってさ。
他人をこき使うだけこき使って、肝心なところは何も教えてくれない、相変わらずだ。
そうだ、僕の中で一つ、変わったことがある。
明確な目標が出来た。
こんなことを言ったら笑われそうだが、メタナイトを目指してみようと思う。何をどう目指すかは決まってないけど、とりあえず。
僕の目標。


オレンジオーシャン。。
ブルータスの要塞の一室。
アックスナイトとメタナイトがモニターを一緒に覗き込んでいる。モニターの前に陣取って座っているのはアックスナイトだ。メタナイトはその背後に立っている。

…………user ID ok
password:
…………password ok
last login xxxx.xx.xx xx:xx:xx
$su
password:
#

「入れた…」
「セキュリティも甘甘だな、取れる情報だけとってさっさとログオフしよう。
 裏口は作っておくか」
「ですね。次の目標は…大彗星ノヴァとでも行きましょうか」
ニヤリと笑うアックスナイトの顔がモニタに写る。

「メタナイト様、アックス、ご飯にしよ」
メイスナイトがコントロールルームに顔を出した。
「うし!飯だ!」
「わかった、今行く」
メタナイトがログオフコマンドを打つ。

# exit
$ exit
you're log off now...
good bye!!


                       The End Of This Story ...
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