tateさんの小説

【メタナイトの逆襲:メインストーリー】Chapter05: Heavy Lobster /// Part:02


「ひ、左ウィング大破!被害面積、約74%!!」
「げげっっ」
「左右のバランスを崩しまくってるだス!」
ブリッジは蜂の巣をつついたような大騒ぎになった。
ガクンとハルバードが大きく傾く。左右の浮力に差が生じたため、機体が回転しそうになっている。
メタナイトが命令を飛ばす。
「セイル収縮。右ウィングの浮力を下げろ」
「おのれぇぇぇっ、こうなったら右ウィングごとカービィを放り出せぃ!」
司令官興奮しまくり。頭の上でお湯が沸かせそうだ。
それはさておき。
「メタナイト様、カービィは現在ダクトを通り、右ウィングに向かっています」
アックスナイトがカービィの様子を報告する。
「道に迷ったのかなぁ?」
とワドルディ。
「ダクトにいるんだろ?じゃあガスでも流せば一発じゃ〜ん。
 毒ガスじゃなくたって、麻酔でもCO2でもいいけど」
「…トライデント、ダクトだぞ?そんなことしたらここにもガスが充満するかも知れないじゃないか」
「シェルターでブロックすればいいよぉ」
「…じゃあ誰がカービィを回収しに行くんだ?そのままダクトに詰まらせておくのか?
 それに、奴の連れにはガスは効かないと思うぜ」
「あ、そっか」
「あそっかじゃねぇよ。ったく、相変わらずトライデントは単細胞だな」
トライデントナイトとアックスナイトは、日頃から意見が対立することが多い。ここでもケンカ腰で口論する。

「ダクトか…そのような狭いところでは奇襲もままならん。
 広い空間に出たところを迎え撃つようにしろ。ポイントは…」
口論するトライデントナイトとアックスナイトを横目に指示を飛ばすメタナイトを遮り、司令官が提案する。
「メタナイト様、ヘビーロブスターを使いましょう」
「ん?そうか、武器格納庫も近いしな。では右ウィング上層部にヘビーロブスターをスタンバイさせろ」
「違いますぞ、メタナイト様」
「?」
「今、これからすぐヘビーロブスターを仕掛けるのです。逃げ場がないから、カービィ達はヘビーロブスターに踏まれてぺちゃんこですぞ!」
げひゃっひゃっひゃと、司令官大笑い。
「司令官、貴様はこの艦を破壊したいのか?」
怒り半分諦め半分といった具合に、メタナイトが言う。
「勝てればよいのです!あの忌々しいカービィに勝てれば!!」
「…司令官、当初の目標がすりかわってるだスよ…」
メイスナイトがぽつりと言う。
メタナイトはもう何も言わなかった。

左ウィングから右ウィングへの移動は、ダクトを利用した。
狭いダクトなら、メタナイト達もそうそうは手を出せないでしょう、というギムの発案である。
四つん這いになりダクトを進んでいくと、大量の備品が山積みになっている倉庫へと辿り付いた。
「…倉庫にダクト?」
「閉鎖状態だと何かまずいことでもあるのでしょうか?この倉庫」
二人は辺りを見回す。
備品が入っているであろう木箱が山積みになっていて視界が悪い。
そして、誰もいない。

「誰もいない…」
「倉庫ですから…」
カービィとギムは、その真意に気がつかなかった。そして、無造作に置かれている武器を物色し始めた。

 ザザー…

遠くで人の声がする。それは、スピーカーを通して聞こえてきた。
「本当にやるんですか?」
「プン、きっと後悔するだス」
「やかましいっ、奴を倒すのは今しかあるまい」
Mr.フロスティと戦ったとき、スピーカーから流れてきた声と似ているな、とふとカービィは思った。
 最後の一言は、マイクに向かって喋ったらしく、はっきりとこう聞こえた。

 「2度目の正直っ、ヘビーロブスター発進!!」

ブリッジでは司令官が精悍な顔つきでマイクに向かっていた。
ふ…決まった…と言う顔をしている。
「…司令官、それを言うなら3度目の正直だ。」
その場にいる人間を代表して、とりあえずメタナイトが突っ込みを入れた。

それは突然現れた。
カービィ達の背後の壁をぶち破ってきた。
ズズゥウウゥン…と静止する。
「な…何…?!」
アイセンサが煌く。ごぉぉぉぉんと言うエンジン音が響き、それ…ヘビーロブスターはカービィ達に襲いかかってきた。
「逃げろっ!」
「どこか闘えそうな所まで、ですね」
カービィはギムの応答にうなずき、走り出した。

「ぶひゃひゃひゃひゃっ!つぶせ、つぶせえええええぇいぃ!」
ブリッジのモニターには、まず壁を破壊して現れたヘビーロブスターが写った。
メタ・ナイツは蒼くなる。メタナイトは顔にこそ出さないが、相当いらいらしている。
そしてヘビーロブスターはカービィ達を踏み潰さんと、あたり構わず動き散らす。
倉庫の備品はぐちゃぐちゃ、壁はべこべこ。一部の壁に至っては崩れ落ちている。
「あああ…われらの艦が内部から破壊されていく…」
嘆くメタ・ナイツ。流石にメタナイトも渋い顔になり、ヘビーロブスターの見事な破壊っぷりを睨んでいる。
「細かいことは気にするなぁ!ガンガン行けぇ!!」
司令官の絶叫に近い声がブリッジにこだました。

カービィとギムは積まれている備品の山の間を縫うようにして走っている。対して、ヘビーロブスターはそんなものはお構い無しに、標的に向かってまっすぐに突っ込んでくる。木箱を倒し、樽を踏みつけ、壁に激突。
ちらと後ろを振り向いたカービィは、蒼い顔をギムに向ける。
「このまま逃げていると、いずれあの機械がハルバードを壊してくださる気がする…」
「で、そのまま我々ごと海にボチャンですか」
ギムが笑いながら言った。
「笑い事じゃないよぉ、ギム…」

倉庫から抜け出し、その先の通路を30mも走ると広い空間に出た。
カービィが上を仰ぐ。天井は見えない。
「吹き抜け?こんなところに??」
ギムがカービィの肩を叩き、右前方を指差す。
シャッツオの残骸らしき鉄の塊がばらばらと落ちている。
「…さっき床を壊したとこ?もしかして…」
「…おそらく…」
もう一度カービィは天井を仰ぎ、苦笑した。

背後の扉から、ヘビーロブスターが現れた。当然、扉をぶち抜いてきた。
「ギム、やるぞ!!」
「承知」
カービィとギムは左右に展開する。二人とも、先ほどの倉庫から失敬してきた爆弾を投げつける。それは派手な音をたて、爆発した。
「…効いたかな?」

 べちゃ

もうもうと立ち昇る煙の中から何かが飛んできて、カービィの顔に当たった。
何だろう、とカービィはそれをひっぺがす。ぶよぶよとした、不思議な色彩をした塊だ。
「ギム、これ何だかわかる?」
ギムはカービィの差し出した塊をちらりと見て、こう言った。
「ああ、それはペイントスライムですよ」
「ペイント?」
「ええ。まぁ…なんと言うかペイントです。ヘビーロブスターにでも投げつけてみれば、効果の程がわかりますよ」
ふむ、とカービィはうなずくと、てやっとばかりにヘビーロブスターめがけてペイントスライムを投げた。
ペイントスライムはヘビーロブスターに当たると、はじけ飛んだ。
はじけとんだ断片がヘビーロブスターに降り注ぐ。見る見るうちに、ヘビーロブスターはペイントスライムの雨に打たれ、変色していった。

「色が変わった…」
「だからペイントスライムなんですよ」
「僕、さっきあれが顔に飛んできたんだけど、何ともないよ?」
「はじけなかったんですか、運がよかったんでしょう」

と、ヘビーロブスターが突っ込んできた。
そして、ギムの脇を掠めて壁に激突した。
「…何?」
「アイセンサが潰れたようですね」
壁にぶつかってひっくり返っていたヘビーロブスターは体勢を立て直すと、今度はカービィの横を猛スピードで滑り抜けた。
「…でも僕らの居場所はわかってるみたいだけど…?」
「声から位置を割り出しているのでは?」
再びヘビーロブスターがカービィの脇を通り過ぎた。その先には、先ほど空から降ってきたシャッツオの残骸…
あ、とカービィが思うと同時に、ヘビーロブスターはシャッツオの残骸に突っ込んだ。
その衝突でヘビーロブスターは大破し、それの動力炉は爆発した。
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