tateさんの小説

【メタナイトの逆襲:メインストーリー】Chapter04: Combo Cannon /// Part:02


甲板ほどではないが、開けた空間に出た。
カービィの足元に何か黒くて丸いものがコロコロと転がってきた。何だろう、とカービィが拾い上げる。
「あ、それは…」
「はひ?」

  ボムッ

カービィの拾ったそれが爆発した。要は、爆弾であったわけだ。爆弾、とはいえ、火薬の量もたいしたことがなく、派手に音と煙が出るように細工されたものである。そのおかげでカービィの右手は吹っ飛ばずにすんだのだが。
「…こんなものを作るのは…
 ポピーブロスSr.!出てこい!!爆破魔め!!!」
カービィは怒りまくってどなった。死角になって見えなかった一角から人影が2つ出てきた。1つはスレンダーなシルエット、もう1つはいい体つきをしている。
「フフ…驚いたかい?驚いてくれたのならいいんだ。わざわざ破壊力のない爆弾を作った甲斐があるってもんだからな☆」
スレンダーな方が言った。手の上では、先程のものと同じような黒い球体を弄んでいる。
「…Sr.!僕になんか恨みでもあるのかよぉ!!」
「別に。恨みがあったら今ごろきみの顔は半分なくなってるね☆」
ポピーブロスSr.はせせら笑うように言う。隣にいるガタイのいいのが、そんなポピーブロスSr.を見て渋い顔をする。
「いい加減にせよ、Sr.殿。我らはカービィとやらを撃破すればよいのだから、そのような子供相手に暇をつぶすこともあるまい」
ガタイのいい方は、ポピーブロスSr.を小突いてそう言った。あきれた顔をして、ポピーブロスSr.は言う。
「…ジュキッド…あいつがカービィなんだよ?知らないのか?」
「知らぬ」
「……」
饒舌なポピーブロスSr.も流石にこのときは言葉を失った。
それでもジュキットは平然と、かつ偉そうに構えている。

一人冷静だったギムが一歩前に出た。
「ここで遊んでいる暇はありません。引いて下さればそれで良し、そうでなければ…」
「殺るってわけね☆」
「Sr.殿、殺しはいかん」
「わかってるよ。ジュキッドは堅物だなぁ…
 じゃ、行きますか☆」
ポピーブロスSr.は今の今まで弄んでいた爆弾を投げつけてきた。カービィはさらりとかわした。背後の壁にぶつかったそれは、派手に爆発した。壁がかなり抉り取られている。
「…ちゃんとした爆弾か!!」
「当たり前だよ。殺傷力が無ければ始まらないからね☆」

ポピーブロスSr.は正確にカービィを狙って爆弾を投げてくる。紙一重でそれをかわすカービィ。いたるところで爆風が上がる。
カービィは爆風に煽られ、したたかに背中を打った。
「困ったな…どうやって攻撃しようか…」

ギムは、ジュキッドと睨み合っている。もちろん、カービィが苦戦していて自分はカービィを助けに行かなければならないことを、ギムは気づいている。しかし、ジュキッドに背中を向けることも出来ない。このまま睨み合っていても埒があかないと、ギムはジュキッドに攻撃を仕掛ける。
「先に仕掛けるほうが不利であることは知っておるのだろう?ヘルパー殿」
「…まぁ…そのくらいは」
ヨーヨーを叩き落としたジュキッドは、攻撃して無防備になっているギムに掴みかかる。ギムは横に滑り、ジュキッドの手から逃れる。そして、バウンドするヨーヨーと、自分の手をつなぐワイヤーをジュキッドの足に引っかけ、後ろに回りこむ。思いっきりワイヤーを手前に引くと、ジュキッドがよろけた。体制を崩したジュキッドの後頭部に向けて、もう一つの手で持っていたヨーヨーを投げつけた。

ジュキッドが倒れこむのを確認して、ギムはカービィの方へ視線をやった。
その時、がしっと何かに足首をつかまれた。ジュキッドの手だ。
「ぐ…わしはまだやられとらん…わしは…
 ぎゃー!!」
「何言っとんねん、おっさん。負けは認めぇや」
突然現れたエセ関西弁の少年はジュキッドの頭上に黒い球体をごいんと落とした。
呆気にとられるギムを尻目に、エセ関西弁の少年はもう1個、黒い球体を取り出した。導火線が付いている。エセ関西弁は問答無用、とばかりに導火線に火をつけた。
そしてそれを
「ポピーブロスSr.!!受け取らんかぃー!!」
とばかりに投げつけた。ポピーブロスSr.は反射的にキャッチした。
「?…何だ、Jr.か。何の用だ?」
導火線がばちばちと燃えながら短くなっていく。カービィは一寸引き気味になりながらポピーブロスSr.に突っ込む。
「…それ、火が付いてるケド」
「へ?」

  ボーン!!

ポピーブロスSr.の持っていた爆弾は見事に炸裂した。先ほど、カービィが引っかけられたアレと同じモノらしく、音と煙が凄いだけでポピーブロスSr.には怪我は無い。
が、ポピーブロスSr.はぶっ倒れた。
「気絶しちゃった…」
「放っておきましょうか」

カービィが爆弾の飛んできたほうに目を向けると…もちろん見なくたって誰だかはわかっていたが…妙ちくりんなおかっぱ頭の少年が立っている。ポピーブロスSr.と同じ銀髪だ。
「Jr.久しぶり!!」
カービィは銀髪のエセ関西便な少年に飛びついた。エセ関西弁の少年はよろけながら笑顔を向ける。
「苦労してたみたいやったからな、横槍入れさせてもろたで」
ポピーブロスJr.…先ほど戦っていたポピーブロスSr.の弟に当たる。兄弟そろって火薬に取り憑かれているわけだ。弟のほうがまだ常識人であるが、平素爆薬を懐に入れて持ち歩いているらしいから、どっちもどっちと言ったところか。

ほな、また後で、とロクに話もしないうちにポピーブロスJr.はよじよじと壁を伝ってどこかに行ってしまった。Jr.が通っていった穴を覗き込むと、そこには部屋が1つ…

ハルバードのブリッジでは、アックスナイトが逐一艦内状況を報告している。アックスナイトの前にあるモニターは、めまぐるしく画像が切り替わっている。その中の一つがメタナイトの目に止まる。モニターの中では、カービィとギムがマスト裏に隠すように置かれているアイテムを物色している。
メタナイトはブリッジにいる人間…先程カービィに返り討ちにされたジャベリンナイトとトライデントナイトも含め…誰に語りかけるとも無く淡々と言った。
「マスト裏にアイテムをコレクションしていたバカはどこのどいつだ?」
「…」
メタ・ナイツの面々は蒼くなる。静かな物言いはしているが、メタナイト様はめちゃくちゃ怒ってる!!と。ブリッジに緊張感が走る中、ワドルディはとことこと司令官の方に歩いていった。司令官の顔を覗き込んで、こう言い放った。
「どしたの?司令官、顔色悪いし汗かいてるよ?もしかして熱射病??」
「しぃぃぃぃぃっっ!!余計なこと言うなぁっ!!!」
司令官はワドルディを黙らせて、ちらりとメタナイトのほうへ視線をやった。ワドルディはムガムガ言いつつ、ばたばたしている。
はた、と司令官とメタナイトの目が合う。司令官は一気に白くなった。
「カービィが2連主砲と接触しました!」
「ぎゃーーーーー!!」
アックスナイトの声に異常に驚いた司令官は、ワドルディを抱えたまま飛びずさった。
メタナイトは頭を抱えた。
ワドルディは宙吊り状態で、振り子のようになっている。
「あのー…司令官…」
ジャベリンだ。
「ワド、離してやらんと死んでしまいますよ?」
ワドルディは紫色になってひくひくしていた。

ジュキッドとポピーブロスSr.をそのままにして、カービィとギムは甲板の上部に出た。
結構風が強い。
「ギム…なんか、関係無いところに出ちゃった気がする」
「私もそう思います」
それじゃ、とカービィが来た道を戻ろうと、今くぐってきた扉に手をかけた。

「…開かない…あり?さっきはロックされてなかったのに」
「ええ…ロックされた、と考えるのが妥当でしょうね」
不意にギムの体が中に浮く。そしてそのまま甲板に叩きつけられた。甲板にのめりこんだギムを助け起こしつつカービィは周囲を警戒する。そして、初めて気が付いた。
今まで自分たちの背後にあったオブジェは、ハルバードの主砲だったのだ。でかすぎで気が付かなかったわけだ。
「う…何だありは…」
「ハルバードの主砲です」
やっとのことでギムを立ち上がらせたカービィの声に、女性の声を模した電子音が飛び込んできた。

『声紋チェック完了。侵入者ト認識シマシタ。排除ヲ開始シマス』

ドカーンと巨大は砲弾が一発、吐き出されたのを皮切りにバラバラと雨のように砲弾が撃ちだされてきた。
「せ、正門〜!!??」
「声紋ですよ、カービィ」
そう言ってギムはカービィとは逆の方向へ飛んだ。砲撃はカービィの方へ集中した。
「ぎゃー!!」
こういう事だ。
ハルバードのコンピューターには、カービィの声紋のみが侵入者として登録されていた。そのため、声紋照合を行った際、カービィのみが攻撃対象として認識されてしまったのである。もとよりギムはハルバードの兵器であるから、攻撃対象になるはずが無いのである。

「カービィ、もう少し頑張ってください」
ギムは主砲の制御コンピュータに忍び寄る。そして、ヨーヨーを投げつけた。

 バリバリバリバリバリッ

ヨーヨーはバリアにはじかれてしまった。
まずい、とギムが思ったときには手にはじかれていた。
「バリア…か…くそ…」
弾き飛ばされたギムの下にカービィが飛んできた。
「大丈夫!?」
「ええ…」
少し考え込んだ後、唐突にカービィが尋ねる。
「そーいやギムって、誰の声をサンプリングしているの?」
「え…多分私を作った人間のものだと思いますが…
 メタナイトでしたっけ?…あ…」
「てことは、ギムが命令すれば攻撃とまる?」
「完全に一致しているとは思えませんが…ノイズとか入っているし…」
ギムは躊躇する。しかし、カービィはそれをやってみよう、と提案した。

「攻撃を止めるんだ!!」
ギムが制御コンピュータに向かって叫ぶ。
人間でいえば、戸惑ったような状況になり、攻撃が止まる。
コンピュータに近づいたカービィがOK〜!と手を振る。バリアも解除されたようだ。ギムもOK、と手を振り返す。
そしてカービィはおもむろにコンピュータに接続されている線を全部叩き切った。
page view: 1118
この小説を評価する:                   (0)