tateさんの小説

【メタナイトの逆襲:メインストーリー】Chapter01: Warp Star Station


 ”終着駅 オレンジオーシャン”

 かれこれ2時間は待っている。ポップスターで最もメジャーな住民の足である、ワープスターが今日に限って遅れている。カービィはイライラしながら、ワープスターが来るのを待っていた。
「……いつもなら10時のおやつの時間なのに……」

 事の発端は、今から溯ること4時間あまり。
 太陽がようやく顔を出した頃、ワドルドゥとバードンがカービィのねぐらに飛び込んできた。
「大変ッス、アニキー!! オレンジオーシャンの海賊団が、宣戦布告をしてきたッスよ!! 巨大な戦艦を建造してプププランドを制圧するって言う噂がまことしやかに流れてるッスよ!!」
 ワドルドゥは布団を引っぺがし、カービィの双肩を掴みガクガクと揺さぶった。今にもビームを乱射しそうなほど、興奮状態である。カービィがへにゃら〜……と目が覚めかけたころ、バードンがワドルドゥの興奮状態を覚ますためにバケツの水をぶっ掛けた。帯電しまくっていたワドルドゥとカービィは感電した。

「で、メタナイトが宣戦布告して何だって?」
 カービィはバードンに聞いた。ワドルドゥは水浸しになった床の上を雑巾で拭いている。
「何でも、今のプププランドはダメダメだからどうにかしてくれるって事みたいです」
「……ホントにメタナイトがそんなこと言ったんかい?」
「違いますけど、わかりやすく言うとこういう事だってニュースで言ってました」
 オレンジオーシャンに居を構える海賊団……ブルータスは、メタナイトという剣士を中心としたならず者の集団というのが、専らの噂である。高度な軍事技術を持ち、ミリタリーFANの間では絶大な人気がある。加えて、メタナイトが冷血漢で切れ者、という人物評も手伝って、プププランドの住民は一目置いている存在である。
 ……どこまでが真実なのかは誰も知らないが。

「宣戦布告したってことは、デデデは何かしてんの?」
 デデデというのは、プププランドを治める一国の主である。一応王様。
 いたずら好きがたたって、よくカービィと悶着を起こしているが、基本的に思いやりのある性格と溢れるカリスマにより、支持率は高い。外部とのいさかいもなく、上手いこと治世をしているはずなのだが。
「様子見ッス。」
 と、ワドルドゥ。
「デデデ大王は防戦しかしたいみたいです」
 そしてバードン。
「そりゃあね、デデデとメタナイトは旧知の仲らしいけどさー、メタナイトがそんなことで手加減してくれるかなぁ?」
 これはカービィ。
「だからアニキがこれからオレンジオーシャンに行って、巨大戦艦を落としてくるんじゃないッスか」
「ふーん……ってなんで僕が?!」
「国民的英雄のカービィが立ち上がったといえば、民衆のブルータスへの対抗心も生まれるッスよ」
 デデデとのいざこざもさることながら、以前カービィは侵略者と戦って撃退したことがある。そのおかげで、いまやカービィは国民的英雄であるのだ。
「それにデデデ大王から出撃要請も出ています」
 バードンがぺらり、と紙っぺらを見せた。

 ”カービィへ

  たのむ Byデデデ ”

「……デデデめっ!!」


 かくして英雄カービィは庶民の生活を守るため…ブルータスが国政を取った方がいいという説もあるが……立ち上がったのである。
 そしてワープスター発着所で2時間待つ羽目になった。

 すさまじい勢いでワープスターが入ってきたのは、それからさらに1時間たってからのことだった。乗客はカービィ一人。3時間も待たされていたのと、遅れの原因が原因だったのでぶすっとふてくされていた。
「戦艦の離陸の様子を見る見ないでもめてたなんて……むがーーー!!」
 一人吼えたあと、カービィはつかつかとワープスターの運転手の傍らまで歩いていった。
「お客さん、どうしまし……」
「このままブルータスの拠点に突っ込んじゃってください」
「いいっっ!!」
「そうすれば、嫌でも戦艦の離陸の様子が見れるから、ね★」
「むがががが……そんな殺生な……」
 カービィの殺気だった笑みに押され、ワープスターはスピードを上げオレンジオーシャンへと突っ込んでいった。
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