tateさんの小説

【メタナイトの逆襲:サイドストーリー】Zapping of 04: 潜入! ヨーグルトヤード


 すっこけたレモンの視界に、真っ黒な皮のブーツが飛び込んできた。
 顔を上げると、目の前にメタナイトが立っている。

 うぇ! メタナイトじゃん……

 慌ててレモンは起き上がった。無遠慮にばたばたとスカートのほこりを払う。
 レモンが立ち上がったのをみて、メタナイトは分厚い魔術書とロッドを差し出した。
「どこぞから降ってきたぞ」
 にやっと笑って言う。多分、メタナイトはいつもどおりに笑ったのだろうが、レモンはアレが苦手だった。
「あはは〜……ありがとうございます〜」

 メタナイトの後ろには餅猫が立っている。
 さすがにメタナイトに張り付いてはいなかったが、ニコニコ笑って立っている。
「レモンちゃん、大丈夫? にしても、よく転ぶね〜ぇ。やっぱりそのスカート、良くないよ。もっと丈を短くした方がいいと思うけど?」
「うーん……そうかなぁ?」
 まじまじと、レモンは自分のスカートを見た。スカートのすそは、床板にくっついてさらに引きずっている。対する餅猫は、ちょっと大きめのパンツをはいている。

 あたしもスカートやめようかなぁ……

 レモンと餅猫のやり取りを聞いてか、聞かずかメタナイトは二人に言った。
「どちらかに、バタービルディングに行ってもらいたいのだが……二人とも、テレポートは使えるな?」
 メタナイトはレモンの方をむいたまま話している。餅猫はこくこくとうなずいている。
 レモンもつられてうなずいた。



 朝早くだというのに、ヨーグルトヤードの街は人があふれかえっていた。
 雑踏の中を掻き分けるようにして、ポピーBros.Jr.と星見草が歩いている。
「眠らない街って話は聞いてましたが〜……すごいですね〜、人」
 星見草はきょろきょろしながらポピーBros.Jr.の後をついていく。
「あんまりきょろきょろすんな! 挙動不審に見えるで」
 後ろからついてくる星見草を気にしつつも、ポピーBros.Jr.は早足で歩いていく。
 すこし奥まった小道に入っていく。
 だんだん人の姿がまばらになってきた。

 ぼろっちぃ看板のぶら下がった店の前で、ポピーBros.Jr.が立ち止まった。
「着いたで」
 きしむ扉を押し開けて、中へ入っていく。
 星見草も後から入っていく。

 店の中は外見と異なり、最新鋭の機器がそこら中に無造作に置いてあった。
 がたいのいい兄ちゃんがカウンターに座って、リボルバー式の銃を磨いている。
 兄ちゃんが顔を上げる。
 ポピーBros.Jr.と星見草に気がついた。
「お、おまえもついに彼女を連れてくるようになったか!」
 彼はずいぶんと大声で話す。
 ポピーBros.Jr.は眉をしかめてカウンターに近づいた。
「彼女やないで、あいつは相方や。と、それはそうと、小型の転送機を貸して欲しいんや」
「小型の転送機? 何に使うんだ、おまえ」
「これからな、ハルバードに侵入するで、うちら」
 ポピーBros.Jr.の言葉に反応して、兄ちゃんはにやっと笑った。
「そうか。報酬はいつものとおりでいいな。転送機ならその辺に転がってるぜ。好きなの選んで持ってきな」
 そういうと、彼は再び銃身を磨き始めた。
「悪いな、借りてくで」
 星見草は、二人の応酬を目を白黒させて見ているだけだった。

 店を出ると、二人の目の前を見知った人物が通った。
 周囲の雰囲気と違い、俗に言う和風スタイルで身を固めている男性だ。
「2号やんけ、あれ」
「カーヴィさんですね……て2号ってなんですか……(汗」
「カービィと似とるやん、だから2号。カービィ2号、な」
「2号……SDXですか……」
 カーヴィと呼ばれた男は、何かに追われているかのような様子で…いや、急いで誰かを追っているような様子で辺りを見回した。
 そして、次の瞬間、彼の姿は消えた。

「テレポー…ト? ですかね??」
「そうやろな、あいつって魔術師やし。時間も押してることやしな、うちらも行くか。
 いざ、オレンジオーシャンへ!」



 ハルバードの中央機関室に、ハガカはいた。
 目の前でリアクターの水晶がくるくると回転している。
 目を細めて、水晶を見つめる。
 淡い光を放つそれは、彼の目には懐かしいものとして映っていた。

「ハルバード離陸まで後30分。クルー全員は所定の持ち場についてください……だス」

 ぽけっとしたメイスナイトの緊張感のない声でアナウンスが入る。
 ハガカは無言で中央機関室を後にした。



>>ハルバード離陸まであと30分。
  現在カービィはワープスターで接近中



                           To be continued...

                    2001Sep10 written by A.Tateshina
page view: 1005
この小説を評価する:                   (0)