tateさんの小説

【メタナイトの逆襲:サイドストーリー】Zapping of 02: スパイラルストラテジー


 明け方近くになって、バードンがデデデのところにやってきた。
 デデデは充血した目をバードンに向ける。
「何か用事があるって聞きましたけど…なんですか?」
「もう知っているかと思うが、メタナイトがプププランドを侵攻するという声明を出した」
「知っていますが、それの関係で何か?」
「ああ、そのことだ」
 デデデはこめかみを押し揉みながら言葉を続ける。
 結局彼は一睡も出来なかったらしい。
「カービィを叩き起こして、メタナイトの侵攻を食い止めるように言え」
「はぁ」
「きっとあいつの事だ、ぐちゃぐちゃ文句付けるに決まっているから、俺様が作っておいた出撃要請書を持っていけ」
「準備いいですね」
「まぁ、まったく予想していなかったことでもないしな」
 デデデは無造作に紙切れ一枚をバードンに手渡す。
 バードンはそれを2つに折りたたみ、内ポケットにしまいこんだ。
 少し開いた扉の間から、でっかな帽子をかぶった少年の姿がのぞいている。
「なんだ、ワドルドゥも一緒か」
「ええ、ワドが一緒だとまずいですか?」
「今更侵攻声明の事を隠したって仕方が無いだろ?
 誰と行こうが、それはお前の勝手さ」
 投げやりな態度でそういうとデデデは背中を向けた。
 バードンはぺこりと頭を下げ、出て行った。

「……スターリンはどのくらいで戻ってくるかな……そうか、ハルバードに接艦できる手段が必要だな」
 そうぼやくと、デデデは立ち上がった。
 扉から半身だけ外に出し、きょろきょろと周りを見回す。
 廊下を暇そうに歩いてきた、眼鏡をかけたぼさっとした感じの女性に手招きをする。
 なんだろ? といった顔をして女性は近づいてきた。
「tate、ダイナブレイドがどこにいるか調べてくれ」
「? ……よくわかんないけど、ラジャでッス」
 tateと呼ばれた女性は無意味に敬礼をして、もと来た廊下を引き返していった。


 ポピーBros.Jr.と星見草は城を離れ、てくてくと街道を歩いていた。
 とりあえず、星見草はポピーBros.Jr.の後を付いて行っている。
「あの〜、タッグを組むってどういうことでしょう?」
 星見草は救急箱を胸に抱えながらてこてこと歩いている。
 城の中ではずるずる引きずっていたローブの裾は、きちんと持ち上げている。
「せや、タッグを組んでな」
「ええ」
「ハルバードの中に侵入する」
「ハルバード……ってメタナイトのとこにある空中戦艦のことじゃないですか」
 ポピーBros.Jr.は立ち止まり、くるっと星見草のほうを振り向いた。
 じーっと顔を見つめた後、彼女の腕の中に納まっている救急箱に視線を落とす。
 ポピーBros.Jr.の視線を追った星見草は、彼の意図していることに気がついた。
「は! ひょっとして私、回復係ですか?」
「ん? よーわかったな、コカ。そんなとこや」
ポピーBros.Jr.は星見草の答えにニコニコしてから、再び歩き出した。
「とりあえずワープスター発着所に行って、オレンジオーシャンまで行くんや。そこから先はついてからのお楽しみやな〜♪」
 妙にポピーBros.Jr.は楽しそうである。
 星見草は漠然と不安になった。
「乗り込んでどうするんですか?」
「それは秘密や、そのうちわかる」
「そのうちわかっちゃうんですか……受動的に……」
「なんか言ったか?」
「いや、独り言です」
 彼らの視界にワープスター発着所が飛び込んできた。



 こちらオレンジオーシャン。
 朝日が差し込み海が赤く燃えているその頃、ブルータスの活動はいっそう活発になっていた。
 要塞前部に見えるハッチの中では、ハルバードの最終調整が行われていた。
 その中、甲板上部からブリッジへのびるキャットウォークを、不釣合いにでかい工具箱を持ったハガカが歩いている。前日メタナイトに見せた愛想のよさそうな表情はしていない。無表情のまま早足で歩いている。
 ハルバード内部に入ると、そこには男が2人。1人は壁に寄りかかり、もう一人は床の上にへたり込んでいる。
 2人ともやる気無さそうなオーラを発している。
 2人の姿を確認すると、ハガカの表情は柔らかくなった。
「よ、仕事は片付いたか?」
「みらまたさんにふぇあさんじゃないですか、何してんですか?こんなとこで……てふぇあさん、起きてます?」
 ハガカに声をかけた壁にもたれかかっていた男は、ブーツの先で横にへたり込んでいる男を小突いた。
「寝てるな」
「……起きてるよ、多分」
 床の上の男、ふぇあはそう答えた。
 みらまたは壁から離れると伸びをした。
「やっぱりさー、新参者って居場所ないよなぁ。どこ行っても居心地悪くてよ、ふぇあとここでサボってるってわけさ。ハガカのほうは……それなりに仕事があるようだな」
 みらまたは腰につるしている剣の柄をいじっている。
 ああ、癖なんだなぁ……とハガカは思った。
 外見からしても、みらまたやふぇあとハガカは明らかにタイプが違う。ハガカは裏方メカニックマンで、みらまたやふぇあはガタイの良い、一般で言うところの戦士系だ。だから今はそんなに手伝うことも無いのだろう。

「居心地悪い、ねぇ……そのうち慣れるんでない??」
 フラフラっと近づいてきたのは朝飯のパンを片手に持ったぜぼしんだった。
「俺もやる事無いんだよね。ま、所詮はファイターだよな。今のうちに羽でも伸ばしておくといいんでない? あ、あと朝飯の支給やってるから、取りに来いだってサ」
 ぜぼしんの言葉を受けて、今まで眠っていたはずのふぇあががばっと起き上がってそのまま地下の食堂に走り出した。
「何だ、起きてたんだ」
「ああいう奴だからな、じゃ俺も朝飯もらいに行ってくるかな〜。お前はどうする?ハガカ」
「僕かい? もうちょいやることがあるから、それが終わってから自分で取りに行くよ」
 それじゃ、と溜まっていたゲストたち(笑)はそれぞれの目的地に向かって歩き出した。

「あ、メタナイト様」
 ブリッジから出てきたメタナイトをジャベリンナイトが呼び止める。
 ジャベリンナイトは無言で紙の束を差し出す。
「本当は、”こんぴうた”で見れる方がいいと思うのですが、俺、あれダメなんで……」
 メタナイトは差し出された紙の束にさっと目を通す。そしてふむ、と唸る。
「いや、構わんさ。有難うジャベリン、助かった」
 メタナイトは部下に向かって素直に礼を言う。
 そして左手を上げ、そのまま自室に向かった。



>>ハルバード離陸まであと4時間。
  現在カービィは自分の家で爆睡中…



                           To be continued...

                    2001Mar10 written by A.Tateshina
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