tateさんの小説

【メタナイトの逆襲:サイドストーリー】Zapping of 01: 爆弾と救急箱


「えーと、ワドルドゥもバードンもいませんけどー?」

ここはデデデ城。
怪しげな女性の持ってきた書簡を読んだデデデは、ワドルドゥとバードンを呼びつけるつもりだったが肝心の2人がいないらしい。ゆったりとしたローブを着た女性がそう言った。
ポピーブロスJr.も戻ってきた。
「おらへんで、大王様。城の周りも見てきたけど見つからんかった。」
む…と眉を寄せ、デデデは少し考え込んだ。
そしてローブを着た女性の方を見た。
「悪いが星見草、カービィのところへ…」
デデデが言いかけたところに、黒髪の男性が顔を出した。
半開きの扉から体半分部屋の中に入った状態だ。
「大変ですね、デデデ大王。
 メタナイトがプププランドを征服するって声明を出したそうじゃないですか?」
デデデはその言葉に怪訝そうな顔をして、首をかしげた。
「…なんで知ってるんだ、スターリン、まだ俺様は何も言っていないぞ?」
「さっきラジオでそうニュースが入ってましたよ。
 ブロントバードもそう言っていました」
さらっとスターリンは事実をそのまま言った。

   ◆

オレンジオーシャン、海賊団ブルータスの基地。
日が落ちて暗くなっているが、基地からは煌々と明かりがもれている。そこだけは昼間と遜色がないくらい明るい。
そして、巨大なハッチがせりあがってくる様子が見える。

基地の入り口近くをやる気なさそーにアーミーナイフを腰にさげた男が歩いている。
門の所に立っていたメイスナイトが気が付いて、声をかける。
「あれ?ぜぼしんさん、どっか行ってたんだスか?」
「や、メイス。メタナイト様に頼まれてメディアの方に今回の声明を渡しに行ってきたんだ」
「…メディア?だスか??」
「そ、よくわかんないけど、とりあえずブロントバードに渡せば良いって言われたから
 あとラジオ放送局と」
「ふ〜ん、そうだスかぁ。とりあえず今日はもう遅いからゆっくりしてね、夕飯もできてるだスから」
ひらひらっと手を振って、ぜぼしん、ことゼボン親衛隊長は基地の中に歩いていった。


ブリッジでは、メタナイトとアックスナイトがプログラムの最終チェックを行っていた。
そこへメタナイトが書簡を渡した女性が降って現れた。
そしてメタナイトに飛びつく。
「メタナイト様!デデデに渡しましたよ、手紙。
 ちゃんと受け取ってもらいましたから!」
メタナイトは無言でうなずく。
そして顔色一つ変えずに作業に戻る。が、アックスナイトの方が反応した。
「おい餅!メタナイト様にくっつくな、暑苦しい」
餅と呼ばれた女性はぷぅっと頬を膨らませ、アックスナイトを睨みつけた。
「いいの!メタナイト様が離れろって言ったら離れるから。
 それからあたしは餅じゃなくて、餅猫ですー、餅猫!」
餅猫はぺったりメタナイトに張り付きながらアックスナイトに言う。
彼女自体は小柄でメタナイトにしてみれば、たいした重さではない。が、現状ハルバードの命ともいえるシステムのチェックをしているという関係で、どっか行け、というジェスチャーをした。
餅猫は仕方ないか、という顔つきでメタナイトから離れた。
「悪いな、もう今日は休んで構わない」
メタナイトは猫餅の方をきちんと向いて言った。
猫餅はにっこり笑って、テレポートした。

「メタナイト様…」
「何だ、アックス」
「張り付かれて平気なんですか?」
「いや、別に」
「…なら良いです」




「ブロントバードが何でそのことを知っているんだ?」
デデデがつぶやく。スターリンがそれに応えるように言った。
「メタナイトが故意的にメディアに情報を流した、ってこともありますよね」
ふむ…とうなって、デデデは黙り込んだ。
スターリンは抱えていた書類の半分を、デデデのデスクに置いた。
そして残り半分を抱えなおし、部屋から出て行こうとした所へデデデが声をかける。
「スターリン、それを片付けたら戻ってきてくれないか?」
「? …わかりました」

デデデが書類に目を通している間も、ポピーブロスJr.と星見草は前に突っ立っていた。
デデデが視線だけ上げて2人を見る。
「何してんだ?そこで」
「いや、何したらいいんかな〜、と思って。
 なぁ、コカ。そやろ?」
「ええ、そうですね〜」
ポピーブロスJr.と星見草は顔を見合わせる。
と、ポピーブロスJr.の視界にちらりと星見草の持っている救急箱が入ってきた。
相変わらずやな〜、とも思いつつ、ふと彼はめちゃくちゃなことを思いついた。

「そこで立ってても何も起こらんぞ?
 もう遅いから、そうだな…バードンかワドルドゥを見かけたら俺様が呼んでたと伝えてくれ」
わかりました、と2人は答えてデデデの私室から出た。
それじゃ、と反対方向へ歩きかけた星見草の腕を、わしっとポピーブロスJr.がつかんだ。
「え、えーと…愛の告白ですか?」
ボケる星見草をジーっとポピーブロスJr.は見つめる。そしてこう切り出した。
「しばらくうちと、タッグ組まんか?」


ポピーブロスJr.と星見草が出て行ってからしばらくして、スターリンがデデデの私室に戻ってきた。
デデデは無言で手招きをする。
スターリンは何も言わずにデデデのそばまで来た。
「何か御用で?」
うむ、とデデデはうなずいで、スターリンに1枚の書類を渡した。
スターリンは無言でその書類に目を通す。そして心持ち嫌そうな顔をした。
「そういうことだ、気になるんで調べてもらいたいんだ。頼めるか?」
「…デデデ大王、それは僕には拒否をする余地があるってことですか?」
「いや、無い」
ふぅ、とため息をついて、スターリンは引き受けましょうと言った。




To be continued...

2001Feb19 written by A.Tateshina
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